取材:石田博嗣

おっさんが好き放題にやりまくったロッ
ク!

HE卍の結成の経緯からうかがいたいのですが。

中学生の時から構想があって…小学校6年生ぐらいの時に三島由紀夫の『音楽』という映画を観て、アングラなものに惹かれていったんですよ。そういったアングラなものとロックを合体した音楽をやりたいと思って、授業中に構想をノートに書き溜めていたんですね。で、高校生の時に狂喜乱舞っていうバンドを作って、それが猟奇納骨堂ってバンドに変わって…この猟奇納骨堂は三人組で、全員がKKK団みたいな黒頭巾をかぶって、マントを着ているんですよ。で、今で言うインド音楽っぽいトランスみたいな曲を延々プレイするという(笑)。その猟奇納骨堂の感じのものをまたやってみたいと思って…それが2年半ぐらい前かな? 今のドラマーはロジャーさんなんですけど、当時は小畑ポンプくんに声をかけ、“ベースは佐藤研二さんが絶対にいい!”ってことで佐藤さんに電話したんです。

単純にそういうバンドをやりたかったと?

商業的なことはまったく考えずにね。卍って名前も、3回目のライヴの途中のエレベーターの中で思い付いたんですよ。だから、そのステージ上で“このバンドは卍って名前でどうだろうか?”って発表しました(笑)。ちょうどその頃、THE WHOのロックオペラ『TOMMY』の日本人キャストのものが上演されることになって、僕も出演することになったんですね。朝から晩まで新興宗教のお芝居の練習をしていると、自分自身が卍教の教祖のような気がして(笑)、帰りの車の中で鼻歌で『卍のテーマ』みたいなのを作りながら帰ってたんですよ。で、家に着いた瞬間にMTRを使ってひとりでレコーディングをして、朝までかかって2曲ぐらい作る。そうやって1週間でアルバム一枚分のデモを作り上げたんですよ。早速、佐藤さんに聴かせたら、甚く感動してもらえました(笑)

では、レコーディングはどんな感じでした?

トリオのロックバンドであることを強調するために、みんな同じブースに入って、演奏は一発録りで、間違えたら最初からやり直さないといけないという恐怖のレコーディングでしたね。卍はアレンジを細かく決めないでレコーディングするので、どれぐらいのサイズになるのかや、どんなことをやるのかが決まってないんですよ。その時の空気感が一番大切なので、かなりアドリブ的な要素を残して、ヘッドフォンを付けずに“せーの”で録りました。ギターのダビングも1曲ぐらいしかしてないし…“なぜそんなに古めかしいことをやるんだ”って思う人もいるかもしれないけど、そもそも卍の出発点はおっさんが好き放題にロックをやりまくるというものなんで(笑)

確かに、曲はメロディーよりもバンドグルーブ重視ですし。

我々ぐらいの年代の熟年バンドがトリオで演奏するロックって、だいたいジミヘンっぽい感じになる。もっとブルースくさいっていうか。でも、我々は1曲目の『ロックンロール中学生』に象徴されるようにアホそのもの(笑)。ロックバンドってカッコ付けるけど、自分たちはあまりにロックが好きすぎて、それが隠せないんですよ。

やりたい放題のアルバムになってますからね。

バカ丸出しですね。なんかね、久しぶりにロックバンドをやってる感じが戻ってきたんですよ。カツカツなスケジュールでレコーディングしているくせに、隣のスタジオで2ndアルバムを録ろうとしてましたからね。“2ndは『卍、ラスベガスへ行く』っていうタイトルにしようか?”とか言いながら(笑)
THE卍 プロフィール

ザ・マンジ:すかんちのROLLY、元マルコシアスバンプの佐藤研二、元X-RAY/RESISTANCEの高橋“ロジャー”和久というロック30年選手たちが集結し、熱きパッションを注ぎ込んだロックバンド。THE卍Official Website

OKMusic編集部

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