L→R JOE(Dr)、Ricky(Vo)

L→R JOE(Dr)、Ricky(Vo)

【DASEIN】あの頃失った未来を今、取
り戻したい

デジタルサウンドに日本語の響きを重視した異色のヴォーカル&ドラムユニット、DASEINがリリースしたアルバム『唯、此処にある事が愛しくて』。復活から7年を経た今、解散前のデモ音源をリアレンジした楽曲を集めた作品を発表する真意とは?
取材:清水素子

2004年の解散を経て、2010年に復活して7年。なぜ、このタイミングでの復活後1stアルバムだったのでしょう?

Ricky
復活当初は年一のお祭りイベント的だったのもあって、そこまで本格的な活動を考えていたわけではなかったんですよ。ただ、2013年に僕が事務所から独立したのをきっかけに、改めてDASEINに本腰を入れてみようと。それならまずはアルバムを出そう!と曲制作に入ったのですが、なかなか曲ができなくて。今から思うと、たぶん“新しいもの”にこだわりすぎていたんですよね。でも、その間JOEはずっと“昔の曲をやろうよ”って言ってたんです。
JOE
解散前にデモを作っていて、素晴らしい曲に仕上がるだろうという確信のあった曲たちが、結局発表できなくなってしまったことに、僕はかなりの後悔があったんですね。だから、復活後にシングルを出す時も、真っ先に過去曲の1軍から持ってきたし、他にも“これはアレンジしたら良くなる!”と思える曲がいっぱいあったんですよ!
Ricky
そう言われて聴き返してみたら“なるほど”と。それで2軍のスターを育てて、1軍だったシングルと合わせて収録したのが、今回のアルバムですね。ちなみに1軍と2軍の違いはデモの完成度です(笑)。

なるほど。ただ、解散から13年が経っているわけですから、当時とは違う進化を感じられたのでは?

JOE
確かに、その間お互いに培ってきたものがありますからね。曲に対して昔ほど難解な事をやってやろうという気負いもなく、素直にアプローチできたのはある意味進化かなと。ドラムに関しても非常にどっしりとした土台を作り、非常に華やかな光線を放ち! 上手い具合に曲をオブラートに包んでいるんじゃないかと。

…………。

Ricky
毎回こうなんですよ。偽哲学者みたいでほんとに理解不能(笑)。僕で言えば、歌詞に関してはおそらく昔よりも伝えたいことがより明確に書けるようになったんじゃないかな。実は今回収録した過去のデモ曲全てに解散前の段階で仮歌詞が付いていたんですけど、ほぼ全曲書き直しまして。例えば、表題曲の「唯、此処にある事が愛しくて」は、デモでは「泣きたくて」っていう曲で。歌詞の響きもはまっていたし、言葉のインパクトもすごかったんですけど、“今、別に泣きたくないなぁ”と(笑)。昔作ったメロディーと今書いた歌詞が融合しているところに、今作の面白さがあるんですよ。
JOE
中でも「BREAK-SHAKE-BRAIN」は、実はRickyがDASEINを始める前にやっていたユニットの曲で。当時、偶然にデモを聴いた時に“こんなに人の心に刺さる歌を歌える人がいるんだ!”ってすごく惚れたんです。そんな運命的な曲を新たなかたちで出せたことが個人的には一番嬉しいですね。ギターには元ViViDのRENOくんにも参加してもらって、結果、彼のロックなプレイが曲の躍動感にズバッとはまりました。

では、収録曲は全て解散前のデモをもとに作られたもの?

Ricky
いえ、「COGITO ERGO SUM」と「Do NoT TENdER?」は事務所独立後に“アルバムを作ろう!”と意気込んでいた頃に書き下ろしたもので、2015年にシングルとしてリリースもしてます。つまり、一番新しいDASEINが表われている2曲で、「COGITO ERGO SUM」ではEDM的アプローチにも挑戦してみたり。タイトルは“我思う、ゆえに我あり”という意味の哲学用語で、解散前からいつか使いたいとずっと心にあった言葉なんです。もともとDASEINが“現存在”という意味の哲学用語ですし、それと似たニュアンスで今回やっと使えた!と。

そういった哲学的な事柄をテーマにしながら、歌詞が変に難解でないのもいいですね。

Ricky
難しいことをそのまま歌っても伝わらないですからね。音楽家としてキャリアを重ねると、曲も歌詞もひと癖あるような音楽をやりたくなりがちだけど、それで本当にやりたかったことからぶれていくケースが多いような気がするんですよ。だったら、背伸びしすぎず、自分の持っているものをベースに勝負したほうがいい。
JOE
「COGITO ERGO SUM」はどっしりとしたミドルな感じで、DASEINの新章としては看板になる曲になりましたね。謂わば新しいDASEINの扉を開く曲ということで、それでアルバムの最後に置いたんですよ。
Ricky
そのメインフレーズがエンドSEである「新生-epilogue-」でも使われていて、リピートでオープニングSE の「再生-prologue-」に戻ると、“新生”でDASEINが未来ゲートに吸い込まれ、ワープしてまた“再生”という過去に戻っていくような感覚に陥るのが面白い。今まで溜まっていた情念や想いをほぼほぼ吐き出せたアルバムだから、自分の中ではカタルシス的なところもあるし、復活後の集大成であり、ベスト盤とも言える。正直言ってそこに心残りがないわけではないけど、それは次作でリベンジできたら。

悔いがあるから次の目標も生まれるわけですしね。

JOE
今回のキャッチフレーズが“-僕らは今、あの頃の未来へ辿り着く-”なんですけど、このアルバムでその未来にようやく辿り着けたんで、やっとここから新しいものが始まる予感がするんです。ツアーでは僕の生まれ故郷である長崎での2デイズもあって、唯一の指定席ですし、挑戦でもありますが、そこは僕らの力でバン!と悩殺してやろうかなと。
Ricky
そこで“悩殺”って言葉が出てくる!?(笑) …ま、2004年に解散したことにより見ることができなかった未来と、解散したからこそ辿り着いた今の未来ではもちろん全然違いますけど、今回のアルバムとこのツアーによって“限りなく近い”景色を作れるような気がしていて、それでツアー名も“フィーチャー≒フューチャー”とニアリーイコールで結んでみました。なので、ファンの方には2005年あたりのツアーに来るような…10歳ぐらい若返ったような気持ちで来てほしいですね(笑)。
JOE
辿り着くあの頃の未来へ、ともに駆け抜けましょう!
『唯、此処にある事が愛しくて』
    • 『唯、此処にある事が愛しくて』
    • SOCO-0005
    • 2017.03.08
    • 3240円
DASEIN プロフィール

ダーザイン:元SEX MACHINEGUNSのドラマーJOEとヴォーカルのRickyの運命的な出会いにより2000年に結成。翌01年1月1日にavexより「夢つれづれ」にてメジャーデビュー。アグレッシブなJOEのドラムとハートウォームなRickyの歌にデジタルを融合させたサウンドはまさしく唯一無二であり、のちに“HYPER BEAT ROCK”という新たなるジャンルを確立させる。04年に惜しまれつつも解散するが、10年に復活し、17年3月に復活後初のアルバム『唯、此処にある事が愛しくて』をリリース。DASEIN オフィシャルHP

OKMusic編集部

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