L→R 廣瀬拓哉(Dr&Cho)、熊谷和海(Vo&Gu)、石川大裕(Ba&Cho)

L→R 廣瀬拓哉(Dr&Cho)、熊谷和海(Vo&Gu)、石川大裕(Ba&Cho)

【BURNOUT SYNDROMES】裏側も含め、
バンドの全てを見せる多彩な全13曲

平均年齢23歳の3人組が、1stフルアルバム『檸檬』をリリース! 聴いた人の青春時代を詰め込める名盤を作るという挑戦が、ギターロックの範疇に収まり切らない実験精神あふれる野心作に結実した。
取材:山口智男

「FLY HIGH!!」と「ヒカリアレ」というメジャーデビューしてからのシングルをきっかけにBURNOUT SYNDROMESを知ったリスナーはきっと今回のアルバムを聴いたら、かなりびっくりするんじゃないでしょうか?

熊谷
そういう新しいファンの方々にこういうバンドですよって、裏側まで全部見せられるような作品という意味では、全13曲というボリュームのあるフルアルバムを作れたと思います。まず、名盤を作ろうというテーマが3人の中にあって、中高生の頃、擦り切れるように聴いたアルバムを目指そうとなりまして。それは、僕らにとってはASIAN KUNG-FU GENERATIONさん、BUMP OF CHICKENさんという偉大なバンドのアルバムになるんですけど、今聴いてもあの頃の空気感や感情が蘇るんですよね。そういう聴いた人の青春時代を詰め込めたアルバムを作るには何が必要かと言うと、一曲一曲に魂がこもっていて、捨て曲がないこと。それと、これは僕らの色なんですけど、13曲入れるとしたら13曲全部がバラバラのベクトルを持っていて、その全曲が同じ世界観の上にあるというか、文学的な歌詞で貫かれているような作品を目指しました。

ムソルグスキーの「展覧会の絵」をモチーフに、聖歌隊を連想させるコーラスをフィーチャーした組曲風のアレンジにいきなりびっくりさせられる1曲目の「檸檬」をはじめ、クラシック、ラップ、ヒップホップ、フォークなど、いろいろな要素が入り混じる上に、トリオ編成にこだわらないアレンジが加えられた曲の数々を聴きながら、相当に幅広い音楽を聴いているに違いないと思いました。

熊谷
それは間違いなく(笑)。音楽が大好きなんです。だから、ジャンルは関係ない。プログレも聴くし、EDMも聴くし。実はEDMが大好きなんですよ。そんなふうにいろいろな音楽を聴きながら、いろいろな引き出しを毎日作っていっているんです。あとはコラージュとして、どの引き出しを開けるか。曲作りはそれを繰り返すだけで、感性で作っているというよりは、左脳で作っているという感覚があるんですけど、それゆえにこれまではあまりにも自分に寄りすぎたものになっていたと思うんです。だから、今回はそれだけの技術と知識をどうやったらリスナーのみんなに聴いてもらえるかを意識しました。やりたいことを全部詰め込んだら、音楽に詳しくない人の理解を超えてしまうということが分かってきたので、それ以上はエゴだっていうラインを踏み越えずに、いかにギリギリで止めるかを全曲で考えました。結果、シングルから聴き始めてくれた、アニメ好きの人たちにも受け入れてもらえるような作品になったと思います。

だから、それだけ多彩な曲がありながら、全体の印象はアンセミックなロックアルバムになっているわけですね。歌詞はどの曲も情景が浮かぶものばかりで、聴きながらすっと耳に入ってきますが、曲によっては主人公が女性になるところが面白い。

熊谷
マンガを描くように歌詞を書いているんですよ。このテーマには男女どちらが合うのか、映像としてきれいなのか考えているんです。今回、女の子が主人公の曲って、性別が逆だとしたら結構気持ち悪いんじゃないかな(笑)。変にじっとりした男は、僕は嫌なんですよね。だからって女の子がじっとりしているわけではないですけど、女の子が言ったほうがカッコ良い台詞があると思うんですよね。

「エレベーターガール」の冒頭の《颯々と出して頂戴》という女の子の台詞にはドキッとさせられました。

熊谷
あそこはドキッとすると思います。心が汚れている人ほどドキッとするようなワードにしたいと思って、ばっちり狙って書きました(笑)。

…心が汚れていてすみません(笑)。

熊谷
いや、僕も汚れているんで(笑)。

その後の歌詞を考えると、《出して頂戴》って意味深で。

熊谷
そうそうそう(笑)。
廣瀬
そうか! そういうことなんだ! 今、やっと気付いた(笑)。

ところでリズム隊の2人が一番チャレンジだった曲は?

廣瀬
うわ、難しい。どれも結構頑張ったんですよ。結果、褒められたのは「Bottle Ship Boys」。ドラムは常にどうやったら景色を作れるかってところに重きを置いているんで、“ドラムを聴いただけで海が見えるね”ってプロデューサーのいしわたり淳治さんと熊谷から言ってもらえて嬉しかったです。
石川
僕は「人工衛星」。ベースは宇宙っぽい感じでと言われたので、機械っぽいクロマチックなフレーズとノイズがあるというか、歪みがきつい音色にして曲のイメージに近づけてみたんですけど、一番フィットしたと思います。

EDMが好きだとおっしゃっていましたが、シンセサイザーって使っていないですよね。あと、ストリングスも入っていない。そこがこのバンドの個性になっていると思いました。今、結構入っているじゃないですか。

熊谷
分かるんですけどね。でも、あれを入れちゃうと、そういう音になっちゃう。それではEDMに勝てないと個人的には思うんですよ。それなら、ギターでシンセっぽい音も作れるし、ストリングスの代わりにコーラスで厚みも付けられるし、そういうところでロックにはまだまだ掘り下げるべきところがあるんじゃないかと思います。そこでシンセという最強の楽器に簡単に白旗を揚げるのではなく、生にこだわることで僕ららしさが出せたと思います。

それでコーラスがこんなに入っているのですね。

熊谷
クイーンを超えられるぐらいの気持ちでやってもいいんじゃないかと。もっとやれるような気がするし、そこを切り開いていくのが僕らなんじゃないかと思っています。
『檸檬』2016年11月09日発売EPIC Records Japan
    • 【初回生産限定盤】
    • ESCL-4732~3 3500円
    • ※DVD付
    • 【通常盤】
    • ESCL-4734 3000円
    • 完全生産【限定盤 (ハイキュー!! バンダナ盤)】
    • ESCL-4735 3500円
BURNOUT SYNDROMES プロフィール

バーンアウトシンドロームズ:関西在住の3ピースロックバンド。2005年結成。日本語の響き、美しさを大切にした文學的な歌詞やヴォーカル、その世界を彩る緻密に計算されたアレンジで、スリーピースの限界に常に挑戦している。16年3月にシングル「FLY HIGH!!」でメジャーデビューを果たす。BURNOUT SYNDROMES オフィシャルHP

OKMusic編集部

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