L→R 山本陽介、森重樹一

L→R  山本陽介、森重樹一

【森重樹一&山本陽介】日本のロック
アイコンが放つ新時代の快作

精力的にソロキャリアを重ねている森重樹一が、アルバム『GRACE』を完成させた。躍動感に満ちたロックンロールな作品が生まれた背景には何があったのか。今や彼の“バンド”を支える盟友とも言える、自らもソロデビューを控えた若手ギタリスト、山本陽介とともに語ってもらった。
取材:土屋京輔

何かすごい衝撃を与えるものって、時代
とか世代とかって関係ない

おふたりは、どういうきっかけで知り合ったのですか?

山本
共通の知り合いだった黒須克彦さんというベーシスト/作曲家が、以前に森重さんのツアーで弾いていたんですね。僕はその後に仕事を通じて黒須さんと出会ったんですけど、2012年の春に森重さんがツアーをやるにあたり、今までやったことのないメンバーでやってみたいという構想があったようで。その時にバンドマスターとして白羽の矢が立ったのが黒須さんで、僕を紹介してくれたんです。でも、森重さんは日本のロックのひとつのアイコンだと思ってましたし、まさか自分が一緒にやるなんて思ってもみない方だったんですよね。だから、声をかけてもらった時は、“大丈夫かなぁ、俺の思っているロックって間違ってないよね?”って気持ちもあったりして(笑)。お話するのも初めてだったんで、最初は“なんて腰が低くて、やさしい喋り方をする人なんだろう”って。とてつもなく愛情にあふれていて、勝手に抱いていたイメージとのギャップに驚きましたね(笑)。
森重
でも、まだあれから3年半かって感じだよね。陽介も25~26歳だったわけで、自分も随分若い世代とやるようになったもんだなと思ったんですけど(笑)。でも、スタジオで一緒に音を出した時に、すごく良かったんだよね。例えば、ラフにやっても、この辺でコースアウトしないんだっていう安心感があるとないとではすごく大きくてね。自分の曲って、ロックというフォーマットではあれ、意外とポップスの要素が多いと思ってるんです。そういうものに対して、“俺、ロックだからさ”ってこられても、部屋の隅が拭けてない感じになっちゃうんですよ(笑)。でも、俺はロックのガツンとくる力強さもある上で、その隅をしっかり直角に曲がれる感じがないと嫌なんですね。それは瞬時に感じ取れる。だから、陽介と組むのはとても楽しみでしたね。実際に話をしていても、ギターも音楽も好きっていう純粋なところも分かるし…でも、何でこんなに若いのに、こんなに古臭いギターが好きなんだろうとは思いましたね(笑)。
山本
そうそう。テレキャスター・カスタムとES-355っていう、それこそローリング・ストーンズのキース・リチャーズの代名詞みたいなギターを、たまたまその時のツアーに持って行ってたんですよ。そこで“誰が好きなの?”“キースとエドワード・ヴァン・ヘイレンです”“それ、真逆じゃね!?”みたいな話をしたのを覚えてますね(笑)。
森重
一点に集中して、どんどん狭めていくやり方もあると思うんだけど、間口をすごく広く持って、その両極の中にいろんなものを置いていく…陽介にはそういう側面があるんだよね。自分も狭いながら、ちょっとでも間口を広げたいなといつも思ってるから、その感覚がすごくいいなって。
山本
ほんとに音楽的にもギターのスタイル的にも真逆ですけど、衝撃的だったふたりなんですよね。楽器を始めたきっかけは、父が好きだったビートルズなんですけど、家にはピアノとアコースティックギターとエレキベースがあって、休みの日にはビートルズの映画がずっと流れているような環境だったんですよ。だから、当たり前のように、演奏している外国の人たちがカッコ良く当時の僕に映ったんでしょうね。その時、ジョン・レノンが気になってたみたいで、ギターを与えられたんですよ。それが3歳の時ですね。大人用のアコースティックギターを渡されて、“まずはセーハ(1本の指で同フレット上の複数の弦を同時に押弦する奏法のこと)で12フレットまで音が出るところまでやれ”と。

3歳の子供に!? スパルタですよね(笑)。

山本
酷ですよね(笑)。思い返せば、間違ってないんですよね。それができないとコードが押さえられないし。そのうちに歪んだ音が欲しくなって、ボリュームノブを引っ張るとオーバードライブがかかるアンプに、父のTakamineのエレアコを挿したんですよ。最初に弾いたリフが「サティスファクション」で。ローリング・ストーンズっていうものを意識したのは、その頃ですね。小学校1~2年の時だったと思います。その後、小学校5年生の時にヴァン・ヘイレンを知るんですけど、これは車のCMで「ユー・リアリー・ガット・ミー」が流れてきて衝撃を受けたんですよね。でも、これを弾くにはさすがにアコギじゃ無理だってことで、懇願してエレキを買ってもらったんです。
森重
今、陽介の話を聞いていて改めて思ったんだけど、そのCMにしても、ヴァン・ヘイレンがリアルタイムであの曲をやってた何年も後でしょう? 結局、ある種の脳内革命を起こしてくれる、何かすごい衝撃を与えるものって時代とか世代とかって関係ないんだよね。「サティスファクション」のリフだって、すごくエネルギッシュでキャッチーだから、それこそ小学生をも惹き付けるわけで。ビートルズの話も出たけど、録音システムを始めとして、今はハードの部分ではどんどん変わってきてしまってるけど、発想の面白さみたいなものは、何が変わろうが生み出せると思うんだよね。

OKMusic編集部

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