L→R 伊地知 潔(Dr)、山田貴洋(Ba&Vo)、後藤正文(Vo&Gu)、喜多建介(Gu&Vo)

L→R 伊地知 潔(Dr)、山田貴洋(Ba&Vo)、後藤正文(Vo&Gu)、喜多建介(Gu&Vo)

【ASIAN KUNG-FU GENERATION】この音
が未来をポジティブに変えていく

今立っているこの場所が、僕たちのWon
der Future

そして、レコーディングはロサンゼルスにあるフー・ファイターズの所有する『STUDIO 606』だったわけですが、どんなところでした?

伊地知
すごいスタジオでした。スタジオにドラムが置いてあって、デイヴ・グロールがそこで叩いてる映像も観てたし、アルバム再現ライヴ(『Wasting Light 2011』)もそこでやってたし。隣に倉庫があって、とてつもない量の機材が置いてあるんですよ。ギター、ギターアンプ、2階にドラムが置いてあって、それ見ただけでアガりました。

ものすごくいい音ですけど、何が違うんでしょう?

伊地知
スタジオがデカいというのもあるけど、録り方が違うんですよ。ルームマイクがメインで、部屋鳴り中心に音作りしてる感じ。音の反射もいいし。
後藤
あと、空気が乾燥していて、楽器が乾いてる。
伊地知
倉庫のシャッターを開けたら外なんですよ。日本じゃあり得ない。それでもカビたりしないし。
後藤
除湿という概念がなさそう(笑)。高価なマイクも無造作に棚に置いてあったし。

ベースについては?

山田
ベースのプライオリティーが低いんですよ。あまり気にしてもらえなくて。

あら、そうなんですか?

山田
一応、発注した機材は揃ってたんですけど。ベースのキャビネットはどこに置いてあるんだ?という話になって探したら、ガレージの外に置いてあった(苦笑)。誰もケアしてくれないから、自分で作業して。
後藤
ほんと、そうだよね。向こうのエンジニア、ドラムはちゃんとチェックして、“シンバルはこっちのほうがいい”とか何枚も試したり、ギターもガンガン口出してきたり。でも、じゃあベース…って、急にテンション下がって(笑)。
喜多
逆にギター録りになったら盛り上がり出すんですよ。“今のじゃダメだ”とか、急に厳しくなる(笑)。

何なんですかね(笑)。デイヴの趣味に合わせたのかな?

後藤
文化だと思いますよ、たぶん。
山田
ネイト(・メンデル/フー・ファイターズのベーシスト)の機材を使ってたし、最初から出音がそんなに外れてなかったと思うんですよ。“あぁ、グッド・サウンド”って言って、あとはそのまま。自分的にはドラムに合わせていろいろ変えたいと思ってたんだけど、テイクがどんどん進んじゃって、戻れないみたいな。
後藤
ミックスの段階でも、山ちゃんの細かい意図なんて無視して、ガンガン歪ませて。
山田
録り音と関係ない(苦笑)。
後藤
だから、山ちゃんの思惑は一切入ってないです、このアルバムには(笑)。
山田
面白かったですけどね。楽しむしかなかったから。
喜多
“楽しもう”というのはキーワードだったね。ロサンゼルスでは、いろんなことを。山ちゃんのベース、すげぇ歪んで帰ってきたけど、楽しもう!みたいな(笑)。最初のミックの時、落ち込んじゃって、全曲これになるんじゃないか?って思った時も、みんなで励まして“楽しもうぜ!”って。
後藤
“向こうの流儀に合わてみようぜ”って。俺たちが口出して、いつもと同じ音像だねってなるのも嫌だったし。でも、本当ウケたな、ベースの扱いは。文化の違いなんだなと思った。とにかくギターとドラムをバン!とよく聴かせて、それだとベースを出したくても音域的に空いてないから。この作り方だとベースはここ以外になくて、ここで出すには歪ませるしかない。山ちゃんには悪いけど(笑)。

まずリスナーには、このアルバムのダイナミックな音を楽しんでほしいと思います。その上で、歌詞の素晴らしさについても、ひとこと言いたいです。

後藤
ありがとうございます。頑張って書きました。

“僕は~”という一人称がほとんどないので。小説を読んでるみたいな、物語性の強い世界観だなと思います。

後藤
“君と僕”だけにしないように、というのはありました。第三者が出てくるとか。ビートルズの「She Loves You」みたいに、“HE”とか“SHE”をはさむと、違ったパースペクティブが立ち上がるんですよ。一対一じゃないほうが広がるし、そういうものでありたいなと。

「Easter」もそうですけど、“街”という言葉が繰り返し出てきて、風景描写が多いから、全曲がひとつのイメージでつながるんですよ。そんな街の中で、希望を探して懸命に生きる人々の物語…僕はそうとらえました。

後藤
うん。そういうふうにいろんな人が、いろんなとらえ方をしてくれたらいいなと思います。架空の街だと思ってくれてもいいし、自分たちが住んでいる街だと思ってくれてもいいし、多面的なほうがいいと思ったんですよ。こちらとしてはポジティブなメッセージを与えたいし、何か考えてほしいという意図はあるけど、とらえ方がいろいろあっていいと思うんで。自分たちが今置かれている状況がいかに混沌としていて、あまり良くないと思ってるんだけど、それをどう書いてどう歌うと人々の心に引っかかって、それをいい方向に向けようと思ってくれるのかな?ということは考えて書きました。

そして、アルバムタイトルが“Wonder Future”。いいタイトルです。

後藤
どんな未来が待っているかは分からないけど、僕たちは走り出したんだ、というフィーリングがいいかなと。音楽を始めた時から思えば、僕たちが今立っているこの場所は、ものすごい“Wonder Future”だよね? まさかこんなことになるとは思ってなかったでしょ。フー・ファイターズのスタジオで録音するとも思ってなかったし。建さんが部屋のカギかけないで、ホテルで寝ちゃうとも思わなかったし(笑)。
喜多
ロサンゼルスで。誕生会で飲みすぎちゃいまして(笑)。
後藤
そういういろんなことを思えば、想像もつかないことのほうが多い。そういうことを、みんなポジティブに思ってくれたらいいのかなと。だから、ジャケットも印刷じゃなくて、エンボスでへこませてあるんですよ。白いところに何でも書けるんだという意味で、真っ白にしました。
『Wonder Future』2015年05月27日発売Ki/oon Music
    • 【初回生産限定盤(DVD付)】
    • KSCL-2587~8 3996円
    • 【通常盤】
    • KSCL-2589 3146円
    • 【完全生産限定アナログ盤】
    • KSJL-6182 3780円
ASIAN KUNG-FU GENERATION プロフィール

アジアン・カンフー・ジェネレーション:1996年、大学のサークルにて結成。02年にUNDER FLOWER RECORDSより発表したミニアルバム『崩壊アンプリファー』で注目を集める。そして、03年に同作をキューンレコードから異例の再リリース。その後も音源のリリース、ツアー、主催イベント『NANO-MUGEN FES.』と精力的に活動を展開。エモーショナルでポップ、詩情的かつメロディックなギターサウンドで多くのロックファンから高い支持を受けている。ASIAN KUNG-FU GENERATION オフィシャルHP

OKMusic編集部

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