【T.M.Revolution】活動をコンプレッ
ションして、まだ粒が埋まっていない
ところを埋めていった

T.M.Revolutionが、「突キ破レル-Time to SMASH!」「Phantom pain」と2カ月連続でシングルをリリース。それぞれ異なるコンセプトで聴かせ、クリエイターとしての本領を発揮している。
取材:榑林史章

これこそが人間がプレイすることで生ま
れる面白さですよ!

「突キ破レル-Time to SMASH!」はアツいアップテンポのナンバーで、実にT.M.Revolutionらしい楽曲ですね。少年向けのアニメ主題歌という部分で、どんなことを意識されましたか?

最初は言葉や意味という部分で、いつものようにあまり詩的にしてしまうと、アニメを観ている子供たちに伝わりにくいものになるんじゃないかなと思ったんですが…でも、その瞬間は分からなくても、年月が経ってから、きっとこういうことが言いたかったんだと気付くようなものであってもいいんじゃないかって。僕らも子供の頃に聴いた曲の本当の意味を、大人になって初めて理解したっていう経験があるじゃないですか。だから、あまり膝を折りすぎず、頑張ってここまで上がって来い!っていうほうが、子供たちにとっても、逆に掴みやすいのかもと思ったんです。それに、あまり作品とのマッチングを意識しすぎると、僕自身のライヴで扱いづらいものになってしまったり、楽曲として生きないと思うので。名義的にT.M.Revolutionとして世の中に送り出すものである限り、僕自身が責任を持って今後も歌い続けていけるものにしないといけないわけですしね。

今回は形態が4種類ありますが、特に初回生産限定盤の付属DVDに収録されているMUSIC VIDEOは、スタジオライヴ演奏を収録したモノクロ映像で。しかも、CDのバージョンとは違うジャズ/フュージョン系のアレンジで圧巻の演奏を聴かせていて、あれには正直圧倒されました。

これまでもライヴでは、CD音源とは違った生のバンドサウンドのアレンジで楽曲を披露してきて…例えば10周年の時にリリースしたセルフカバーベスト盤『UNDER:COVER』では、オリジナルとは違った、ライヴでのアレンジに近いものを収録していて。そうやって、ライヴでやっていたサウンドアプローチを、CD盤に落とし込む作業を積み重ねてきました。そんな流れの中で、ライヴではこういうかたちでプレイしますよというものを、新曲のリリースと同タイミングで発表するのも良いなと思ったんです。しかも、それをスタジオで一発撮りしたライヴ映像で収録するというのは、初めての試みでもあるので面白いと思って。

これまでのライヴでは、ほとんどの楽曲をラウドロックやヘヴィサウンドで表現していましたが、今回ジャズ/フュージョン系のアレンジにしたのは、どういう意図があってのことでしょうか?

10周年以降、T.M.Revolutionらしいサウンドアプローチを模索してきて、もはやラウドな方向には食傷気味なところがあるというか。何かもうひとつ、コレ!というものを生み出したいなということを抱えながら、ここ何年かずっと活動していました。そんな中で自分の血や肉や骨になっているものを、きちんとかたちにしたものを作りたいと思って、やっと辿り着いたのがコレなんです。別にバック・トゥ80'sということではないんですけど、その時代のプログレッシブロックやフュージョン独特の面白さというのがあるじゃないですか。実際に自分もシャカタクとかTOTOとか、そういう音楽を通過してきているし。そういうものとJ-POPとロックがひとつになったら、面白いものができるんじゃないかと思ったんです。

それにしても、映像を観てこれを全て人力でやってるのか!と驚きました。歌も演奏も圧倒的なテクニックですね。

そう言ってもらえて嬉しいです。やっぱり人間力というか、人間による圧倒的なものを、ここまでしっかりと生み出せたのは嬉しいですね。今やデスクトップ上で、楽器が弾けなくても誰でも音楽が作れたり楽しめたりする。それはいいことではあるけど、やっぱりミュージシャンだからこそできることがあるわけで、それをみなさんに届けていくことは、僕らに課せられた使命でもあると思うので。

あのアレンジは、どのようにして組んだのですか?

あれは、10周年の頃からいろいろやってもらっている、大島こうすけくんのアレンジです。大島くんはB'zの稲葉浩志さんのステージでバンマスをやったり、MAN WITH A MISSIONのプロデュースも手がけていて。で、僕の気持ちに賛同してくれて、一石を投じるものにしよう!って。

あそこまで複雑なアレンジのものを一発録りで収録したということで、かなりリハを積んだんでしょうね。

やりましたよ。最初は“みんなプロだし、1日あればできるでしょう!”と思っていたんですけど、そんな生やさしいもんじゃなかったです。結局1日やった後、みんな宿題を持ち帰っておさらいして、収録の本番の前にもう1回きちんとリハに入って…すごく大変でした。

大変と言っているわりには、嬉しそうですけどね(笑)。

そりゃ笑顔にもなりますよ。大変だったけど、それがむちゃくちゃ楽しかった。各パートどれもギリギリのところを攻めているので、ボイシングの逃げ場がないし、ハモが取りづらいところもあるし。しかも、リズムの食いと三連が、相当難しくて。食うの?食ったの?食わないの?って(笑)。めくるめく転調とコード感、しかもボイシングが全部違うっていう。それこそが、人間がプレイすることで生まれる面白さですよ。全員の生演奏で、“せーの”で出て、“せーの”で止まる。これは練習を積み上げるしかなくて、ある意味では格闘技みたいなものです。それをパフォーマンスとして観せることで伝わる、音楽の面白さや魅力があると思ったんですよね。あのMVでは“聴かせる”のとは違う、“魅せる”演奏をしっかり表現できたと思いますね。

OKMusic編集部

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