L→R 吉田結威(Gu&Vo)、山田義孝(Vo)

L→R 吉田結威(Gu&Vo)、山田義孝(Vo)

【吉田山田】今までよりも自分と向き
合って作れた

デビュー5周年イヤーに突入し、ついにセルフタイトルを掲げたアルバムをリリース! 渾身の作品からはより音楽と真摯に向き合っているふたりの姿が垣間見える。
取材:石田博嗣

3rdアルバムにして、ついにセルフタイトルですね。

吉田
一番最初はスタッフの方に“これはセルフタイトルでいいんじゃない?”って言われたんですけど、そう言ってもらったことが嬉しかったし、そこから改めてこの11曲を聴いた時に、今までよりも自分と向き合って作れたものだから、それこそ“吉田”でも“山田”でも良かったんですけど、ふたりの曲のいろんなコントラストもあるので“吉田山田”でいいんじゃないかと。
山田
吉田が作詞作曲した曲もあれば、山田が作詞作曲した曲もあって、それぞれの良さが十分に出ていて、ふたりが合わさるとこうなるんだっていうのも分かるから、満を持して“吉田山田”って掲げました。ほんとに胸を張って出せる一枚になったなって思います。

確かに、セルフタイトルに相応しいアルバムだと思います。

山田
やっぱり「日々」っていう曲が僕らにとって大きくて。世に山ほどアーティストがいて、“この人が歌えばもっと売れるのかな?”とか考えたりするんですけど、この曲に関してはどのアーティストが歌ったとしても、僕らが絶対に一番だと思ってます。この個性があってこその曲っていうか。このアルバムの中には、そういうものがふんだんに盛り込まれていると思います。

やはり、それぞれで楽曲を作るようになったことは大きい?

吉田
僕が一番実感しているのは…特に山田なんですけど、今までの吉田山田にはない曲を書いていて、“吉田山田でやるにはそれはちょっと”とか思ったりもするんですけど、最終的にふたりで歌えば、ちゃんと吉田山田になるってことが分かったということですね。

それだけ山田くんは自由に曲を作ったと?

山田
“音楽で遊ぼう”と思ったんですよ。吉田山田に対する概念って言うんですかね。今までは“これを出しちゃったら枠から外れちゃうな”ってのがあったと思うんですけど、そういうことを考えずに、ただただ“これ、面白い!”っていう感覚だけを信じて、洗いざらい全部ぶわぁ〜って出したっていうか。意味なんて最初分かんないですけど、“これ、いいな”って思える言葉を出して、それをつなぎ合わせていくと、最終的に“あぁ、こういうことを俺は言いたかったのか!”って分かる…僕は自分よりも言葉がちょっと先に行っている感じがあるので(笑)、そういう感覚を大事にしていました。で、そうやって作ったものが“これいいね”って言われて、自信に変わったってのはあります。
吉田
山田は今までよりも2〜3歩分、宇宙に行ったんですよ(笑)。まったく飲めなかったお酒が飲めるようになったんですね。そうやってお酒を飲んで、要らない部分を麻痺させて、研ぎ澄まさないといけない部分だけを研ぎ澄ませて、それで降ってきた何かを掴むっていう。そうやって掴んだ宇宙的な得体のしれないものが何かっていうのを、普通の人にも分かるようにするのが音楽だと思うんです。なので、その研ぎ澄ませ方が今までと違うと思いますね。人と会話する時は僕が通訳したりするんですけど、音楽を使えば僕の通訳は必要ないんですよ。山田は言葉で説明できないから、歌詞だったり、メロディーだったりを紡いでいっているので、それを聴くと何かを感じるんじゃないですかね。

逆に、吉田くんの作り方は?

吉田
使っている脳みそとノウハウが全然違いますね。瞬発力が大事になったていうか。今までみたいに途中まで作って山田に一回聴かせて、そこでどんな化学変化が起こるか待とうっていうんじゃなくて、最初にウワッと勢いでやっちゃわないと熱が冷めちゃう。でも、それを最後まで自分で仕上げないといけない覚悟と、それが出来上がった時の自信っていうのは、今までの作り方とは比じゃないですね。

1stアルバムのタイトルじゃないですけど、今までは“吉田山田とあなた”みたいに聴き手の席が用意されていたのですが、今作はそれぞれで作っているせいか、まるまる自分を出している印象を受けました。でも、それによって逆に、より応援歌として響いてくるという。じゃあ、それぞれで作るようになって、再び一緒に作るってなった時に、何か変化はありました?

吉田
それぞれで作業をするようになって、またガッツリとふたりで曲を作ったものはないですね。でも、きっと作業が早いと思います。今までは卓球で言うところのラリーを続けるような感じだったんですよ。“あそこに打ってあげれば返しやすいだろうな”って考えながら打っていたような。でも、今、またふたりで作ると勝負になると思うんですよ。シンプルに“勝ってやる!”って。だからこそ、逆に楽しいと思うんです。厳しい球を打っても返してくれるってお互いが思えているというか。

スマッシュの応酬になる?

吉田
そうですね。ラリーはラリーの楽しさがあると思うんですけど、勝負する楽しさ…自分が本当に良いと思うものを出し合う喜びっていうのは以前とは比べものにならないでしょうね。
山田
ほんとに曲作りが早くなると思いますね。僕はメロディーから作るので、“あ、この曲はよっちゃん(吉田の愛称)に歌詞を任せたほうがいいな”とか、“これはインスピレーションが沸いているうちにかたちにしよう!”っていうのが早い段階に分かるようになったので、曲の個性に合った作り方ができると思いますね。

アルバムの中には吉田山田名義の「ルーとナンシー」があるのですが、これは以前からあった曲になるのですか?

吉田
かなり昔の曲ですね。ずっと温めていた曲で、ここぞ!の時に出そうって思っていた曲です。もちろん毎回が勝負なんですけど、今回は他の10曲とのバランスを見て、“吉田山田ってこういうふたりで、こういう音楽をやってるんだよ”っていうメイントリームのような10曲があって、「ルーとナンシー」みたいな曲もあるから響くものがあるっていうか。メインストリームがちゃんとしていなかったら、もっと強化しようと思うだろうから、やっぱり今だったのかなって。
山田
今まで出してきてない色だと思うんですけど、僕らからすれば昔からあった色なので、そういういろんな面をこのアルバムで見せれたらいいなって。これでまた世界が膨らむんじゃないかなって思いますね。

逆にその新鮮さから、またふたりで作ったのが「ルーとナンシー」だと思ってました。

吉田
そう思われる方も多いんですよ。吉田山田っていうものにすごく縛られていた部分があって、もともとふたりが持っていた色なのに“これは吉田山田にはそぐわない”って控えていたんですよね。でも、今は“これも吉田山田だ”って出せるようになった…それはこれまでのリリースがあってこそだと思うんです。それもあって、よりこの曲の色を濃く出すために、シンプルにアコギと歌だけにしました。

このアルバムを作ったことで発見できたことや、再確認できたことも多そうですね。

山田
僕は第六感的なところで作った曲が多い…それそれこそ最初は自分でも意味が分からなかったり。そうやって頭で考えずに、自然と出てきたものを信じて“なんかいい!”って思うものを集めた…今、考えると、そういうものを生み出すってことは“人とつながりたい”ってことの意思表示かもしれないなって。何回も言いますけど、僕は言葉よりも音楽のほうが心に近いんですよ。それを吐き出すってことは、みんなが会話するのと一緒というか。みんなに僕のことを知ってほしい、共感してほしいっていう意識表示なのかな…って、今、思いました(笑)。
吉田
音楽…“音を楽しむ”っていうことの意味が少しだけ分かった気がします。今までと音楽との関わり方が変わったんですよ。音楽と自分と他人という三角関係が常に頭の中にあったんですけど、今は音楽とふたりっきりで向き合えているんです。それがすげー楽しくて。多少なりとも音楽を分かったつもりでステージに立ってきたんですけど、分かってないことがたくさんあるなって。それが一番の発見ですね。それを今後ずっと追い求めていくんだろうなって。もちろん、その時々で…例えば、自分と好きな人と音楽とか変わっていくんでしょうけど、今、すごく真摯に音楽と向き合えている気がしますね。
『吉田山田』
    • 『吉田山田』
    • PCCA.3967
    • 2014.01.29
    • 2625円
吉田山田 プロフィール

ヨシダヤマダ:2009年10月にシングル「ガムシャランナー」でメジャーデビュー。13年12月に放送を開始した『NHKみんなのうた』での「日々」が“泣ける歌”と話題になり、5度の再放送を経てロングセールスを記録。一躍その名を拡げ、YouTubeの再生回数は1,400万回を突破した。19年は3年振り2度目となる全国47都道府県ツアーを開催し、同年11月には中野サンプラザホールにて行なった『吉田山田10周年記念「大感謝祭」』にてデビュー10周年を大団円で締め括った。吉田山田 オフィシャルHP

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • PunkyFineのそれでいきましょう!~V-MUSICジェネシス日記~
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜

ギャラリー

  • Tsubasa Shimada presents / 「Wet Crate」
  • SUPER★DRAGON / 「楽楽★PAINT」
  • OLDCODEX / 「WHY I PAINT ~なぜボクがえをかくのか~」
  • 魔法少女になり隊 / 「魔法少女になり隊明治のあったりなかったり」
  • みねこ美根 / 「映画の指輪のつくり方」
  • 嘘とカメレオン / 「猫を抱いて蝶と泳ぐ」
  • 高槻かなこ / 『PLAYING by CLOSET♪♪』

新着