【清水翔太】イメージを打ち壊す
挑戦者の立場に立てた

兼ねてから自身の好きな音楽ジャンルのひとつだったというニュージャックスウィングを取り入れた新曲「マダオワラナイ」。これまでのイメージを打ち砕き、自らの手で可能性を見出した本作について語ってもらった。
取材:ジャガー

思わず口ずさんでしまうぐらいノリの良い「マダオワラナイ」ですが、翔太さんのシングルでこういうテイストの曲が聴けるのは珍しいですね。

そうですね。もともとニュージャックスウィングっていう音楽ジャンルが好きで、冒頭の《マダオワラナイ》とアカペラで歌った後にドラムが鳴るじゃないですか。ああいうドラムの音やリズムって、まさにニュージャッグスウィングを象徴してるんですよ。代表的なアーティストで言えば、ボビー・ブラウンがいますけど、実は90年代の邦楽にもこういうノリはあって。でも、今の時代にニュージャックをやろうとするアーティストはあまり出てこないと思ったんで、逆にやってみたら新鮮かなと。ただ、これをシングルというかたちで発表することには多少迷いはありました。

と言いますと?

自分の中にある、清水翔太の王道パターンが『マダオワラナイ』と全然違うベクトルにあるということ。“歌を聴かせるアーティスト=清水翔太”というイメージって少なからずあると思うんですね。僕としても、そのイメージを大事にしていきたいし、誰が聴いても良いと感じる曲を出していくのも必要なんですけど…いつもとは全然違うベクトルの楽曲を挟んでいかないと、飽きちゃうというか。例えば、王道バラードの良い曲が10曲出せたとしても、ずっと同じイメージの繰り返しだと清水翔太の楽曲自体に飽きられてしまうし、正反対の曲があるからこそ、王道の楽曲がよりよく受け止められると思うので、このタイミングでこういうタイプの曲を出すというのはちょうど良い感じなんですよね。

体全体を使って音を楽しむ曲なので、ライヴだといっそう楽しめそうですよね。

生音もすごく良い感じにハマってますし、ちょうどこれから学園祭ツアーが始まるので、バンドでこれをやったらすごいカッコ良いと思います。なんかデビュー前の自分が作りそうな曲…すごく自由なんですよね。シングルで出そうとか何も考えずに作ってたし、今まで作ってこなかったジャンルに手を伸ばす感覚って挑戦者の立場というか。イメージを守る側ではなく、イメージを打ち壊す挑戦者の立場に久々に立てた気がします。こういう気持ちって本当はすごく大切なことなんですけど、今の自分には欠けてたのかなって思いますね。パッと聴きはちょっと奇抜かもしれないけど、自分しか使わないようなフレーズが盛り込んであるので、じっくり聴いてもらうと清水翔太らしさは伝わるんじゃないかな。

この曲に乗るメッセージもすごくポジティブですよね。辛いことがあってもケロッとしていて、ずっと前だけ向いて頑張ってる主人公が素敵だなと思いました。

今、この瞬間も頑張ってる人に向けた応援ソングです。走り疲れて心が折れそうになっていたり、気が滅入ってしまっている人へエールを送る歌は多いですけど、頑張ってる最中の人が聴いていっそう元気になる曲ってなかったなって。で、僕がそういう曲を作るんだったら、さわやかな風が吹くようなメロディーやアレンジである必要性があったんで、ニュージャックを取り入れた『マダオワラナイ』は丁度良かったと思います。ニュージャックのビートって、ちょっと切ないコード進行にしたとしても最終的にすごくさわやかでハッピーな感覚にしてくれるんです。それってニュージャックの持つパワーだと思うし、こういうテーマにはすごいピッタリですね。

仲間とのつながりであり、自分が置かれている状況に思うこと、将来の自分…人それぞれにシチュエーションは違いますけど、こういう経験は誰にでもあることかなと。

僕のことを歌ったように思ってくれる方も多いんですけど、僕がイメージした社会人像なんですね。社会に出て、やっと少しずつ物事が分かり始めて充実してきたぐらい。けど、つまづいたり、嫌なこともあって。振り返ることはできないし、ゴールも見えないけど、ただただ前を向いて走り続ける。孤独に感じるかもしれないけど、そういうふうに社会に出て、良い仲間がいて、しんどいけど幸せだし,頑張んなきゃなっていう僕が抱く社会人をイメージしながら書きましたね。

メッセージ性の強い楽曲ですが、何よりラフに聴けるのが一番良かったです。

基本的には、この音やリズムに乗って“気持ち良いね”ってぐらいで聴いてもらえると嬉しいです。つい足取りが弾む感じを体験してもらって、ニュージャックの持つ幸福感に満たされてほしいですね。

2曲目の「Dream of love」も浮遊感のある心地良いサウンドですね。

これも早くライヴでやりたい曲なんですよ。ジャンプしながら聴いてもらうと、気持ち良い曲です。僕自身も飛びながら作ってたんで、すごく楽しかったです(笑)

この曲はどのように生まれたのですか?

実は2年前ぐらいに作っていた曲で。僕はトラックメイクが大好きで、ジャンルは何でもいいんですね。“アーティスト・清水翔太”として発進する音楽以外にも、遊びの延長で何も考えないでトラックを作ってみることが多くて。ゴリッゴリのヒップホップからボサノバから、ひとまず何でも作ってみる中で、ハウスでエレクトロっぽい曲を作ってみようと。で、このトラックが気持ち良い感じにできました。基本的にどういうテーマがあって、どういうメッセージでっていうのはすでに覚えてないんですけど(笑)。今となっては、すごいことやってるなって思いますね。今の自分だったら、絶対恥ずかしくてこんなこと言えないだろうなって(笑)。でも、当時の自分は自分なりに何か思うところがあって書いたんだろうし、ハマりも良かったので何も変えずに当時のままを出しました。

確かに内容は可愛らしいというか、恋に恋してる印象を受けました。

アハハ。今の僕が冷静に分析した結果なんですけど、バカになっちゃってる歌なんですね。片思いしてる時って妄想とかしません? 例えば、好きな子と良い雰囲気になってる場面を妄想してみたりするんですけど、それってよくよく考えるとバカじゃないですか(笑)。妄想してる内容もだし、妄想してる時のちょっと高めのテンションとか、何バカなことやってるんだろうと思うんですけど、それを体現したのがこの曲です(笑)
清水翔太 プロフィール

1989年2月27日生まれ、大阪府出身。地元・大阪のスクールでゴスペルを学び、ソウル・ミュージックに魅せられたことをきっかけに、作詞・作曲、そしてアレンジまでこなす天才肌のシンガー・ソングライターにまで成長する。時に力強く、時に儚く歌い上げ、感情豊かな歌唱からラップまでこなせる日本では稀有なマルチな存在だ。因みに尊敬するアーティストは、ダニー・ハサウェイ、マーヴィン・ゲイ、レイ・チャールズ。07年秋、ニューヨークに位置する音楽の殿堂『アポロシアター』のステージに平成生まれの日本人として初めて出演。地元の新聞からまさに「100万人に1人の生まれながらにしてのソウル・シンガー」「日本で最もセンセーショナルな歌手になる」と大絶賛される。

そして08年3月、<ソニーミュージックレコーズ>傘下のレコード・レーベル<MASTERSIX FOUNDATION>から、1stシングル「HOME」でメジャー・デビュー。10代の男性シンガーソングライターとして史上初のオリコン初登場5位を記録。「HOME」のリリース記念で行われた地元・大阪でのフリー・ライヴでは約4,000人を動員する快挙を成し遂げた。
同年6月、遂にニューヨークから招待という形で、セントラルパークに3万人を動員した『JAPAN DAY』のステージに登壇。地元のニューヨーカーはもちろん、アメリカの有名アーティストらも噂を聞きつけて観覧に訪れた。

11月には、1stアルバム『Umbrella』をリリースし、平成生まれ初のオリコン週間ランキング2位を記録。そして、2度目となるアポロシアターのステージに立ち、ニューヨークハーレムの目抜き通りに『SHOTA SHIMIZU』の文字が躍った。間違いなく次世代を担う若手注目株のシンガー・ソングライターである。オフィシャルHP
公式サイト(レーベル)

OKMusic編集部

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