【SEAMO】ポップシーンの中でちゃん
とラップするのが俺

前作から約1年7カ月振りにニューアルバム『REVOLUTION』をリリース。ポップフィールドでヒップホップを進化させてきたSEAMOが、タイトル通りの新たなサウンドを思い切り聴かせる作品をドロップ!
取材:土屋恵介

新作『REVOLUTION』はレコード会社を移籍して、気持ちも新たに活動してきたSEAMOさんの今年一年の変化が詰まった作品ですね。

やっぱりレコード会社が変わるというのは想像以上に大変なことで、自分にとっても大きかったですね。新しいスタッフとのリニューアルしての新しい一年だったんで、“革命”ってのは大袈裟かもしれないけど、自分の中では大袈裟じゃなかったですね。サウンドも、今までの俺を聴いてた人にも新しさを感じさせる曲が多いし。あと、最初はタイトルを“ラップラップレボリューション”にしようかなとも思ったんですよ(笑)

このタイミングだと、ある人を想像しちゃいますよ。

でもそれは、このアルバムがラップ推しな部分が多かったからなんです。SEAMOというアーティストには歌のイメージが強く結び付いてると思うけど、いろんなことをシンプルにやっていったらラップ推しになっていて。ラッパーとしての威信を見せたいとかじゃなかったんですけどね。まぁ、スタッフからの反対を受けまして(笑)、タイトルは“REVOLUTION”に落ち着いたんですけど。

(笑)。ラップが増えたことを自分なりに分析すると?

ひとつは俺自身あまのじゃくなとこがあって、あまりにも歌とラップってスタイルが世の中に増えたなって。俺はもともとラップしかできないタイプで、そういうヤツがしみったれたラブソングを歌うのが面白いかなって始めたんですよ。ちょうど俺がやり出した頃ってそういう存在がすごくレアだったから、シーンに受け入れられたと思うし。ただ、今は俺より上手くできる子があまりに増えちゃって、俺がやる必要がないかなって。今ってヒップホップとヒップホップ調のポップスと完全に分かれちゃって、ポップシーンの中でちゃんとラップできる、真ん中の人がいない。そこをやるのが俺かなってとこもありますね。

歌詞はこれまで以上の深みを感じました。例えば、前に進むにしても、一度止まって風景を見て、自問自答するような…

今回の歌詞は手応えがありますね。俺もそうだったけど、若いうちは経験が少ないから、失恋の歌詞でも、ただ別れて悲しいってことだけが重要だった。でも、年を重ねると、何で好きなのか、何で別れて悲しいのか、自分に疑問符を置きたくなるんです。これまでのアーティスト活動の中で、高い位置での景色も底辺も経験して、すごくフラットにものが見えるようになって…歌詞に深みを出せるのが、やっぱりキャリアだと思う。今、俺しか書くことができないものをデリバリーすべきだなってすごく思いましたね。

アルバムは、ロックバンドのライヴオープニングさながらの「YOU ? SEAMO」から始まり、SPYAIRと共作した「ROCK THIS WAY」、さわやかなハウスチューンの「汚れた翼」など、かなりフレッシュな楽曲が揃いましたが。

シングルにもなった『汚れた翼』はSo’FlyのGIORGIO“13”CANCEMIにビートを作ってもらって、彼の意見を汲み取りながら作った曲ですね。今までは全て自分発信でやってきたけど、回りの意見を聞いて自分のものとして出した曲も今回多いんです。難しかったけど、楽しかったですね。挑戦から新しいものができたとこはありますね。

そして、シーモネーター名義の「万華鏡」は、ノリノリなサウンドでの完全エロソングと(笑)。

一年に1曲ぐらいはシーモネーターの新曲を出して、演歌みたいに引っ張っていこうかなと(笑)。“万華鏡”は普通の言葉なんですけど、エッチに聴こえる。そういうのを女の子に言ってほしいってノリです。ライヴで“Oh 万華鏡”って大勢で連呼できたら、次のツアーは9割完成ですね(笑)

アハハ。他にも、クラシックの「運命」を使った「サラリーマン黙示録」ではハードな日常で頑張っている人を歌っていたり、切なくも力強いメロディーが響くハウスチューンの「東京」は現実の厳しさにブチ当たり、悩んでいる姿を切り取っているのが印象的でした。

『サラリーマン黙示録』から『東京』、そして『My Place ~君と俺の場所~』のつながりにはこだわりました。『サラリーマン黙示録』はサラリーマンの悲壮感をワッショイソングにした曲で、『東京』は地方から出てきた人の東京でのある姿。“それがお前の思い描いたものなのか?”って、現状に満足してない人の不安を曲中で変に答えを出さずリアルに書きました。で、『My Place ~君と俺の場所~』は、帰る家があるから頑張れるっていう俺の持論を歌った曲。家というのは、地元や仲間だったり、俺にとっては名古屋で…ただ、今って地元をレペゼンする気持ちや故郷を背負うことを考えない風潮が多いんですよね。そんな世代感、考えの違いを自分のレーベルの若いヤツらの、BRIDGET、あぬえぬえ∞ぶれいん とやることであえて出しました。

さまざまな経験をしてきたSEAMOさんだからこそ歌える曲たちって感じがしますね。本編ラストの「君に1日1回「好き」と言う」は、温かいメロディーのストレートなラブソングで締め括られていますが。

ラップ推しの本作では浮いてるけど、今までの俺では絶対書けなかったメロディーです。それは新しい環境で制作してできた成果だと思う。歌ってて気持ちいいし、ライヴでも重要なポジションの曲になりましたね。

“REVOLUTION”という名に負けない、SEAMOさんの新しい一面が伝わるアルバムに仕上がりましたね。

いろいろ壊すことができましたね。過去の自分をディスるわけじゃないけど、前作の変化なんか大したことないって言えるくらい、久々に面白いのができたと思います。歌詞のストーリー感にも自信があるし、他のアーティストと一線を画すようなことをやっているので、違いを楽しんでほしいですね。ライヴも、俺は確実なもんを観せられると自負してるので、11月からの全国ツアーでますます差を付けたいです。全て人力で楽しませる俺のライヴを、できるもんならマネしてみろ!!と(笑)
SEAMO プロフィール

地元・名古屋、東海地区を中心に“シーモネーター”としてインディーズ活動を始めたラッパー/シンガー・ソングライター。同地区におけるヒップホップの新しいスタイル、ムーヴメントを確立し、若きヒップホップ・アーティストとのチーム“男塾”を結成。そのため、ニックネームは“塾長”である。2002年4月、米米CLUBの「浪漫飛行」を大胆にサンプリングしたシングル「浪漫ストリーム」でメジャー・デビュー(名義はシーモネーター&DJ TAKI-SHIT)。下ネタ&ライヴでの“天狗スタイル”で大いに話題を集めていく。そして2005年、シーモネーターとしての活動はやり尽くしたとの思いからSEAMOに改名。同年3月、さだまさしの「関白宣言」をリメイクしたシングル「関白」で再メジャー・デビュー。これまでの路線とはガラリと表情を変えた正統派ラブ・ソングでファンを驚かせた。同年7月には、2ndシングル「DRIVE」をリリース。夏の大型イベント出演を経て、お互いをリスペクトする親交の深いBENNIE Kとのコラボレーション・シングル「a love story」、さらに1stアルバム『Get Back On Stage』を10月に発表。数々のゲストが参加したアルバムは愛と男気とユーモアにあふれた内容で、ヒップホップ・シーンだけでなく、J-POPシーンにおいても好評を博す。2006年4月には4thシングル「マタアイマショウ」、7月には5thシングル「ルパン・ザ・ファイヤー」のヒットで注目を集め、同年12月にはNHK『紅白歌合戦』に初出場。2009年10月、初のベスト・アルバム『Best of SEAMO』をリリース。また、2007年7月より東海地区屈指の夏フェス『TOKAI SUMMIT』を主催し、ヒップホップの野外フェスとしては日本で最大の規模を誇っている。オフィシャルHP
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