【中島 愛】ラスマス・フェイバーの
胸を借り、アーティストとして新しい
扉を開いた

「星間飛行」などのヒットで知られる中島 愛が、ラスマス・フェイバーのプロデュース曲「マーブル」を発売。現在23歳となり、音楽性も歌声もアーティストへと着実に進化を遂げる彼女に注目!
取材:榑林史章

シングル「マーブル」は、スウェーデンのハウス/ジャズの貴公子ラスマス・フェイバーによるプロデュース作ですね。

ラスマスさんならではのハウス感に新鮮さを感じつつ、私が子供の頃から聴いていたJ-POPや歌謡曲のポップさもすごく感じて、不思議な気持ちになりました。ラスマスさんは日本の音楽や文化に造詣が深く、私がこれまで歌ってきた楽曲からも、いろいろイメージしてくださったのかもしれません。

ラスマスさんとはネットでやりとりを?

ラスマスさんが来日している期間に、スタジオで直接ディレクションしていただきました。私からもこういう歌い方はどうでしょうと提案させていただいたり、その場でディスカッションしながらだったので、密なレコーディングでしたね。

どういうふうに歌ってほしいと言われたのですか?

例えば、“スマイルで”とか“無表情で”とか、いろんなパターンをいくつも録りながら、精度を上げて行く感じでしたね。“明るく歌って”と言われた時は、口角を上げて表情は明るいんだけど、抑揚を付けない歌い方をしました。以前の私なら、無邪気でさわやかというイメージで歌ったと思いますが、この曲はそうじゃないんだと思って。“自分は元気だよ!”と相手に真摯に伝えるために媚びないというか、あえて可愛げや愛嬌を排除した歌い方を提案して。結果的にそのテイクを採用していただけました。

歌を録る時はある程度相手を想像していると思うのですが、「マーブル」ではどういう相手を想像しましたか?

多面的な曲なので、家族や友達とか全ての人に当てはまるのですが、同時に自問自答するイメージもあって。自己確認することで自分の強さを確かめる気持ちというか。時空を飛び越えて、悩んでいた時の自分に会いに行くようなストーリーも想像しましたね。

現在・過去・未来の、いろいろな自分が混ざり合ってマーブル模様を描いているような楽曲なのですね。

はい。未来も過去も、決して切り離されていないという。

Aメロは淡々として、徐々にアガっていくのが良かったです。

どんどん滑走路を走って、ついに空へ飛び出すような感覚ですね。

後半はしっとりとしたファルセットから、また抜けて爽快になっていく展開もある。ここの盛り上がりは、グッときますね。

そうなんです! 密やかな感じになってからの開放感は、すごくドラマチックです。アニメ主題歌のテレビサイズは、最初のサビまでしかなくて。この後どう展開するのかなと思っていたら、このDメロが送られてきて“こういう展開か!”とみんなで驚きました。《悲しみとほほえみを》という歌詞があって、歌っている時は、まさにそんな何とも言えない感情です。テレビサイズも良いですが、できるならこのフルサイズをぜひ聴いてほしいです。

カップリングの「忘れないよ。」は、ちょっと和のテイストの感じられるノスタルジックな楽曲で。夕暮れ感が良いですね。

茜色の感じ。夏から夏の終わりにぴったりな曲になりました。すごく普遍的で、誰が聴いても故郷を思い起こせると思います。

こういうタイプの楽曲は得意そうですが。

実は苦労しました(笑)。つい盛り上がって、いかにもバラードっぽく歌い上げたくなっちゃうのですが、今回はそこをグッと堪えています。楽曲の普遍的な部分や、聴いた誰もが主人公になれるというところで、聴いた人に感情移入してもらうためには、より無色透明に近いほうが良いと思って。感情的に大泣きしている人よりも、声を押し殺して静かに泣いている人のほうが、寄り添ってあげたくなるような。そういう感じです。本当はもっと声を伸ばしたいところを、名残惜しいところで切ってみたりしていて、これも挑戦でしたね。シングルには他に、2月に出したシングルのライヴ音源も収録しています。中島 愛の今の名刺代わりと言っても過言ではない一枚になりました!

地元は茨城県で、18歳で上京したそうですが、この「忘れないよ。」はそうした自分の原点も思い出したのでは?

はい、すごく。東京に慣れてきた頃に、茨城にいた時の自分がなくなっちゃったんじゃないかと不安に感じた時があって…。そんな時に友達と電話で話をしたら、何も言わずにすごく理解してくれたんです。そういう優しさや温かさが心に流れ込んでくる感じが、歌っている時に蘇りました。この曲を聴いてくれたみなさんの心にも、故郷の思い出が蘇ったら嬉しいです。

原点と言えば…80年代アイドルのマニアだそうですね。家にそういうレコードがあったり、家族の影響とかですか?

いえ、うちにアイドルのレコードは1枚もなく、チャカ・カーンとアース・ウィンド・アンド・ファイアー、TOTOが流れている家でした。そういうのも大好きなんですけど。きっかけは、自分が生まれた89年の頃にヒットしていた音楽は何だろう?と調べ始めたこと。80年代のアイドルの歌詞と、現代のアイドルが歌う歌詞の世界観に通じるものを感じて、面白いな~って。そこからですね。

近所に中古レコード屋さんがあったり?

たくさんはありませんでしたが、地元のWonderGOOでは、お店の隅っこに中古のレコードや8センチCDが並んでいるところあって。携帯で当時のアイドルの名前を調べておいて、それを見つけたら買うという感じでした。私はその頃中学1年生でしたが、周りは自分の父親くらいの年代の人たちばかりで、珍しがられました。しかも、当時はレコードプレーヤーは持ってなくて。歌詞カードを見て、こんな曲だろうと勝手に作曲して歌ってたんです。あとで実際に聴いたら、まったく違ってましたけどね(笑)
マーブル / 忘れないよ。FlyingDog
    • 初回限定盤(DVD付)
    • VTZL-47 1890円
    • 通常盤
    • VTCL-35134 1365円
中島 愛 プロフィール

ナカジマメグミ:2007年にアニメ『マクロスF(フロンティア)』の歌姫を決定するオーディションにエントリーし、見事ヒロインのランカ・リー役を射止め、翌年にはランカ・リー=中島 愛としてのデビューシングル「星間飛行」を発表し、オリコン週間ランキングで初登場5位にランクインする。そして、09年には初の本人名義となるシングル「天使になりたい」をリリース。14年3月より本人名義の音楽活動を休止していたが、17年2月リリースの「ワタシノセカイ」で復帰を果たす。中島 愛 オフィシャルHP

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • PunkyFineのそれでいきましょう!~V-MUSICジェネシス日記~
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜

ギャラリー

  • Tsubasa Shimada presents / 「Wet Crate」
  • SUPER★DRAGON / 「楽楽★PAINT」
  • OLDCODEX / 「WHY I PAINT ~なぜボクがえをかくのか~」
  • 魔法少女になり隊 / 「魔法少女になり隊明治のあったりなかったり」
  • みねこ美根 / 「映画の指輪のつくり方」
  • 嘘とカメレオン / 「猫を抱いて蝶と泳ぐ」
  • 高槻かなこ / 『PLAYING by CLOSET♪♪』

新着