【高橋 優】生きてる意味すらもライ
トにしたかった

4月に1st アルバム『リアルタイム・ シンガーソングライター』をリリースしたばかりで、初のワンマンツアーもソールドアウトで敢行中。そんな中、早々とリリースするニューシングルは全3曲タイアップのキラーコンテンツだ。ほんとに目が離せない!
取材:石岡未央

さて、全3曲がタイアップですけど、出来上がったものって“求められた答え”ということにもなると思うんだけど。

求められてるというより、求め合ってるという感じがしますね。周りにいる人の“もっと良いもの作ってこうぜ”っていう意識が一貫してるんですよね。自分が情熱的に接したい人がいて、その人が高橋 優に対して情熱的で…っていう出会いに恵まれてるんだと思います。今の環境に対する感謝の気持ちは、誰にも負けない自信がある。コレを幸せと呼ばずに何と呼ぶんだろう…本当にありがたいです。

全体的に歌い方、感情のコントロールみたいなことが洗練されてきたというか…意識的にやってたりするのかな?

自分の中でむき出しにしていた爪とか牙みたいなものを全部出すというより、抑えて隠して歌ったり、また別の武器を作ろうとする作業をやってかないと一辺倒になってしまうと思うんです。だから、曲ごとに何かしら新しいものにチャレンジしようってことはやってますね。

その抑えた感じとかが、逆に刺さってくるんだよね。その上で「誰がために鐘は鳴る」は、なぜかサラッと聴けたんだけど、すんなり書けた曲だったのかな?

いや、この曲はかなり悩んだんですよね。“誰がために鐘は鳴る”っていう言葉と自分の心臓、鼓動が鳴っているのを、なぞらえて歌おうって気持ちだったんですけど…それをコンビニのことを歌うみたいに、“だってほら、心臓鳴ってんじゃん”っていう、すごいライトなメッセージにしたいと思ったら、言葉の選び方がすごい難しくて、ほんとに辛かった。“明日死んでもいいよな気がしてる”って、どうしても生き死にの大きなテーマだし、シリアスに聴こえちゃうじゃないですか。誰しも生きてるから、生きてる意味すらもライトにしたかった。でも、スラッと聴けたっていう感想は、すごく嬉しいですね、そう聴いてもらいたかったんで。

相反することを融合させようとした感じだ。それはパワーバランスが難しくて悩むよね。

むき出しだけでは、どうにもならないし、抑えめで歌う曲でもないし。クールな目線と情熱的な目線の中間みたいな気がしてる。今までに、あまり書いたことのない曲なので、気持ちの波を丁度いい具合にもっていかないと、伝わらないだろうなって。

カップリングの「花のように」だけど、これは今の自分のこと? このBメロの歌詞って「福笑い」だよね。状況のいい中で、無意識にある“浮わついた感”みたいなものを正してたりするのかな?

『福笑い』後のことですね。“本気で笑えてますか?”なんて言われると、ドキドキする。そうじゃないから、チクって刺さると思うんですよね。“最近いつ笑ったっけ?”って。いろんなことを知った上で笑える素晴らしさがあるよなって思って、“花のように笑う“ってことをテーマに書いてみました。

その“花のように笑う”って、どういうことなの?

花や植物って、甘やかされて育てられたら枯れるのが早いっていう話を聞いたことがあって。山奥とかの雨風を浴びる厳しい環境で育った花は枯れにくいとか、そういう樹木で家を建てたら崩れにくいとか…それが自分の中にあって、いろんな雨風を知っているからこそ咲き誇れるっていう意味合いにしたかったんですよね。

自分もそういう人になりたいっていうこと?

そうですね。強くっていうか、たくましく笑えるように。情けなくても、カッコ悪くても、その上に立って笑う日がやってくるんであれば、やる価値があるって、今はかたちとして見えて心から信じられる。前はフラストレーションのほうが大きかったんで、素直に音楽のことでこんなに反省できたり、悩めることは、至福のひと時なんですよ。でも、その悩みってメチャメチャしんどいんですけどね。自分の好きなことに完全に溶け込んでる中の悩みって、よもすると一番好きなものが一番嫌いになっちゃう瞬間でもあるんで、すごい恐怖。そこで音楽に取り残されたら、もう何も残んないって気持ちになるから、どうにかしがみ付いてやってるんですけど、どんどん突っ込みが増えるんですよ、自分の中で。こういう表現とかすると、笑われたり、悪いこと言われたり、傷付く人がいたりするよっていうのが…“じゃ、もう何も書けないじゃないか!”って(笑)。その分、作品になるまでの距離は長くなってる感じはしますね。

なるほどねぇ、高橋くんならではの悩みだね(笑)。で、ボーナストラックの「牛乳」なんだけど…これは、高橋 乳さんとして話を訊けばいいのかな?

そうですね、勇猛果敢に『牛乳』を歌おうとした、高橋 乳さんの曲ですから。コンビニに売ってるモノシリーズですよね(笑)

(笑)。本当に、こういう日常的な題材で想像力豊かだよね。これで、切なくさせて終わるって、うまいよねぇ。

まさかの牛乳からの失恋物語。可哀想ですよね。

最初、ABメロパターンの曲なのかなって思ったら…このサビいいよねぇ。取って付けた感あるけど、メロディーが急に変わることで世界観変わって景色が広がるよね。

高橋 乳さんがつくる場合は、それで終わらない。このサビなかなか考えてますよねぇ(笑)。今、僕の周りで話題になってるのが、昔好きだった人の結婚式の写真を、今、見たいかってことで。見たいですか?

初恋の相手ってことだったら見たいよね。社会人になってからの子は現実的すぎて…まぁ、別れ方にもよるんだろうね(笑)。

そうですよね(笑)。そういうことになりますよね。女性はできる限り見たくないって人が多いんですよね。この部分だけ、あんまり共感してくれない意見が多いです。

そうなんだ。高橋 優さん的に言うと、この曲の落ち着きとしては、“ほろ苦い”と“甘酸っぱい”だと、どちらなの?

“甘じょっぱい”ですかねぇ(笑)。歌詞を見させてもらったんですけど、ミルクのテイストに涙が混ざってますから。カッコ悪い人のこと“しょっぱい”とか言ったりしませんか? それが掛かってるんじゃないすか。

(笑)。あくまで他人で落ち着かせようとする態度ですねぇ。

きっと高橋 乳さん的には、そういうことを言いたかったんじゃないかなって思いますね(笑)

はいはい、ありがとうございました(笑)。

誰がために鐘は鳴る
    • 誰がために鐘は鳴る
    • 通常盤
    • WPCL-10971
    • 1000円
高橋優 プロフィール

タカハシユウ:1983年12月26日生まれ。札幌の大学への進学と同時に路上で弾き語りを始め、08年に活動の拠点を東京に移し、10年7月21日、シングル「素晴らしき日常」でワーナーミュージック・ジャパンよりメジャーデビュー。13年11月には日本武道館での単独公演を成功させた。デビュー5周年迎える15年7月にはベストアルバムをリリースし、同月25日には秋田県の秋田市エリアなかいちにてフリーイベントを開催。高橋 優 オフィシャルHP

OKMusic編集部

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