【スコット・マーフィー】J-POPの影
響が自分に自然に入ってきてる

J-POPカバーの先駆者、待望の新作登場! わが国の伝統的名曲「さくらさくら」をギター全開のロックナンバーにしたかと思えば、美空ひばりやちびまる子ちゃんまで…。日本の音楽への深い愛情が今回も全開です!
取材:道明利友

作品制作はアメリカと日本を何度も行き来して行なっているってお話を、以前の取材でしてくれましたよね。ライヴも含めて世界中を飛び回って大変ですね。

去年も、もう8回ぐらい行ったり来たりしてました。1カ月ずつアメリカと日本を。で、今年は前半はずっとアメリカにいて、日本に初めて来たのは6月だったかな。

ということは、今回の1曲目の「SAKURA SAKURA」はアメリカで作っていたっていう? あの日本の名曲がアメリカで鳴っていたと思うと、かなり面白い(笑)。

そうですね(笑)。尺八とか、日本っぽい音のデータをMIDIで組み合わせて。アメリカ人にとって“日本”と言えば『さくらさくら』っていう感じかもしれない。『ストリートファイター』でE.本田が出てくる時とか、日本のゲームはだいたい“(琴の音を真似る感じで)♪タンタンタンタン~”って音が流れてくるし(笑)。ああいう日本のもののBGMはだいたい『さくらさくら』だから。

(笑)。日本の伝統的な曲が海外でも浸透してるって、知りませんでした。日本っぽいといえば、あとはやっぱり美空ひばりさんの「川の流れのように」ですよね。

こういう演歌っぽい歌謡曲をやるのは、今回のアルバムが初めて。聴いてみて、日本の独特なメロディーとかがすごく面白いと思った。J-POPもそうだけど、演歌はJ-POPよりもっと“日本のもの”っていう感じがするし、こういうメロディーはたぶん他の国にはない気がする。それをロックっぽくしたら面白いんじゃないかなって。

他にも、「Flavor Of Life」みたいにシンセのピコピコ音(笑)をフィーチャーしている曲が多かったり。今までの作品以上にバリエーションが豊かになっているなっていう印象だったんですけど、新たなものにチャレンジしたいっていう気持ちは本人的にもあったんですか?

そうですね。毎回同じことをやってたら、僕も聴いてる人もつまらなくなると思うから、1曲ずつ全然違うアレンジをやってみたいなっていつも考えてる。例えば、今回なら『愛は勝つ』(KAN)を聴いた時に、これをもしQUEENがやったらどうなるかなって考えて(笑)。そういうちょっとQUEENっぽいのと、パンクロックをミックスした感じで。あと、ちびまる子ちゃんの曲(『ゆめいっぱい』)は、かわいい女の子の歌を男が歌うギャップも面白いと思うし…。『心の旅』(チューリップ)は、最初はアカペラでやろうかなと思ったんです。アルバムに入ってるこれも、Aメロは全部ヴォーカルなんだけど、たぶん10トラックぐらい自分の声をレイヤーしてて(重ねていて)。でも、アカペラで最後までいくだけだと飽きるなと思って、スタジオでいろいろ遊んでみたんだけど。

遊びすぎですよ、毎回本当に(笑)。その遊び心が楽しい“GUILTY PLEASURES”シリーズですけど、日本のいろいろな曲をカバーして学べたことはありますか?

毎回毎回、いっぱい勉強になります。アレンジの仕方もそうだし、コード・ストラクション(コード進行)もそうだし、いろんなアーティストを聴いてカバーすることは本当に勉強になる。自分のオリジナルアルバム(『Balance』)も出したんだけど、“J-POPのインフルエンス(影響)がちょっと聴こえる”って周りの友達に言われたりして。そういう感じを出してるつもりは特にないんだけど、日本の曲をいっぱいカバーしてるから、そこからの影響が自然に入ってきて自分の曲に出てるのかもしれない。

今回は他にも、「手紙~拝啓十五の君へ~」(アンジェラ・アキ)をカバーしてますけど、前の作品でも「十五の夜」(尾崎 豊)をカバーしてますよね。スコットさんの“十五歳”の頃には、どんな思い出がありますか?

僕は、ギターを始めたのがちょうど“十五歳”の時だった。そのころに両親が離婚して、双子のお姉ちゃんがママのほうに行って僕はパパと一緒に行って、すごく悲しかったけど…。その頃に、ニルヴァーナとかのアグレッシヴな曲を聴いて心がすごい助けられて。で、引っ越したところでパンクのショウを観に行って、そこで家族みたいな仲間ができて、自分でもバンドを始めて。悲しかった心が音楽ですごい助けられたなって、僕は思ってる。

リスナーの人たちも、それぞれの生活の中でヘヴィなことがあると思いますけど、スコットさんの音楽を聴いて、心が助けられたら素晴らしいですね。ていうか、このアルバムを聴けば絶対、楽しい気分になりますよ!

ありがとうございます。だと嬉しいです!

スコットさん自身のオリジナルアルバムを出して、活動休止していたALLiSTERも復活して、今後はさらに忙しくなりそうですけど。この“GUILTY PLEASURES”シリーズと並行して、いろいろな活動をしていく予定ですか?

そうですね。カバーも、オリジナルも、ALLiSTERも…いろんなことをいっぱいやれるのはすごい贅沢かもしれないけど、それ全部が僕にとっては楽しいことだから続けていきたいなって思ってる。今回のプロモーションが終わったらシカゴに戻ってライヴをやって、日本でもまたライヴをやって、ヨーロッパからもALLiSTERとしてツアーのオファーが来てるし。だから、今後はどうなるか分からないけど、できるだけいろんなことをやりたいです。
スコット・マーフィー プロフィール

スコット・マーフィー:アメリカ合衆国イリノイ州シカゴ出身、在住のロックミュージシャン。95年にメロディックパンクバンド、ALLiSTERを結成。01年の初来日時から日本に傾倒し、独学で日本語を勉強。現在ALLiSTERとソロ活動を両立して活躍中! スコット・マーフィー Official Website
スコット・マーフィー オフィシャルサイト
オフィシャルHP

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