取材:石田博嗣

今回のベスト盤は30曲というボリュームで25年間を詰め込んでいるわけですが、楽曲のセレクトの基準というのは?

今までにベスト盤が3枚あるので、できるだけそれとは違う曲を…ってところでメンバーとスタッフで決めました。社長が曲順や曲間も含めて、聴く側の立場ってものを考えてくれて…そこはメンバーよりも客観的に見れるんでね。

新曲が2曲入っているのですが、それは“現在”という部分を入れようと?

もちろん。ベスト盤が何枚もあるのって嫌じゃないですか。だから、今までのベスト盤とは違う曲が入ってて、新しい曲も入っているっていうものを作りたくて。で、2曲は新曲を入れましょうって決めて…2曲ともできるだけ気負わずに、素直に作りましたね。今の自分たちのまんまで、カッコ付けずに、考えすぎないようにって。まあ、ポップで歌モノとして聴けるものの方がいいかなっていう想いはありましたけど。だから、この2曲に関しては自分たちのためっていうよりも、聴いてくれる人たちのためっていう気持ちが少しあるかもしれない。お礼というか、いろんな気持ちを込めてね。

興味使いのが「UNDER THE U.K」をセルフカバーしているところなのですが。

アマチュアの頃から演っている曲だし、自分たちのスタートの曲だと思うし…ファンの人たちもそう思ってくれてる曲なんでね。それにアレンジしようがない曲じゃないですか。だから、今の自分たちがライヴでやってるように、そのままのアレンジでやったらどうなるんだろうって。“昔のものに負けてしまったら…”ってちょっと怖かったですけどね(笑)

オリジナルにはがむしゃらさがありますけど、新録のものの方が尖ってますよね。

ゴッツンってきますよね。同じことをやってるのに、こんなにも違うんだって自分たちでもびっくりしてます。(中村)義人のヴォーカルにしても、決して声は若くないんだけど、あの頃とは違う重みがありますからね。

このベスト盤にはDVDも付いているわけですが、25周年記念ライヴの時の映像には、義人さんの“永遠というのはないと思っているから、だからこそ今の一瞬を腹いっぱい、精いっぱい生きたい”と熱く語っていたMCも入ってましたね。

その場にいたみんなが震えたと思うので、そこは一字一句そのまま入れました。ライヴ会場限定で25周年記念ライヴのDVDが出るんですけど、このアンコールの部分が入れられなかったんで、今回のベストには絶対に入れようって思ってて…この時のアンコールって出ているものというか、立ち上るものがすごかったんですよ。今観ても、それを思い出しますからね。古い曲がいっぱい並んでいるものを聴いた後に、これを観てもらうと“ああ、今はこうなんだ”って感慨深いものがあるんじゃないかな(笑)

最後の84からのカウントダウンジャンプも感動的でしたよ。

1年1年をたったひと言で“84、85、86…”って言ってるだけなんだけど、いろんなことをふと思い出すんですよね。だから、最後に“2009”って言った時に、改めてその長さを痛感しましたね。それを感じれたんで、また次に行けそうな気がします。

実際に出来上がったものを聴いてみていかがでしたか?

曲が良いとか悪いとかじゃなくて、最近の曲って腰が入ってるっていうか、堂々としているなって(笑)。昔の曲の方が粋がってたり、元気が良いってのは確かにあるんだけど、今の方がちゃんと地に足が着いている感じがあって、自分でも最近の曲はごっついなって思いますよ。

昔に“夢”と歌ってたものが、今では“魂”になってますしね。

生きる意味とかになってますからね。そういう部分で、昔の曲を聴いても一貫性があると思えるし…これ、自分たちにとってもうれしいアルバムですよ。

ちなみに、25年前に横道坊主を始めた時って、どんなバンドにしたいと思っていたのですか?

まったく分かんなかったんですよ。ポップなものも好きだったし、ニューウェイブやパンクも好きだったし、ハードロック寄りなものも好きだったんで、やりたい音がとっ散らかると思ってたんだけど、意外とそうでもなかった。自分たちがやれば、自分たちのものになっていくんだなって。“やれば答えが出るだろう”って思って始めたわけなんだけど…って、まだ答えは出てないんだけどね(笑)。だから、それを楽しんでいければなって感じです。結局、自分のためにやってるんだと思うんですよ。アマチュアの頃ってショーとして考えてたというか、“この曲をこういうふうに観せよう”ってやってたんだけど、いつの間にか自分の心が動く言葉とかリフを大事にするようになって…“自分の心が震えるようなものじゃないと、人様にはお聴かせできない”って。だから、自分のためなんですね。でも、意外に自分で作ってて元気がもらえるんですよ(笑)

25周年のアニーバーサリーですが、今後の予定は?

25周年のツアー…春に初期の曲ばかりをやるツアーをやったじゃないですか。秋に中期を、来年の冬から春にかけて後期をやります。春のツアーって初期の曲ばかりだから、それはそれで懐かしいし、お客さんも喜ぶし、こっちもテンションが上がるんですけど、なんか微妙な違和感があったんですね。で、そのツアーの後にイベントとかで最近の曲を演奏すると、むっちゃくちゃ気持ちいいんですよ。結局、自分たちには“現在”がいいんだなって。もうそれが分かっているから、次の中期や後期のツアーが楽しみですね。そうやって、25周年を楽しんでるんで、来年になって次のアルバムを作ったら、すごいものができますよ。漠然となんですけど、そうな気がすごくしてます。
横道坊主 プロフィール

バンド名は長崎弁で"悪ガキ"の意。84年結成。89年にアルバム『DIRTY MARKET』でメジャー・デビューを果たした。
UKの匂いのするパンキッシュなビートとストレートなR&Rサウンドをベースに、初期の頃は世間への憤りをぶちまけるかのような攻撃性を抱えた詞・曲を聴かせていたが、年を経てバンドが熟していくにつれ、姿勢はそのままに懐の深いバンドへと成長。客観性を持ち始めた詞の説得力とリアリティも増し、サウンドの幅も拡がったことで、より幅広いファン層を獲得した。
しかし、つくづく純で不器用なバンドである。93年から94年にかけて「I WANT…」〜「夏の日の少年」という5枚のシングルを短いインターバルで立て続けにリリースし、いわゆる"売り出し体勢"に入った時期に自由な活動の場を求めレコード会社/事務所との契約を自ら解消し、プライベート・オフィスを設立。その後、メンバー・チェンジを経てデビュー10年目の99年には初期衝動を思わせるエネルギッシュなアルバム『Happy!』をリリースするなど、自分たちのペースで現在も精力的に音源制作とライヴ活動に取り組んでいる。横道坊主オフィシャルサイト
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