【LUNA SEA】『SLAVE限定GIG 2015 T
he Holy Night-To The Next Dimensi
on-』2015年12月24日 at Zepp Diver
City Tokyo

取材:桂泉晴名

 5人の音がステージから放たれた瞬間、“あぁ、彼らの音だ。彼らが帰ってきた!”とオーディエンスの喜びが一気に爆発する。LUNA SEAとSLAVE(ファン)が大切に育ててきた絆が、再び強く結ばれるーー。

 LUNA SEAのオフィシャルファンクラブ『SLAVE』会員限定のクリスマスライヴ。2015年6月に開催された『LUNATIC FETS.』から半年、“久々に5人の音が聴ける”という期待で、スタート前からフロアでは高まる気持ちが渦巻いていた。クリスマス・キャロル「O come, O come, Emmanuel」の荘厳な合唱が流れる中、待ちかねたSLAVEの歓声に応えながら登場するメンバーたち。フランジャーのかかったSUGIZO(Gu)のギターで空間が歪んだかと思うと、このライヴでは欠かせない「SLAVE」が始まる。INORAN(Gu)とSUGIZOが向かい合ってのギタープレイを披露するなど、最初からメンバーはアクティブにステージを動き回る。

 “LUNA SEAの終幕から15年目、そしてあの『One Night Déjàvu』から約8年の時が…。そして俺たちが初めてドームに立ったのは、約20年前です。そういう歴史を今日、塗り替えたい。2015年の12月24日に、ヤバイGIGをやったよね。あの24日からもう10年か、みたいな”と語るRYUICHI(Vo)。

 2010年の“REBOOT(再始動)”後、2枚目にリリースされて、大人の渋さや色っぽさをふんだんに盛り込んだ「Rouge」、ライヴを盛り上げる定番「JESUS」と続き、ひとしきり暴れてステージを見ると、メンバーは何かをたくらんでいるかのような表情をしている。そこから空気が変わるのが分かった。真矢(Dr)のドラムとSUGIZOのギターリフで、大歓声が上がって「a VISION」へ。2000年のアルバム『LUNACY』に収録され、途中でSUGIZOとJ(Ba)が交互にシャウトするパートがあり、ヒリヒリとした熱を持つ曲である。2000年のLUNA SEA終幕後は、2015年に行なわれた沖縄でのSLAVE限定GIGでしか演奏されていないが、当時の緊張感、若さゆえの勢いといったものが失われていなくて、今の彼らの充実ぶりを見せてくれた。

 今回のライヴでは、前もってSLAVEに聴きたい曲を投票してもらう企画を実施。“その中から、俺たちから、みんなにクリスマスプレゼントというか、久々の曲たちを選びました”とRYUICHIが紹介したのは、7枚目のシングル「END OF SORROW」のカップリング曲で、優しいメロディーの背後に狂おしさがある「TWICE」。RYUICHIはロングトーンを響かせて、音の波を泳いでいく。“声を聴かせて”とサビのところで、フロアーにも強い照明が照らされ、光と音の洪水に飲み込まれていく。

 ノイズが混じったイントロが聴こえ、驚きのあまり悲鳴のような声が上がった。アルバム『MOTHER』の曲で、ライヴでの披露は20年以上振りという「AURORA」。久々に解き放たれた曲が、喜んで飛び回っているような演奏を聴かせる。オーディエンスはその音を体全体で受け止め、ステージに向かって手を伸ばした。

 ここでSUGIZOのヴァイオリンが登場。ソロ演奏の中で「AURORA」、そしてヴァイオリン曲では定番の「Providence」の一節を弾いたのでこの曲がくるかと思いきや、INORANのアルペジオと重厚な真矢のドラムが流れてくる。そこに地を這うようなRYUICHIのヴォーカルが入り、SUGIZOのヴァイオリンが絡み合っていく。静から次第に激しい狂気へと変貌していく楽曲「RA-SE-N」だ。ぐぐっと5人が神経を研ぎ澄まして、高みへと駆け上がっていく。そして再びINORANのギターで静に戻っていく。

 また、この日もっともLUNA SEAの“現在”を感じたのは、REBBOT後に作られたアルバム『A WILL』の「Metamorphosis」。重さとスピード感のバランスが絶妙で、今の彼らだからこそ表現できる楽曲である。さらにINORANがステージの前に出てきてオーディエンスを煽って「TONIGHT」に。途中、感情の極まったRYUICHIのパフォーマンスが荒々しさまとったが、スリリングなステージもLUNA SEAらしさと言えるだろう。

 アンコールでは12月23日&24日のライヴでは定番となったSLAVEたちによる「きよしこの夜」の合唱が響く。途中でフロアに雪を降らせる演出もあり、クリスマスモードが高まる。

“次のナンバーも俺たち5人からのプレゼントです。「FOREVER &EVER」”。

 活動休止や終幕、そしてREBOOTでも演奏された曲で、数々の困難をLUNA SEAとSLAVEがのりこえた証となる曲だ。特にJの語りが入る部分は、何かに挑戦するときの不安感を拭ってくれ、それに続くRYUICHIの力強いヴォーカルが、新しい世界へと引き上げてくれるように感じた。

 ライヴもいよいよクライマックス。ここでRYUICHIはニューアルバムを制作していること、2016年の5月29日、LUNA SEA結成記念日に、SLAVEのイベントを開催することを告げる。

“そしてね、実はまだまだなんですよ。23、24日って、俺たちの日じゃない? やっぱりLUNA SEAは、12月23日、24日に家でこたつでみかん食ってちゃだめだよ。2016年、12月23日、24日、さいたまスーパーアリーナ!!”。

 RYUICHIの発表に、大喜びするSLAVEたち。そしてLUNA SEAのクリスマスライヴでは、数々の思い出を作ってきたクリスマスソング「White Christmas」のカバーで幸福感に包み、そのままフィナーレの「WISH」へ。

 昨年から今年前半に行なわれた『25th ANNIVERSARY LIVE TOUR』の時は、ツアーを通して生まれたバンドとしての一体感があった。そして、『LUNATIC FETST.』以降、各自の活動で、5人の音の個性はさらに強くなっていた。この半年でどんな経験をしてきたのか、何を思ってきたのか、言葉はなくても感じ取れた気がした。それだけ彼らは音楽で、雄弁に自分たちのことを語っていた。この強烈に育てた個が、またLUNA SEAでしのぎを削り、新たな音楽を生むのだと考えると、興奮が止まらない。まさに“Next Dimension”、次の次元へ向かう準備が整っていることを、証明するライヴでもあった。

セットリスト

  1. SLAVE 
  2. TIME IS DEAD 
  3. Rouge 
  4. JESUS 
  5. a VISION 
  6. TWICE 
  7. AURORA 
  8. VI solo~RA-SE-N 
  9. BLUE TRANPARENCY 
  10. Metamorphosis 
  11. TONIGHT 
  12. Déjàvu 
  13. BELIEVE
  14. <ENCORE>
  15. FOREVER & EVER 
  16. ROSIER 
  17. White Christmas 
  18. WISH
LUNA SEA プロフィール

ルナシー:1989年、町田プレイハウスを拠点にライヴ活動を開始(当時の表記は“LUNACY”)。90年にバンドの表記を“LUNA SEA”に変更し、翌91年に1stアルバム『LUNA SEA』をリリース。そして、92年にアルバム『IMAGE』でメジャーデビューを果たす。00年12月26日&27日の東京ドーム公演を最後に終幕を迎えるが、07年12月24日の満月のクリスマスイヴに東京ドームにて一夜限りの復活公演を経て、10年に“REBOOT(再起動)”を宣言。13年12月には13年5カ月振りとなる8枚目のオリジナルアルバム『A WILL』を発表する。その後、バンド結成25周年を迎え、自身初の主宰フェスとなる『LUNATIC FEST.』も開催し、17年12月にはオリジナルアルバム『LUV』を、19年12月にはグラミー賞5度受賞のスティーヴ・リリーホワイトとの共同プロデュースによる10枚目のオリジナルアルバム『CROSS』をリリース。LUNA SEA オフィシャルHP

OKMusic編集部

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