text:石田博嗣

2007年12月24日の聖なる満月の夜に、終幕から7年の時を経てLUNA SEAが一夜限りの復活を遂げた。07年はメンバー全員がソロデビュー10周年であり、メジャーデビュー15周年の節目となる年である。そこに復活の理由があるのだろうか? メディアという立場上、ついそういったことを詮索してしまうのだが、5人が魅せたステージングに、そんなこと考える自体が無意味だと痛感させられた。 「LOVELESS」で静かに、それでいてどこか厳かに幕を開けたライヴ。真矢のずっしりと重たいビート、Jが弾き出す存在感のある野太いベース、SUGIZOがトリプルネックギターで描く浮遊感のある音色、INROANが爪弾く音空間を彩る12弦ギター、そしてRYUICHIの深みも伸びもあるヴォーカル…それらがひとつに合わさった瞬間、ドームは妖艶な音像に飲み込まれた。あまりにも圧巻であり、圧倒的なオープニング。そこに7年のブランクなどあるはずもない。 最初のMCで“今夜を一番楽しみにしていたのは、俺たち5人かもしれない”と語ったRYUICHI。その言葉が全てだろう。これは過去の再現ではなく、2007年のLUNA SEAのステージなのである。放たれるバンドサウンドに全盛期の頃の刺々しさや身を切るような緊迫感はないかもしれない。しかし、7年の間に個々の積み重ねてきたキャリアがプレイや佇まいに表れ、卓越したバンドアンサンブルによって紡がれる楽曲の世界観がより奥深いものとなっていた。だからこそ感じるのは、絶対的なオリジナリティーと楽曲のクオリティーの高さだ。終幕前も終幕後もフォロアーは数知れないものの、未だ彼らを超えるに至っていない。その理由を十分すぎるほど納得させられたし、綿密なアレンジメントによる構築美の妙を再確認した。当時のヒットチャートのトップを飾ったシングルナンバー「TRUE BLUE」や「 ROSIER」はもちろん、アルバムの中心的な楽曲やライヴで人気だった定番ナンバーが惜しげもなく披露されたのだが、そのどれもが今なお鮮烈なインパクトを持っており、まったく色褪せない美しさと毒を秘めている。特に息を飲んだのは、哀愁と悲愴に満ちた壮大なバラード「MOTHER」。ドームの広さを感じさせないほどのスケール感で、LUNA SEAにしか作り得ない聖域を築き上げていた。 “いつかどこかの空の下でまた逢おう”。RYUICHIが最後に残した言葉である。一夜限りの復活だったとはいえ、懐古的にはならずに、期待以上のパフォーマンスで、東京ドーム史上最大規模の5万5000人の観客を酔わせたLUNA SEA。またここから新たな伝説が始まることを願わずにいられないでいるのは、僕だけではないはずだ。
LUNA SEA プロフィール

ルナシー:1989年、町田プレイハウスを拠点にライヴ活動を開始(当時の表記は“LUNACY”)。90年にバンドの表記を“LUNA SEA”に変更し、翌91年に1stアルバム『LUNA SEA』をリリース。そして、92年にアルバム『IMAGE』でメジャーデビューを果たす。00年12月26日&27日の東京ドーム公演を最後に終幕を迎えるが、07年12月24日の満月のクリスマスイヴに東京ドームにて一夜限りの復活公演を経て、10年に“REBOOT(再起動)”を宣言。13年12月には13年5カ月振りとなる8枚目のオリジナルアルバム『A WILL』を発表する。その後、バンド結成25周年を迎え、自身初の主宰フェスとなる『LUNATIC FEST.』も開催し、17年12月にはオリジナルアルバム『LUV』を、19年12月にはグラミー賞5度受賞のスティーヴ・リリーホワイトとの共同プロデュースによる10枚目のオリジナルアルバム『CROSS』をリリース。LUNA SEA オフィシャルHP

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