【ACIDMAN】『LIVE TOUR “A beauti
ful greed”』2009年12月22日 at 日
本武道館

撮影:三吉ツカサ/取材:ジャガー

“全てはひとつから始まって、いろんなものになっていく。どんなかたちになろうと本気で生き抜くことが美しい”とライヴ終盤で口にした大木伸夫(Vo&Gu)。先日発表されたアルバムのタイトルは“A beautiful greed=美しき欲望”。汚いものだとされる人間の欲深さを認めた上で、どうしていくのかが大事だということを提示した作品であり、冒頭の言葉は彼が出した答えである。結局のところ欲をなくすことなどできないし、なくせば向上心すらなくなってしまう。認めることが大事で、それらを歌った同作品には気高さと温もりが感じられる。

 そんなアルバムのツアーファイナルを日本武道館で行なったのだが、これまでのライヴの印象とは大きく変わっていた。今では楽曲に落とし込めた想いであったり、曲の持つ雰囲気を大切にし、それらを表現するためにバンドが存在していたように思えたのが、今回はバンドが主体となり、先導して曲の世界観を作り上げていく。単純にバンドサウンドが前面に押し出されているというレベルではなく、もっと3人の絆が強まったとでも言おうか。ひとつのステージで、同じベクトルで音を出すことに特にこだわりが感じられたのだ。そして、本編を締め括る「OVER」で驚愕。3人の背景にあったカーテンが開かれると、そこには12名のストリングス奏者が実際に演奏していたのだ。壮大なスケールの「OVER」の世界をこういうかたちで触れるとは予想もしていなかったので、感情が高ぶらずにはいられない。

 感情を吐き出した「Your song」と懐かしのナンバーも飛び出たアンコールでは、映像と音楽の融合が美しい「廻る、巡る、その核へ」も披露された。スクリーンに映し出される生命、一音一音を丁寧に奏でる音楽とが奥深い。時代の移り変わりに流されない、彼ら独自の感性をこれからも感じたいと切に思った。

セットリスト

  1. ±0
  2. world symphony
  3. Who are you?
  4. Bright&Right
  5. FREE STAR
  6. colors of the wind
  7. スロウレイン
  8. 星のひとひら
  9. ファンタジア
  10. 銀河の街
  11. uncess(inst.)
  12. Slow View
  13. HUM
  14. I stand free
  15. Under the rain
  16. CARVE WITH THE SENSE
  17. 造花が笑う
  18. 飛光
  19. OVER
  20. 赤橙
  21. ある証明
  22. Your song
  23. 廻る、巡る、その核へ
ACIDMAN プロフィール

埼玉県私立西武文理高校時代に出会い結成された3ピース・ロック・バンドACIDMAN。当時は4人組で結成され、受験休業を経て、大学進学後、下北沢を中心に97年ライヴ活動を開始。 99年のヴォーカル脱退、現在のメンバーである大木伸夫(vo&g)、佐藤雅俊(b)、浦山一悟(dr)の3ピース編成となる。

02年、「造花が笑う」「アレグロ」「赤橙」のシングル3枚連続リリースでメジャー・デビュー。同年10月には1stアルバム『創』を発表、スマッシュ・ヒットを飛ばす。パワーポップ/ガレージ/パンクのテイストを独自に昇華させたハイブリッドなロックンロールから、哀愁漂うメロディックなスロウ・ナンバーまで、いずれの楽曲にも美しい旋律が貫かれ、エモーショナルなヴォーカルも聴く者の魂を震わせる。
03年8月に発表した2ndアルバム『Loop』ではより深遠な音世界を構築し、04年9月には“あらゆる色の生命をイコールで繋ぐ”という、かつて無い壮大なテーマとその独創性が表現された3rdアルバム『equal』を発表。輪廻転生をコンセプトに作られた約14分にも及ぶ大作「彩‐SAI‐(前編)/廻る、巡る、その核へ」は、映像クリエイターである西郡勲がビデオ・クリップを手掛け、第8回文化庁メディア芸術祭では優秀賞を獲得した。
05年12月にリリースした4thアルバム『and world』を引っさげ、全国ライヴ・ツアー『and world』を敢行。06年7月、このツアー・ファイナルの模様を収録した自身初となるライヴDVDをリリース。音楽と映像のコラボレーションという新しい形でのライヴを行い、多くのロック・ファンを虜にした。そして07年2月に5thアルバム『green chord』を完成させ、5月にはACIDMAN史上初となる日本武道館にてオール・スタンディング形式のライヴを開催。ストイック過ぎるほどストイックで真摯なバンド姿勢ゆえ、一時は解散の危機にぶつかった彼らだが、08年4月に6thアルバム『LIFE』を、09年7月に7thアルバム『A beautiful greed』を発表するなど、現在は年1度のペースでアルバム・リリースを重ねている。

「音の力。詩の力。」「深淵・迷走・創造・騒々」——展開著しく、時に裏切り、時に平たん。静と動。スリーピースの可能性へ常に邁進している彼らは、成功を手中にしてもなお、ストイックなまでに己のバンド・サウンドの純度に磨きをかけ続けている。ACIDMAN Official Website
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OKMusic編集部

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