【インタビュー】<DIGGIN' IN THE
CARTS>イベント開催&コンピレーショ
ンCD発売 「制限の中でいかにその境
界線を超えるものを作るか」ニック・
ドワイヤー監督

2017年10月22日(日)〜11月17日(金)まで、レッドブルによる音楽フェス<レッドブル・ミュージック・フェスティバル東京2017>(以下、RBMF2017)が開催中だ。11月17日(金)には<DIGGIN' IN THE CARTS 電子遊戯音楽祭>が開催、コンピレーションCD『DIGGIN IN THE CARTS』が発売される。
日本のゲーム音楽の歴史とその魅力を探ったドキュメンタリー作品『DIGGIN' IN THE CARTS』端を発し、Kode9主宰のレーベル“Hyperdub”からコンピアルバムを全世界リリース。さらにロサンゼルスに続き、東京、ロンドンでライブイベントを開催する。
このたびの東京公演では『MOTHER1』『MOTHER2』『メトロイド』『バルーンファイト』『スーパーマリオランド』などの音楽で知られるChip Tanaka、ゲームボーイ・トラックメイカーQuarta 330、人気カルトゲーム「LSD」を手がけたOsamu Sato、チップチューンの第一人者Hallyはゲームミュージック界を代表する仲間と共に登場する。
またこの夜はスペシャルゲストとしてケンイシイが招かれ、90年代テクノセットを披露する。さらにHyperdub主宰のKode9も来日し、STUDIO4℃の創設メンバーであり、『DIGGIN' IN THE CARTS』のアートワークを手掛けた森本晃司の作品とコラボレーションしたオーディオ・ヴィジュアルセットで登場することになっている。
今回はゲーム音楽についてのドキュメンタリー映像シリーズ『DIGGIN' IN THE CARTS』の監督であり、コンピレーションアルバムのプロデューサーを務めたニック・ドワイヤーに話を聞いた。
■ゲーム音楽の作曲家の存在が

■ほとんど知られていないことに気づいた
──ゲーム音楽に興味を持ち始めたきっかけは?
ニック 7歳くらいのときにコモドール64(8ビットホームPC)が家にあって、それの音楽に魅力を感じたのが始まりなんだ。そこからゲーム音楽にハマっていって僕が10〜11歳のころ、日本で働いていた10コ上の兄貴がスーパーファミコンを持って帰ってきた。それでその音楽に触れたわけ。すごくうれしかったけど、ひらがなやカタカナが読めなかったから、いまいちゲームは楽しめなかったけどね(笑)。でも当時僕の家はホームステイを受け付けていて、日本人の若い人たちがひっきりなしにステイして、RPGゲームの『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』なんかを持ってきてくれたんだよ。だからそのころはゲーム音楽漬けだったね。
14〜15歳のときにラジオ番組を始めて、90年代に入ってからはエレクトロニック・ミュージックにハマっていった。DJもやってたし……その後「ナショナル・ジオ・グラフィック」テレビシリーズの制作をしたことで、世界の音楽を自分で調べるようになったんだ。アフリカやカリビアン……どんどん音楽にのめり込んでいった。
で、7年前、番組のために東京の音楽文化に関するリサーチを始めたんだよ。そこから初期任天堂のコンポーザー・田中宏和や『ストリートファイター』の下村陽子……を知ることになったんだ。そういうわけで、29歳になってからまた日本の音楽に興味を持つようになった。自分も音楽を作るんだけど、慣れ親しんでいたゲームの音楽をサンプリングしたりしてたんだ。だから1年に2回は日本に来て、YELLOW(西麻布にあった伝説的なクラブ)に行ったり、サンプルのためにビンテージのゲーム音楽を探したり……そうこうしているうちに世界に限らず日本も含めて、ゲーム音楽の作曲家の存在をほとんど知られていないことに気づいたんだ。それでドキュメンタリーを制作したいと思ってレッドブルに相談したら、やろう!ということになって、およそ4年間のリサーチを経て、あの映像ができたってわけさ。そのリサーチのおかげで誰よりもゲーム音楽に詳しくなったよ(笑)。
──ドキュメンタリー・シリーズ『DIGGIN' IN THE CARTS』はどういうコンセプトで撮ろうと思ったのですか?
ニック 一番最初に伝えたかったのは、ゲーム音楽が与えてきた影響の大きさなんだ。テレビやラジオの仕事をしていてアーティストの友人も増えていくなかで、フライング・ロータスやサンダーキャット、UKグライムの連中も、いろんな人がゲーム音楽に影響をされてる。しかしそれを作っている人たちが知られていない。ゲームをする人たちは若いので、音楽に触れはするけど、それがいかに成功を収めている音楽か、しかもそれが日本発の音楽であるということ、そういうことは意識しないんだよね。まさにそういう彼らにスポットを当てたドキュメンタリーを作りたいと思ったのがきっかけなんだ。
■当時のサウンドチップには

■まるで人間のように性格があるのが魅力だ
──8ビット/16ビットのゲーム音楽の魅力とは?
ニック たくさんの理由があるんだけど、一番重要なのは“サウンドチップ”なんだ。サウンドチップはそれぞれ違っていて、ひとつひとつがユニークで、まるで人間のように性格がある。サウンドやトーンがチップの違いで変わってくる、そこが魅力だね。YAMAHA DX7とかさ。
自分は、音楽はすべての入り口だと思っていて、カリプソ、トリニダードのソカ、シカゴハウス……その音楽から入って、その音楽を知ることで、歴史や音楽の背景で何が起こっていたかを知ることができる。そこが素晴らしいところだと思う。日本のチップ時代は音楽が素晴らしいのはもちろん、バブル時代の日本はとてもエキサイティングだったし、70〜80年代の面白い時代に出てきたバンド……カシオペア、Tスクエアなどの日本のフュージョンも素晴らしい。その後の久石譲、YMO、細野晴臣高橋幸宏……彼らはそういう音楽に影響を受けて、より違った美しい音楽を作ってきたわけだ。そういう歴史や背景はとても魅力なんだ。完全に同じものができないからこその面白さ・美しさが、後の音楽に反映されていると思うんだよね。


初期のゲーム音楽のもうひとつの魅力は、32ビット、つまりCDになってから、作りたい音楽が作れるようになって、ゲーム音楽の可能性が広がっていったこと。ゲーム音楽を作る人は、普通の音楽も作れる時代になった。ただ8ビット/16ビットのときは容量にリミットがあったわけだ。たった3つのサウンドチャンネルのみで音楽を作っていたのは素晴らしいよ。僕がアートで素晴らしいと思うことは、制限がある中でいかにその境界線を超えるものを作るか、そこなんだ。エレクトロもテクノロジーの制限があって、それを超えたものを作り出してきたわけだよね? 初期のゲーム音楽とエレクトロにはそういう意味で共通点を見出しているんだ。
──イベント<DIGGIN' IN THE CARTS 電子遊戯音楽祭>はどういうイベントになりますか?
ニック 96〜97年ごろに電子音楽の番組を作ったんだけど、ケンイシイの「EXTRA」のPVには一番影響を受けたよ。あの音とあの映像は世界の若いファンに影響を与えたと思う。今度のイベント<DIGGIN' IN THE CARTS>にはケンイシイと森本晃司が、同じ空間に登場するわけだから、とても楽しみに、そしてエキサイトしてるんだ。
<DIGGIN' IN THE CARTS 電子遊戯音楽祭>


日程:2017年11月17日(金)

開場19:00/開演19:30〜

場所:LIQUIDROOM(恵比寿)

料金:前売3,500円 >>チケット購入
当日 4,500円 *20歳未満は入場不可。顔写真付き身分証必須。

出演:
Kode9 x Koji Morimoto AV

Chip Tanaka

Ken Ishii Presents Neo-Tokyo Techno (’90's Techno Set)

OSAMU SATO Presents LSD REVAMPED(LIVE) & SPECIAL VJ:TEAM LSD(OSAMU SATO、 KAZUHIRO GOSHIMA、 ICHIRO TANIDA)

Quarta 330

Yuzo Koshiro x Motohiro Kawashima

Konx-Om-Pax: Visual interpretation to Kode9 x Koji Morimoto AV and Yuzo Koshiro x Motohiro Kawashima live

Carpainter(Live Set / TREKKIE TRAX)

hally Presents HALLY COLLECTIVES(hally、 Saitone、ヨナオケイシ、細井聡司、三宅優、杉山圭一、Rolling Uchizawa)

GONNO presents beyond the chip sounds - Special DJ SET

オフィシャルサイト:◆https://www.redbull.com/jp-ja/diggin-in-the-carts-2017-22-08
『DIGGIN IN THE CARTS 』


2017年11月17日(金)

BRHD038 2,200円+税

Hyperdub/Beat Records

http://www.beatink.com/Labels/Hyperdub/DITC/BRHD038/
1. コナミ矩形波倶楽部 - Opening - ( コズミックウォーズ)

2. コナミ矩形波倶楽部 - Mazed Music ( グラディウス)

3. 中潟 憲雄 - Big Mode ( 源平討魔伝)

4. 蓮舎 通治 - Hidden Level ( ソロモンの鍵)

5. コナミ矩形波倶楽部 - A Planet Of Plants ( グラディウス 2)

6. 斎藤 学 - Telepathy(シャティ)

7. コナミ矩形波倶楽部 - Equipment ( ゴーファーの野望 エピソードII)

8. コナミ矩形波倶楽部 - BGM 3 ( モトクロス マニアックス)

9. 山中 季哉 - Visual Scene 1&2 ( 妖獣機甲兵ワードラゴン)

10. GOBLIN SOUND - Opening ( 飛装騎兵カイザード)

11. 新田 忠弘 - An-Un 'Ominous Clouds' -(サークII)

12. 古代 祐三 - Temple ( アクトレイザー)

13. コナミ矩形波倶楽部 - Road To Agartha ( 魍魎戦記MADARA)

14. 川田 宏行 - King Erekiman ( ワルキューレの伝説)

15. 田島 勝朗 - Exercise ( メガパネル)

16. GOBLIN SOUND - Game Over ( 飛装騎兵カイザード)

17. コナミ矩形波倶楽部 - Beyond The Terminus ( クォース)

18. 海野 和子 (ZUNTATA) - Waltz of Water and Bubbles ( ミズバク大冒険)

19. 齋藤 博人 - Main Stage BGM 1 ( タイムクルーズ II)

20. 渡部 恭久(ZUNTATA) - Area 26-10 ( メタルブラック)

21. 齋藤 博人 - Site 3-1 Torrid City ( メタルストーカー)

22. 新田 忠弘 - Metal Area ( 幻影都市)

23. 齋藤 博人 - Site 6-2 ( メタルストーカー)

24. 伊藤 真澄 - Tactics 4 ( スーパーロイヤルブラッド)

25. GOBLIN SOUND - My Phase 'State 12/14 (ヴィクセン357)

26. 吉田 博昭 - Kyoushin 'Lunatic Forest' ( 超次元竜ドラゴンガン)

27. コナミ矩形波倶楽部 - Underwater Dungeon ( エスパードリーム 2)

28. TECHNOSOFT - Shooting Stars ( サンダーフォースIV)

29. 細井 聡司 - Mister Diviner (The 麻雀・闘牌伝)

30. 石川 淳 - Main Theme ( アルカエスト)

31. 長井 和彦 - Keel ( ゴールデンアックス・ザ・デュエル)

32. 石橋 浩一 - Bad Data ( 絵描衛門(デザエモン)

33. 藤田 靖明 - What Is Your Birthday? ( タロットミステリー)

34. 半澤 一雄 - Oblivious Past - ( エイリアンソルジャー)

<レッドブル・ミュージック・フェステ
ィバル東京2017>

2017年10月22日(日)〜11月17日(金)

会場:都内各所(渋谷・恵比寿・六本木など)

チケット:https://eplus.jp/ath/word/114863

オフィシャルサイト:http://tokyo.redbullmusicfestival.com #redbullmusic

主催:レッドブル・ミュージック・フェスティバル実行委員会

後援:一般財団法人渋谷区観光協会

*未就学児は入場不可。一部イベントは20歳未満入場不可

*実施内容は予告なく変更となる場合がございます

*会場内での出演者及びライブの撮影・録音・録画等は禁止いたします

*客席を含む、会場内のオフィシャル映像及び写真は公開されることがあります

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