BUCK-TICK

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【BUCK-TICK インタビュー】
圧倒的な説得力で迫る
“無”の境地

“戦争反対”ということを
当たり前のように言いたい

また煙に巻かれました…。早くから「零式13型「愛」」はオープニング曲と決まっていたんですか?

櫻井
そうですね。曲が上がってきて、これは1曲目がいいかなぁみたいな話があったので、“じゃあ、そのつもりで歌詞書きます”と言って。話がちょっとずれますが、ラストは「胎内回帰」がいいと思ってたんですね。なので、こじ付けるつもりはなかったんですけど、だったらもう胎内の1曲目にしようと。生まれ落ちる。そういった始まりのイントロでもあるのかなと思って。コードの1発目で本当に子宮の中から、“新型です!”ってニュアンスを漂わせたかったタイトルでもありますし、テイクオフみたいな感じもあります。

「零式13型「愛」」に続く「美醜LOVE」は、人間はいかに愚かなものかという「BABEL」の話にも通じる、愛とは何ぞやという問いかけであり、説法でもあるのかなと。

櫻井
いえいえ、そんなおこがましい(笑)。やっぱり、愛を際立たせるには何だろうと思ったら…昔から闇だの光だの言ってますけど、闇とか醜いのがごっそりあったほうがきれいに愛が響くかなぁと。そういうものを強調して、愛がフワッと、土台が見にくく、いやらしくある感じですね。

冒頭から宇宙と交信しているかのようなSEに始まり、インダストリアル風味のデカダンな広がりがありますね。

今井
うん。かなり気持ち悪い感じで、結構気に入ってますね。不協和音じゃないですけど、ベースのリフとギターがぶつかってるみたいな、ノイズの塊みたいなところで構築して何かできないかなと思ってたんです。

3曲目の「GUSTAVE」でも、また違った愛のかたちが綴られていますね。しかも、ポップさの裏に隠された真意にも目を向けさせる。「薔薇色十字団-Rosen kreuzer-」も同様ですが。

今井
いつもヒデ(星野英彦の愛称)の曲って、コード譜、タブ譜みたいなものを僕がもらって、それをコピーして、スタジオに入るんですけど、今回はイントロとかAメロを“お任せ”って書いてあって(笑)。“お任せ”って言ったなって、もうめちゃくちゃにしてやりました(笑)。
櫻井
何か最近、不協っぽいのを1曲入れてくるんで、多分、僕も同じ感覚でめちゃくちゃにしてやろうと思って(笑)。歌詞も“何これ!?”っていうのをやりたかったですね。

ただ、次の「サロメ -femme fatale-」にも出てきますし、“薔薇”は意味のあるキーワードではあると思うんです。

櫻井
曲自体のキャラは微妙に違いますけど、一般的には愛の象徴といった捉え方と、あとは「サロメ」の場合は、危険なもの、危険な人が胸に挿しているものとか…「薔薇色十字団-Rosen kreuzer-」のほうも、本当は正義じゃなくて悪の団体なのかなって危うさを醸し出したいなと思ってて。

その薔薇色十字団の存在はドイツということで、ピカソの名画を彷彿させる「ゲルニカの夜」とのつながりも見えてくる。その意味でも享楽的ではないんですよね。

櫻井
僕が説明するより、やっぱり感じていただいたほうがいいんですけど、薔薇色十字団というのは実際に存在したかもしれない。それがいろんなところに助けに行くようなことだったり、そういったつながりは想像しながら楽しんでいただけると嬉しいですね。

その「ゲルニカの夜」は涙なしには聴けない曲ですね。

今井
これは“ゲルニカ”というタイトルでやってもらいたいなと思って渡して…でも、別に何も言わなかったんです。わりと自分の中では大作というか、歌ものなので、どんな歌詞がくるのかなと思ったら…さすがでしたね(笑)。
櫻井
ありがとうございます(笑)。
今井
本当は夢じゃないのかなみたいな感じというか、その落としどころが“あぁ、なるほど”と。いい曲になったと思います。

曲を作った段階で“ゲルニカ”というタイトルを思い付いた今井さんのセンスに驚かされますが、実際の作詞に当たって、ここ数作で特にはっきり見えていた親と子の関係性が、再び重要なテーマとなっていますよね。

櫻井
タイトルからはどうしてもピカソの『ゲルニカ』が浮かんでくる。なぜピカソは『ゲルニカ』を描いたのか、その想いも薄々知ってはいたんですが、ゆくゆく掘り返してみたり…最近、間接的ではあるんですけど、僕は戦争反対ということをまず当たり前のように言いたいんです。それを作品として、歌、曲にするにはどうしたらいいかなと。でも、あまりにも自分からかけ離れたものは嫌だったんですね。そこでふと思い出したのが、地元・群馬県藤岡市に一軒だけあった映画館で、そこで生まれて初めて観た映画が犬の『ベンジー』だったんです。親子3人で。でも、2本立てのもうひとつが、前橋市の空襲を映画化した『時計は生きていた』という作品で、『ベンジー』がどっか吹っ飛んじゃったぐらいインパクトがものすごくて、ちょっと動けないというか。金縛りにあったかのような。以前、僕たちの「キラメキの中で…」(93年6月発表のアルバム『darker than darkness -style 93-』収録曲)という曲に仮の歌詞を入れてたことがありまして、そこには兄と悲しい映画を観たという話があったんです。そういった体験の中で、空襲、ゲルニカ、兄、映画館とつないでいったら、こういうことになりました。

この歌の説得力の源は実体験なんですね。

櫻井
ええ。なので、僕自身もフワッとしているんじゃなくて、芯を突けるというか。ただ、言葉はすごく考えて選んで。不快感を与えないように、かといって誤魔化さずに。

その話は「胎内回帰」にも関連してきそうですが…。

櫻井
いや、そんなつもりではなかったんですけど、最後の曲が「ゲルニカの夜」になるのがいいかなって話もあったんですよ。でも、いや、「胎内回帰」で終わりたいなというので、自然とラスト前になって。それも自然とそうなった感じなんですよね。なるべくしてその位置になったような。
今井
マスタリングで曲間を決める時、「胎内回帰」から1曲目に戻る長さも決めて、繰り返し聴ける感じにしたんですよ。面白いアルバムになったと思います。

取材:土屋京輔

アルバム『No. 0』2018年3月14日発売 Lingua Sounda/Getting Better Records
    • 【完全生産限定盤A(SHM-CD+Blu-ray)】
    • VIZL-1340 ¥5,980(税抜)
    • 【完全生産限定盤B(SHM-CD+DVD)】
    • VIZL-1341 ¥5,480(税抜)
    •  
    • ■完全生産限定盤A(Blu-ray)&B(DVD)共通特典
    • 特典映像「美醜LOVE」「IGNITER」「Ophelia」MUSIC VIDEO収録
    • ※スペシャルパッケージ仕様
    • 【完全生産限定盤C(SHM-CD+VRコンテンツ)】
    • VIZL-1342 ¥4,480(税抜)
    •  
    • ■完全生産限定盤C特典
    • 「美醜LOVE」「IGNITER」「Ophelia」MUSIC VIDEO for VR
    • (VRコンテンツダウンロード用PINコード封入)
    • ※オリジナルVRビューアー付属
    • ※スリーブケース仕様
    • 【通常盤(SHM-CD)】
    • VICL-70237 ¥3,000(税抜)
シングル「Moon さよならを教えて」2018年2月21日発売 Lingua Sounda/Getting Better Records
    • 【完全生産限定盤A(SHM-CD+Blu-ray)】
    • VIZL-1319 ¥2,380(税抜)
    • 【完全生産限定盤B(SHM-CD+DVD)】
    • VIZL-1320 ¥1,880(税抜)
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    • ■完全生産限定盤A(Blu-ray)&B(DVD)特典
    • 「Moon さよならを教えて」MUSIC VIDEO収録
    • ※スペシャルデジパック仕様
    • 【通常盤(SHM-CD)】
    • VICL-79003 ¥1,000(税抜)

『BUCK-TICK 2018 Tour No.0』

3/31(土) 神奈川・よこすか芸術劇場 
4/01(日) 東京・オリンパスホール八王子
4/07(土) 兵庫・神戸国際会館こくさいホール
4/08(日) 奈良・なら100年会館 大ホール
4/14(土) 栃木・栃木県総合文化センター メインホール
4/15(日) 群馬・群馬音楽センター
4/21(土) 石川・本多の森ホール
4/22(日) 長野・長野市芸術館 メインホール
5/12(土) 香川・サンポートホール高松 大ホール
5/13(日) 高知・高知市文化プラザかるぽーと 大ホール
5/19(土) 岡山・倉敷市民会館
5/20(日) 京都・ロームシアター京都(京都会館) メインホール
5/26(土) 北海道・わくわくホリデーホール(札幌市民ホール)
6/01(金) 福島・郡山市民文化センター中ホール
6/03(日) 千葉・市川市文化会館
6/09(土) 大阪・オリックス劇場(旧:大阪厚生年金会館)
6/10(日) 大阪・オリックス劇場(旧:大阪厚生年金会館)
6/14(木) 新潟・りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館 劇場
6/23(土) 広島・広島JMSアステールプラザ大ホール
6/24(日) 福岡・福岡市民会館
6/30(土) 宮城・仙台銀行ホール イズミティ21 大ホール
7/01(日) 青森・リンクモア平安閣市民ホール(青森市民ホール)
7/06(金) 埼玉・川口総合文化センター リリアメインホール
7/07(土) 神奈川・神奈川県民ホール 大ホール
7/14(土) 静岡・静岡市民文化会館 中ホール
7/15(日) 愛知・日本特殊陶業市民会館フォレストホール(旧:名古屋市民会館)
7/18(水) 東京・NHKホール
7/19(木) 東京・NHKホール

BUCK-TICK プロフィール

バクチク:1987年にメジャーデビューを果たし、以降メンバーチェンジすることなく、日本のロックシーンの第一線で活躍し続ける。不動であり孤高であるその姿は、後続するアーティスト達にも多大な影響を及ぼしてきた。89年にリリースされた3rdアルバム『TABOO』でチャート第一位を獲得、デビュー後わずか2年の間に日本武道館、東京ドームと席巻し、名実共にトップアーティストの仲間入りを果たす。その後も独特なポップセンスとダークな世界観を深く掘り下げていく一方で常にその時代の先鋭的な要素を積極的に取り入れ、まさにBUCK-TICKでしか成し得ない独自の音楽性を提示しながらも、今なお進化し続けている。BUCK-TICK オフィシャルHP
Lingua Sounda LABEL SITE
BUCK-TICK オフィシャルYouTubeチャンネル
『ABRACADABRA』スペシャルサイト

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L→R 今井 寿(Gu)、ヤガミ・トール(Dr)、櫻井敦司(Vo)、樋口 豊(Ba)、星野英彦(Gu)
今井 寿(Gu)
ヤガミ・トール(Dr)
櫻井敦司(Vo)
樋口 豊(Ba)
星野英彦(Gu)
アルバム『No. 0』【完全生産限定盤A(SHM-CD+Blu-ray)】【完全生産限定盤B(SHM-CD+DVD)】
アルバム『No. 0』【完全生産限定盤C(SHM-CD+VRコンテンツ)】
アルバム『No. 0』【通常盤(SHM-CD)】
シングル「Moon さよならを教えて」【完全生産限定盤A (SHM-CD+Blu-ray)】【完全生産限定盤B (SHM-CD+DVD)】
シングル「Moon さよならを教えて」【通常盤】(SHM-CD)

「Moon さよならを教えて」MV

OKMusic編集部

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