「臼井孝のヒット曲探検隊
~アーティスト別 ベストヒット20」
総合的なヒット分析で
松任谷由実の真の名曲を探る

総合1位は最大CDセールス&
カラオケ大人気の「真夏の夜の夢」

1位はシングル24作目となる「真夏の夜の夢」。ドラマ『誰にも言えない』(TBS)の主題歌となったラテンテイストのアップテンポのナンバーで、プロモーションビデオも炎やライト全体にオレンジがかった情熱的な映像が印象的だ。

前年、“冬彦さん”が社会現象にもなったドラマ『ずっとあなたが好きだった』(TBS)の続編的スタンスで、前作同様に賀来千香子・佐野史郎そして野際陽子をメインキャストに配置し、『誰にも~』も最終回には視聴率30%を超える大ヒットドラマとなった。サスペンスタッチのドラマを盛り上げるに相応しい、妖しげな曲調も相乗的なヒットの要因と言えるだろう。LIVEで歌われる際もクライマックスに向けた派手な演出になることが多い、盛り上げ役として重要なナンバーだ。

「真夏の夜の夢」/松任谷由実

総合2位は平和記念でさらなる人気の
「春よ、来い」

2位はシングル26作目となる「春よ、来い」。こちらは朝の連続テレビ小説『春よ、来い』(NHK)の主題歌で、和の情感あふれるバラード。発売当時もミリオンヒットとなったが、その後も読売新聞、サントリー『BOSS』、ANAなど様々なCMに起用されたり、音楽や国語の教科書に採用されたりと、まさに語り継がれる名曲となっている。

また、11年に東日本大震災が発生した際には、被災地支援のためにNHKとの共同プロジェクト『(みんなの)春よ、来い』を開始。これはコーラス部分を一般から広く募集し原曲と重ね合わせたバージョンをネット配信し、その収益を全額寄付するというものだった。また、同年末の『NHK紅白歌合戦』にも出場し、紅組/白組関係なく会場が一体となったコーラスのもと、平和を祈るようにユーミンが絶唱したことも記憶に新しい。

「春よ、来い」/松任谷由実

総合3位はダメ出し(?)を経て
再構築された「Hello,my friend」

そして、3位はシングル25作目となる「Hello,my friend」でこちらはドラマ『君といた夏』(フジテレビ)の主題歌。失った夏の恋を想い出すという切ないバラードで、こちらはモノトーンのプロモーションビデオで「真夏の夜の夢」とは対照的。こうした映像面での工夫もユーミンはずば抜けている。

もともとはシングルカップリングの「Good-bye friend」を主題歌として提案していたが、ドラマ制作側からダメ出しがあり、作り直したのがこの「Hello,my friend」。その為、サビのフレーズや全体の情景で共通点が見られる。ちなみに、「Good-bye friend」は親交のあったアイルトン・セナを追悼して作られたこともあり、より人を亡くしたことへの寂寥感が大きい。これに対し、「Hello,my friend」は“夏”というキーワードを増やし、少しテンポを上げることで青春群像劇に沿ったものとなっている。無双状態にあった平成初期のユーミンに対し、ダメ出しをしたドラマスタッフもすごいが、それに応えて染みるバラードを再考したユーミンの才能にも驚かされる。

「Hello, my friend」/松任谷由実

OKMusic編集部

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