Sadsの2ndアルバム
『BABYLON』から考える
アーティスト・清春の
指向性とバンドとの相性

ドキュメンタリータッチなアルバム

『BABYLON』というアルバムは、そんなふうに方向性がシフトしつつも、とはいえ、ライヴハウスでのカタルシスを求めるファンが一定数いる以上、その期待も裏切れない…といったような危惧や、急激な方向転換への警鐘を完全に払しょくできず、それらがない交ぜになったアルバムといった印象がある。人によってはそれをしてどっちつかずとか中途半端といったレッテルを貼るかもしれないが、全体の聴き応えはそうはなっていないし、その後、Sadsが活動休止に至り、清春が本格的にソロ活動を展開した今となっては、どこかドキュメンタリータッチというか、生々しさを感じるところではある。それは下記の歌詞からもうかがえる。

《生き急いでいたいけれど 忘れてない/虜になった時決めたストーリー 今日も抱いている》《誰かはあきらめることが楽と言った/「正反対さ」 と心で思った/いつも 「繰り返しただけ」 と迷ったけど/未完成だとしてもいいストーリー 胸に抱いている》(M8「忘却の空」)。

《過去を飲み込めたら/先を読み切れたら/今さえ良ければと言い切れたら》《浮かび上がれ 理想郷/開放された僕に人は/他のどれを求めるだろう》(M10「GENTLE DARKNESS」)。

《夢は形を変え 意味を変え/僕を変えて やっと終わるだろう》《SAD PAIN 光と影の間 では/蝶になれた僕が笑ってた/解りすぎた痛みさ/通り越したヨロコビ/穴の開いた居場所で》《全て越える 魂を震わせた歌を》(M13「SAD PAIN」)。

発売が延期されてしまっているが、清春のニューアルバム『Covers』には「忘却の空」のセルフカバーが収録される予定だという。ソロとバンドとの狭間で揺れていた時期の楽曲でありながらも、Sadsの代表曲として多くのリスナーに認知されているナンバーが、19年の時を経てどんなふうに生まれ変わっているのか。他の楽曲以上にその仕上がりが気になるところだ。無理しない程度に“なるはや”での『Covers』リリースを乞う! 頼んます!
アルバム『BABYLON』2000年発表作品
    • <収録曲>
    • 1. Welcome to my BABYLON(SE)
    • 2. PRAYER
    • 3.アジト
    • 4. Feeling High & Satisfied
    • 5.ストロベリー
    • 6. What Can I Do
    • 7. Liberation
    • 8.忘却の空
    • 9. LATE SHOW
    • 10. GENTLE DARKNESS
    • 11. DARLIN'
    • 12.STUCK LIFE
    • 13.SAD PAIN
    • 14.Conclusion of my BABYLON(SE)
    • 15.赤裸々 -new mix-
    • 16. CRACKER'S BABY -new take-
    • 17. SANDY -remix-
『BABYLON』(’00)/Sads

OKMusic編集部

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