カーネーションとバレーボウイズが世
代を超え、La.mamaで邂逅!

世代を超え、渋谷La.mamaで。

京都を中心に活動する新鋭バンド「バレーボウイズ」と、昨年2018年に結成35年を迎えたベテラン「カーネーション」が、7月7日に渋谷La.mamaで「LIVE BEATER!! 1st match」を開催しました。親子ほど年の差が離れていても、音楽を共通言語に世代を超える。明るい話題が少ない今の世の中において、わずかに希望が見える瞬間です。La.mamaで観られたのも幸いでした。キャパシティは250人ですから、手を伸ばせばステージに届く距離です。この箱は1982年から渋谷にオープンして以降、ずっとこの街のライブハウス文化を牽引し続けています。これまでに名だたるバンドの登竜門的な場所として機能してきました。近年ではSuchmosあいみょんが例として挙げられましょう。La.mamaのスタンスや今回の2マンライブのブッキングの経緯につきましては、コチラの記事で詳しく語られています。
個人的にもこの規模のライブハウスの価値が見直されている実感がありまして、誕生から40年を目前にLa.mamaもますます存在感は増すのではないかと考えています。上のインタビューで同ライブハウスのプロデューサーである河野太輔さんも仰ってますが、「Suchmosもあいみょんも自分の好きなことを突き詰めてブレイクしていった経緯がある」わけです。そう考えると今後必要になってくるのは、数万人規模の箱よりもむしろ、この箱のようなキャパシティのライブスペースではないでしょうか。数ではなく、アイデンティティやオリジナリティが重要視される時代。

実際、20代半ばのバレーボウイズと、この道35年のカーネーションの組み合わせは極めて稀でしょう。
けれども、その音楽には統一感があるし、2マンライブイベントとして確固たるカラーがあるわけです。キーワードは、「日本歌謡 meets オルナタティブ・ロック」。この日はまず、バレーボウイズのライブから。

限りなく永遠の青春。バレーボウイズが
見せる普遍的「日本の夏」

7人編成の大所帯。ツインエレキにアコースティック、ベース、ドラム、男女ヴォーカルという構成のバレーボウイズ。「大学の学祭に出るためにバンドを結成した」と語る彼らは、学祭を終えてからもなお青春の真っ只中にいます。凡百なノスタルジーではなく、本当にずっと「学生服を着ていたあの頃の感覚」で曲を書くのです。それはまるで、“平成生まれの青い三角定規(カーネーションの直枝政広談)”。「アサヤケ」しかり「渚をドライブ」しかり、日本の歌謡曲のバイブスをバリバリに感じるわけです。それでいて、「ひがしのまち」なんかはUSのオルタナティブ・ロックからの影響をにおわせる曲もあったり。彼らの音楽は、“新しい形のミクスチャー”である気がしますね。
バレーボウイズ -「ひがしのまち」

偶然なのか、このタイトルはマイケル・ウィンターボトムの映画「ひかりのまち」(邦題)を想起させます。バレーボウイズは随所に映画への愛を感じるんですよ。MVもかなり作りこまれているし、実際にインディー映画の劇伴(『下鴨ボーイズドントクライ』)も制作したことがあります。深読みの可能性は大いにありますけれども、細部に遊び心が宿っているように見えますね。作詞・作曲は主にネギ(Gt./Vo.)が担当しておりますが、彼の描写は絵画的でも写真的でもなく動画的な印象があります。たとえば先ほど挙げた「渚をドライブ」なんかは、連続した画が見えるんですよ。「見慣れないセットアップ 着飾ったあなたは 格好つけちゃいるけど ギクシャクと音がする」。…何となくワンシーンを思い浮かべませんか? 思春期の背伸び感を上手いこと言い当てられているので、恥ずかしさで胃の下あたりがムズムズします。相米慎二監督(『台風クラブ』など)なんかが得意そうな描写ですね。

まぁ、そもそもバレーボウイズと映画の関連で言えば、「タイトルコール」という思い切り映画やテレビを連想させるタイトルの曲もあるんですけども。
(L→R)九鬼知也(Gt./Cho.)、ムコ(Ba.)、武田啓希(Dr.)、ネギ(Gt./Vo.)
オオムラツヅミ(Vo.)、高山燦(Gt./Cho.)
前田流星(Vo.)

そしてやっぱり彼らは夏が似合うと感じます。「卒業」しかり「アイドル」しかり、夏を舞台にしていない曲もたくさんあるのですが、個人的には夏こそが彼らのシーズンだと思うのです。学校のプール、午前4時には明るくなる空、田舎の山々、無根拠な謎の無敵感…。そういうものを連想させます。特にライブでは無敵感がほとばしる。学生服を着ていた頃の世界観って狭いけれど、自信だけはあったような気がするんですね。明日のサッカーの試合にも勝てるだろうと高をくくっていたし、半年後に始まる受験のことなんて頭の片隅にしかありませんでした(片隅にすら無かったかもしれません)。あの頃は「今」しかなかったわけです。バレーボウイズのライブを観ていると、「あの夏の自分」を思い出すようでドキドキします。新曲の「雨が上がったら」(7月31日リリース)もそんな感じでした。

カーネーションとバレーボウイズが世代を超え、La.mamaで邂逅!はミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。

ミーティア

「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。

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