福山雅治もカバーする大沢誉志幸『そして僕は途方に暮れる』を知る!

福山雅治もカバーする大沢誉志幸『そして僕は途方に暮れる』を知る!

福山雅治もカバーする大沢誉志幸『そ
して僕は途方に暮れる』を知る!

『そして僕は途方に暮れる』ヒットのきっかけはカップヌードル
1984年に『そして僕は途方に暮れる』がヒットするまで、大沢誉志幸はほとんど無名の存在でした。また、抑揚の少ないリズムで終始するこの曲も、一般受けするキャッチーな曲とは言えません。
そんな地味な曲『そして僕は途方に暮れる』が大ヒットしたきっかけは、日清の「カップヌードル」のCMに起用された事でした。
外国人の女の子の表情のみを写した映像で、肝心のカップヌードルが最後まで登場しないこのCMは、視聴者に大きなインパクトを与えます。
そして、個性的なハスキーボイスと不思議と耳に残るメロディにのせた『そして僕は途方に暮れる』という風変わりな曲も、“これ誰の曲?”と注目を集めて大ヒットへと繋がりました。
文学界のニューウェーブ銀色夏生による歌詞
『そして僕は途方に暮れる』は、一度聴いたら忘れられない斬新なタイトルと、奥深い歌詞が印象的な作品です。作詞を担当した銀色夏生は、数多くの詩集を出版する女流詩人であり、写真、イラストなども手がけるマルチアーティストでした。
若者の恋愛や友情、大人になる事への葛藤など、青春時代特有の感情を描いた詩と、映画のワンシーンのような写真をセンス良くコラージュした銀色夏生の作品は、写真詩集という文学の新ジャンルを生み出し、当時の若者の共感を得て人気を博します。
また、銀色夏生の写真に起用されたモデルの中から、森高千里裕木奈江らがスターへと羽ばたいていきました。
銀色夏生が描く人が途方に暮れる瞬間とは
福山雅治柴咲コウ中森明菜ハナレグミ、CHARAなど、『そして僕は途方に暮れる』をカバーするアーティストは、年代やジャンルも様々です。彼らを惹きつけるこの曲の歌詞の魅力を見ていきましょう。
そして僕は途方に暮れる
そして僕は途方に暮れる 歌詞 「大澤誉志幸
https://utaten.com/lyric/wb15120346
愛する人が去って行く瞬間です。「見慣れない服」とは、昨日まで良く知っていた人が、突然、見知らぬ他人のようになってしまった事を現しています。
「テーブルの上もそのままに」も、いつもなら出かける前にはテーブルをきちんと片付けていたのに、今日はもう、そうする必要がなくなったという事。愛する人は、二度と自分のもとに帰って来ないという意味です。
そして僕は途方に暮れる 歌詞 「大澤誉志幸」
https://utaten.com/lyric/wb15120346
今思えば、僕といる事で彼女は悲しんだり傷ついたりしていたのだな。そして今、君が傷つかずにすむ場所を見つけたのなら、そこで安心して生きて行けばいい、という意味があります。
人間とは、大事なものを失って初めて、ようやく真実を知るものです。それと同時に、全てが手遅れになっている事にも気がつきます。

そして僕は途方に暮れる 歌詞 「大澤誉志幸」
https://utaten.com/lyric/wb15120346
別れとは、意外にも突然訪れるものです。それは、自分は別れる気などないから、相手もそうに違いないという思い込みから生まれます。
実は、相手は心の中で別れを考えていて、ずっと前から準備をしていました。そしてある日、もう我慢の限界に来て別れを切り出します。その結果、別れを切り出された方は、まさに寝耳に水。突然の出来事に、途方に暮れてしまうのです。
ところで、この曲の中で去って行く女性は、恋人ではなく奥さんです。「途方に暮れる」ほどの衝撃を受けるのは、やはり奥さんに出て行かれた時以外には考えられません。
夫婦といえども、お互いの心の中を理解するのは至難の技なのです。
そして僕は途方に暮れる 歌詞 「大澤誉志幸」
https://utaten.com/lyric/wb15120346
「この部屋」は心の中を現しています。彼女との幸せな思い出で明るくなった心の中に、ふと現実が暗い影を落とし、どうしてこうなったのかと悩んだ後、またすぐに彼女を応援しようと前向きに考えます。
感情の浮き沈みを表す歌詞に、取り残された者の混乱の大きさが伺えます。
そして僕は途方に暮れる 歌詞 「大澤誉志幸」
https://utaten.com/lyric/wb15120346
この歌詞で、銀色夏生の詩の特徴が最も良く現れているところは、「僕は途方に暮れる」の前に「そして」を加えているところです。
それによって、様々な思いが去来した末、結局なす術もなく、呆然と日が暮れるのを待つしかない人間の無力さが、より鮮明に描き出されているのです。
一瞬を永遠に変えた名曲
銀色夏生の歌詞の世界を、大沢誉志幸がエモーショナルなメロディで表現したこの曲は、人が途方に暮れる瞬間を写真のように映し出した、銀色夏生の写真詩集の音楽バージョンと言える作品です。
写真に写された一瞬が永遠へと変わるように、この作品も色褪せる事のない名曲となり、今もなお、アーティストたちに新たなカバー曲を生み出すインスピレーションを与え続けているのです。
TEXT 岡倉綾子

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