Editor's Talk Session

Editor's Talk Session

【Editor's Talk Session】
今月のテーマ:
未曾有のコロナ危機、
ライヴハウスは何をすべきか?

BARKS、OKMusic、Pop'n'Roll、全日本歌謡情報センターという媒体が連携する雑誌として立ち上がったmusic UP’s だからこそ、さまざなテーマを掲げて、各編集部員がトークセッションを繰り広げる本企画。第五回目は新型コロナウィルス感染拡大防止のためにライヴやイベントが軒並み延期&中止になっていることを受け、ライヴハウスの店長に参加していただいた特別編。現場のリアルな声であり、状況打破についての想いを語ってもらった。
座談会参加者
    • ■烏丸哲也
    • ミュージシャン、『GiGS』副編集長、『YOUNG GUITER』編集長を経て、BARKS 編集長に至る。髪の毛を失った代わりに諸行無常の徳を得る。喘息持ち。
    • ■石田博嗣
    • 大阪での音楽雑誌等の編集者を経て、music UP’s & OKMusic に関わるように。編集長だったり、ライターだったり、営業だったり、猫好きだったり…いろいろ。
    • ■千々和 香苗
    • 学生の頃からライヴハウスで自主企画を行なったり、実費でフリーマガジンを制作するなど手探りに活動し、現在はmusic UP’s &OKMusic にて奮闘中。ディズニー好き。
    • ■二位徳裕
    • 1966年生まれ。88年ホコ天・イカ天ブーム真っ只中でインクスティック芝浦に入店し、当時最高レベルのロックシーンを経験させてもらったあと、下北沢屋根裏でブッキング~店長を担当。当時出会った今も活躍しているバンド多数。94年よりCLUB Queを運営。映画製作やラジオパーソナリティなどでも精力的に活動しつつ、05年にZher the ZOOを代々木に開店。
    • ■室 清登
    • TSUTAYA O-Crest店長/MURO FESTIVAL主催/MURO_RECORDS。ライヴハウス勤続20年、40歳。
    • 大阪BIGCAT→大阪LIVE SQUARE 2nd LINE→渋谷O-WEST→TSUTAYA O-Crest
    • ■篠塚将行
    • ロックバンド・それでも世界が続くならのヴォーカリスト。2013年のメジャーデビュー以降も、若手バンドのプロデュースやライヴハウス(吉祥寺 Planet K)でのアルバイトを続ける現場主義。著書『君の嫌いな世界』を出版。保護猫3匹と暮らす。

最初は2週間の自粛要請だったけど、
感染が止まるわけがない

石田
お忙しい中、お集まりいただいてありがとうございます。新型コロナウイルスの拡散防止のためにライヴが延期や中止になっているだけでなく、ライヴハウスの営業までが自粛要請を受けているということで、music UP’sはライヴハウスに置かせていただいているわけだし、何か発信できないかと思って、この場を設けさせてもらいました。
二位
これ、意図してこの3人なんですか? 大きな会社の系列の室さん、中くらいの店の俺と、バンドマンのスタッフでまわしている篠くんの店っていう。
千々和
はい!
石田
それぞれの立場で語っていただければと思うのですが、お声がけさせてもらった時と今とでは状況が違っているし、この号が出る頃にはまた違っているとは思うので、現時点(4月3日)での想いということでお願いします。
篠塚
24時間で思ってたことが180度変わったりしますしね。でも、みなさん、最初から深刻化すると思っていました? 僕は思ってたんですよ。最初は2週間の自粛要請だったけど、まだワクチンがないわけだし、感染が止まるわけがないと。
二位
自分はそれなりに調べた中で、そこまで重く受け止められてなかったです。インフルエンザと比べると死亡率も低かったし。これは何かの陰謀だと思ってた(笑)。
僕も独自に調べて、陰謀だと思ってました(笑)。武漢で細菌兵器を作ってて、そこからウイルスが漏れたっていう情報がネットにいっぱい流れてたんですよ。
二位
そうそう。
それはそうとして、本当は日本にはもっと感染者がいると思ってましたね。オリンピックをやりたいがために政府が隠しているんだなって。
二位
そんな中で自粛要請されて。まぁ、いろいろいろな企画が飛んだけど、何百人規模のコンサート会場と比べると、うちのような店は問題にならないと思ってたんですよ。それが3月の終わりくらいまでの気持ちかな。感染しないように消毒を徹底するとか、椅子を出すとかして、店の開け方を工夫すればいいというか。だから、現時点では営業してます。でも、これからですよね。
うちの系列に関しては、3月14日以降は一日も営業してないんですよ。でも、会社的にそれをいつまで続けられるか分からなくて…きっと半年は持たないと思う。
二位
いろいろな対策をしているけど、長くても1カ月ぐらいと思ってませんでした? 政府は2週間と言ってるけど、1カ月ぐらい我慢すればなんとかなるんじゃないかって。
篠塚
僕は…個人的には1年想定でした。7月のオリンピックまでに収まるわけがないと思ってたんです。ワクチンがないんだし。来年の7月に延期になりましたけど、夏以降でも良かったと思うんですよね。
石田
そこはオリンピックのスポンサーの問題がありますからね。
篠塚
でも、やっぱりワクチンの開発がギリギリ間に合うかどうかってくらいの期間なんですよね? だとしたら、それくらいの時期を想定していいのかなと。でも、きっと耐えれない店も出てくると思うんですよ。だから、来年の7月まではどんどん悪化していくぐらいの覚悟をしていないといけないと思いますね。
二位
俺は思ってるよ。このままでは良くはならない。自粛してしばらくは良くなるかもしれないけど、再開した時にまた発生するかもしれないし。平時になったとしてもウキウキ気分にはなれないよね。そうなると、もうライヴハウスっていう概念をなくさないと生き残るのは難しいんじゃないかな。
篠塚
まったく同じ考えです。そういう意味では、このコロナを機にライヴハウスや音楽だけでなく、いろんなことが世界中で変わると思うんですよ。テレワークが推奨されるようになって、定時に出社して定時に帰るという形態じゃなくなるとか。ライヴハウスもネット配信が加速するだろうし。体感するリアルなライヴをやりつつ、それをオンラインでも同時に配信するとか。
それ、すでにやってたんですよ。YouTubeチャンネルを作ってやり始めたところに、このコロナが起こって。チケット代は無料で200人くらい入れて、6バンドくらい出てもらって、カメラも4台回して、人件費とかの経費は持ち出しになるんだけど、まずはチャンネル登録者を1,000人することを目標にやり始めた矢先だった。
篠塚
会社的には終息後にオンラインでもやるとか考えてないんですか?
考えておくっていうくらい。でも、自分自身の考えとしては、やっぱり現場での生の音楽が一番素晴らしいと思ってるんですよ。それを楽しみに来るお客さんを第一としつつ、プラスで配信でもチケット買ってもらって観てもらう。じゃないと、今まで200人集客できていたバンドが、コロナ終息後に同じくらい集客できるようになるまでに3年くらいかかると思うんです。
二位
ちょっとコロナ問題からずれるんだけど、コロナ以前にね、俺、音楽シーンに対して思ってることがあって。オンライン化が進んだり、SNSをいろいろ活用できたりってシステマチックな部分はどんどん発展しているけど、そもそも論として観たいと思うものを作っていかないと意味がない。スポーツだったり、ディズニーランドに比べると、音楽はコンテンツとしてすごい弱くなっていると思うんですよ。特にロックが。そこに危機感を感じてる。例えば、今の状況下で配信ライヴをやると、みんな家にいるから最初はアクセスは伸びると思うけど、いずれ飽きると思うんだよね。だって、YouTubeの中だけでも他に面白いものがいっぱいあるんだから。
篠塚
ゲーム実況やYouTuberのやっていることは面白いですからね。
二位
それってね、30年前にTHE STALINやLAUGHIN' NOSEがやってたことなんだよ。世の中に良しとされないことをバーン!と革命的にやって、若者から支持されたのね。それが今はYouTuberなのかなって。だから、“音楽って数学だよね”って言われるような音楽なんて興味持たれない。チャレンジだったり、冒険だったり、成長というのがロックの原点にはあったはずだから、それが感じられるものだったら配信しても飽きないだろうし、SNSでも話題になると思うんですよ。でも、今、そこの部分が一番薄いなって。それが何よりも問題なんじゃないかな。

OKMusic編集部

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