L→R AKAHIGE(Dr)、MJM(Vo&Gu)、†NANCY†(Syn&Ba&Vo)、NIKE(Gu)

L→R AKAHIGE(Dr)、MJM(Vo&Gu)、†NANCY†(Syn&Ba&Vo)、NIKE(Gu)

【BALLOND'OR インタビュー】
2020年だからこそ
やれるロックを作りたかった

僕のパンクロックは、
心の中の闘いと思っているんです

18年にリリースした『Blue Liberation』(通称青盤)と『BLOOD BERRY FIELDS』(通称赤盤)という連作のミニアルバムに対する反応を含め、バンドの状況がさらに良くなってきたということは関係なかったのですか?

NIKE
僕はそれもあるんじゃないかと感じています。MJMの曲を作るモチベーションは違うところにあるかもしれないですけど、ライヴを通して自分らの曲に反応してくれる人たちがこれだけいるんだってことを目の当たりにした時に、音楽って共有できるんだという気持ちがどんどん強くなっていった1年半ぐらいだったんじゃないかと思うんですよ。ただ、MJMがものすごいスピードで曲を作ってきた時は、正直どの曲も強すぎてキツいと思いましたけど(笑)。今回の曲ってメロディーや歌詞がこれまでで一番強烈で、スタジオで合わせながらギターはパワーコードだけで十分なんじゃないかって思っていました。言ってしまえばなんですけど、コードと歌とビートがあれば成立してしまう。それくらい強烈なパワーを持っている曲たちだと思ったんで、そこでBALLOND’ORとして、どういう出し方をしていくか…2020年に発表するアルバムとして、どれだけ新しいことを詰め込んでいけるかってことを、ものすごく考えながら作りました。

NIKEさんのギターリフがこれまで以上に際立っていて、相当力を入れたんだなという印象がありました。

NIKE
ありがとうございます。曲を作っている時、MJMから“メロディーに絡みついてきてほしい。食らいついてきてほしい”と何回も言われたんです。ただ、メロディーとのアンサンブルをキャッチするまでに結構時間がかかりましたね。結局、歌詞とメロディーを聴きまくるしかなかったんですけど、この曲がどういうメッセージを持っているのか…そして、ギターでどう絡みついていったら、曲の真意を2倍にも3倍にもしていけるのかを考えに抜いて作ったフレーズなんです。だから、今までと作り方が少し違ったかもしれない。ギターを弾こうと思いながら作ったというよりは、歌を聴こうと思いながら弾いたんです。
MJM
いつも一緒に作っているんですけど、そのワンフレーズが出てくるまで朝から夜中までずっとやっていましたね。

MJMさんはなぜそんなにギターに絡みついてきてほしかったのですか?

MJM
ギターだけではなく、各楽器にそれを求めたんですよ。もとになる曲を作ってから、ひとりひとりとアレンジを作り上げるレコーディング前の準備期間がすごく長くて。AKAHIGEくんとはまずビートから始めたんですけど、今回のリズムはシンプルなようで、実はメロディーが一番気持ちよく聴こえるところをふたりでとことん追求したんです。そしたらビートがものすごく強いものになっちゃって、“じゃあそこに乗るギターもベースも強いものじゃないと!”ってなっていたんです。

AKAHIGEさんが冒頭でおっしゃっていたドラムのアプローチに悩んだというのは?

AKAHIGE
そこです。フレーズももちろんなんですけど、レコーディングの時の音色もひとつひとつ試して、やり直してっていうのを繰り返しながら作っていきました。

もちろんシンセも?

†NANCY†
はい。MJMといろいろ話しながらシンセの音色、フレーズに加え、例えば「DIENER」の最初のサンプリングのモジュレーションも、どうやったら人が狂ったように食べている感じを出せるか一緒に考えていきました。
MJM
2020年だからこそやれるロックを作りたかったんです。僕らはロックを聴いてきましたけど、ヒップホップやEDMにも触発されるところもあって、いろいろな音楽を聴きながらいろいろ試していったんですよ。

その作業はどれくらいの時間をかけたのですか?

MJM
3カ月ぐらいかけましたね。
NIKE
ほぼ毎日。
MJM
一度これでいこうと決めたものをやり直したこともあって。そしたら、制作中にNIKE君が2回も交通事故に遭っちゃって。それぐらい集中していたのかなって(笑)。
NIKE
深夜、ボーッとしながら歩いていたのかもしれないです(笑)。でも、なんとか生き延びることができて、作品に命を注ぎ込むことができました。

ようやく作りたいものを混合して出せたとおっしゃっていましたが、それはやっぱり青盤、赤盤でさまざまな可能性をとことん追求した結果というところもあるんじゃないでしょうか?

MJM
それはめちゃめちゃ大きいと思います。青盤と赤盤でやったことって、ジャンルや国で音楽を聴かない自分が好きなものを、どうにか混合できないかってことだったんですけど、それをやったことによってすごく次が見えた気がしたんですよ。次に作るんだったら、さらにもっともっと憧れを詰め込みたいと思いました。

青盤と赤盤では曲のカラーがふたつの作品にパキッと分かれましたが、今回は分ける必要がないくらい混ざっているという印象がありました。ところでタイトルを最初に決めたとおっしゃっていましたが、僕はてっきり「C.R.E.A.M」の歌詞からタイトルをつけたのだとばかり思っていましたよ。

MJM
「C.R.E.A.M」が最後にできた曲なんですよ。全部の曲で言いたいことは言っていると思ったから「C.R.E.A.M」は必要なかったんですけど、すごく好きなメロディーが突然出てきちゃって。そればかり歌っていたらメンバーはバラードだと思ったようで、最初†NANCY†はワルツ風に弾いていたんですよ。NIKEくんもアルペジオを弾いて、AKAHIGEくんもスネアロールっていう(笑)。そんなふうに、みんなドリームポップだと思っていたみたいなんですけど、僕の中では全然違っていたという(笑)。

ハードコアとドリームポップを掛け合わせたような曲になりましたね。

NIKE
曲の全貌を聴いた時は、みんなびっくりしました。BALLOND’ORはそういうことがよくあるんですけど(笑)。

僕は曲的にも歌詞的にも「C.R.E.A.M」が今作の核になるんじゃないかと考えているのですが。

MJM
あっ、そうですか。でも、一曲一曲にそういうところがあるんですよ。バンドをやる前から想像していたデストロイとメルヘンが一緒になったら、あるいは激突したら楽しいのにという想いは、確かにBALLOND’ORの目標ではあるから。バランスは違うのですが、どの曲にもしっかり出ていると思います。

なるほど。今作は歌詞もこれまでで一番良くて。ピュアであることとか、ピュアであるものを求めすぎるあまり、傷つきながら戦ってきたMJMさんなのか、それとも誰かの自叙伝なのか。とにかく半生が綴られているように感じられ、涙が出るくらい胸を打たれました。

MJM
「C.R.E.A.M」は完全に自伝ですね。僕、パンクロックは心の中の戦いだと思っているんです。例えば、小中学校時代がそうだったんですけど、クラスのみんなが同じことをしないといけないという雰囲気がある中で、“これは納得がいかない”とか“自分はこう思っているんだけど”とかと言うと先生に殴られたり。中学時代、ちょっと変わった格好をしたり、人と違う音楽を聴いたりしているのがカッコ良いと思っていたんですけど、それをするとヤンキーに殴られたり。自分は自分に正直に生きているだけなのに、どうして!?ってすごく悔しかったんですよ。大人になっていくと、そういう部分を隠して、心の中に閉まっていく。中学3年で“俺は自分の正直な気持ちを隠したまま生きていくのかな? このままじゃすごく汚い人間になる。世の中なんて全部嘘なんだ!”と思った時、自分は社会で絶対やっていけないと思ったんです。でも、その時にBLANKEY JET CITYとかTHE DAMNEDを聴いて“全然やれる! 心を隠さずに曝け出すロックンロールという方法があるんだ。もうこれしかない!”と思えて。それが自分の中ですごい勇気をもらったところなんですけど。もちろん、生きていく上では心を隠さなきゃいけない時もあるけど、音楽の中ではそれをやりたくない。思っていることを全部吐き出したい。そういう意味で、今回自分の中で大きかったのは、1曲目の「DIENER」。

OKMusic編集部

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