【前Qの「いいアニメを見にいこう」
】第29回 サンリオ×テレ東がまたや
ってくれた「ミュークルドリーミー」

(c)2017,2020 SANRIO CO.,LTD. ミュークルドリーミー製作委員会・テレビ東京 こじらせた中年オタクは女児向けアニメにはしりがち。……なんかライトノベルのタイトルみたいな書き出しだな。ともあれ、そんな中年オタク、いわゆるひとつの〈大きなお友達〉のみなさん、この4月からスタートした「ミュークルドリーミー」は見ましたか? エラいもんが始まりましたよ。未見だったら、まだ間に合う。いますぐ、絶対にチェックしておいたほうがいい。
 原作はサンリオ。テレビ東京発のサンリオ関連アニメといえば、古くは「おねがいマイメロディ」シリーズ、近年ではサンリオとセガトイズの共同原作による「ジュエルペット」シリーズと「リルリルフェアリル」シリーズがある。いずれも本来のターゲットである女児はもちろんのこと、〈大きなお友達〉の心をがっつりキャッチしてきた名シリーズだ(個人的には、怒涛のパロディと、ほぼ悪役的な造形をされたエキセントリックな主人公で突き抜けた「ジュエルペットサンシャイン」がイチオシ)。
 今作の製作委員会の座組みは、それら以前のシリーズのどれとも重なっていないし、制作スタジオもスタジオコメットやスタジオディーンではなく、J.C.STAFF。しかしながら、シリーズ構成を「ジュエルペット」シリーズと関わりの深い金杉弘子が担当しており、監督も「映画ジュエルペット スウィーツダンスプリンセス」「ジュエルペット ハッピネス」の桜井弘明が手がけているからか、どこか以前のシリーズと共通した〈匂い〉を感じさせる。〈大きなお友達〉のハートを、ガッチリとキャッチする〈匂い〉を……。ちなみに、桜井が昨年手がけた「まちカドまぞく」に続いて、盟友・大地丙太郎が参加(オープニングの絵コンテ。このオープニングがまた実にキュートでイイ)している点も、私のような「赤ずきんチャチャ」世代的にはうれしいポイント。
 物語の概要は、女児向けアニメの王道路線。明るく元気でちょっぴりスットコドッコイな中学1年生・日向ゆめと、空の上から堕ちてきた不思議なしゃべるぬいぐるみ・みゅーがコンビを組み、ドリーミー王国の女王様(声は井上喜久子!)に夢を叶えてもらうため、ドリーミーストーンを集める。この原稿の執筆時点ではまだ2話までしか放映されていないのだけれども、各話のエピソードでは中学校での学生生活を軸に、恋、友情、部活、謎の敵などなど、盛りだくさんのトピックを扱っていくようだ。
 そんな説明を聞くと、スレた中年オタクは「……普通じゃない?」といいたくなることでしょう。違うんだなあ~。映像で見ると、画面に細やかに詰め込まれた情報の量と、それを煩わしく感じせさない圧倒的なテンポ感、そして、定石からの絶妙なズラシにびっくりするはず。これは圧倒的だと。私は驚愕しました。これぞ匠の技。遊びはあるけど、無駄がない。たまーに贅沢して回らない鮨の店に行くと、絶妙なタイミングで次々と大将が握ってくれる鮨を食べ続けることで、快楽物質が波を描きつつも途切れることなく発生し、脳が蕩けたようになってしまうんですが、それに似てる。いや、マジで。
 というわけで、繰り返す。「ミュークルドリーミー」はいますぐ、絶対にチェックしておいたほうがいい。あなたが誇り高き〈大きなお友達〉であるならば。……自分で書いておきながら「何言ってんだ、コイツ?」という気持ちもしてきたが、まあいいや。では、そんな感じで、また次回!

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