(C)テレビ朝日/AbemaTV,Inc.

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【芸能コラム】ドラマ「M」 アユ役
の安斉かれんは“リアル歌姫”になれ
るのか…?

 歌姫・浜崎あゆみが誕生するまでと、そこに秘められた恋人との出会いと別れを描く、テレビ朝日×AbemaTV共同制作ドラマ「M 愛すべき人がいて」(毎週土曜午後11時15分~)。そのセンセーショナルなストーリーと同時に注目を集めるのは、福岡から上京し、トップスターに上りつめるアユ役を演じる歌手の安斉かれん。ほぼ無名ともいえる安斉は、本作を通して“リアル歌姫”になれるのか…?
 本作は、浜崎とかつての恋人であるエイベックス松浦勝人会長に対するインタビューを基につづった同名フィクション小説が原作で、アユ役を安斉、音楽プロデューサー・マサ役を三浦翔平が演じる。
 そして、ドラマ「奪い愛、冬」(17)のドロ沼恋愛劇で話題を集めた鈴木おさむの脚本により、くせの強いキャラクターたちが躍動するドキドキハラハラが満載のジェットコースター・ラブドラマに仕上がっている。
 主演の安斉は、「ポスギャル(ポストミレニアルギャル)」と呼ばれる次世代型ギャルの一人で現在二十歳。幼少期からアルトサックスやエレクトーンなどの楽器に親しんだり、父親とザ・ローリング・ストーンズのライブを見に行ったりするなどの音楽好きで、高校1年生のときに歌のレッスンを開始。昨年5月にファーストシングル「世界の全て敵に感じて孤独さえ愛していた」で歌手デビューを果たすと、続けて3曲をリリースした。
 そのビジュアルや、孤独を感じながらも自分を信じて強く生きる気持ちを歌った楽曲は、浜崎のデビュー当時とシンクロしており、アユ役に決定すると「あゆに似てる」「楽しみ」と期待の声が上がり、4月18日に第1話が放送されると「あゆに激似」「歌もうまい」「他と違うオーラはまとってるんじゃないかなぁ」と好感の声が多数寄せられた。その上、ドラマ名もTwitterの日本トレンド2位、世界トレンド10位にランクインするほどの大反響を呼んだ。
 しかし、注目度が高くなることは必然の本作の主演に、一般的な知名度がほとんどない安斉が抜てきされたのはなぜか…? テレビ朝日の服部宣之プロデューサーは「この企画を進めるに当たり、アユ役をどなたに演じていただくかが最大のポイントでした。そんな中、ポスギャルとして多くのファッションメディアに登場する安斉さんのことを知り、その瞳の力強さを見たときに、この方に懸けてみようと思いました」と説明する。
 また、「ドラマは平成の歌姫誕生物語ですが、撮影は安斉かれんの成長物語や、リアル歌姫誕生の物語といった、いわばドキュメンタリーだとも思っています」とも語った。
 そう、名もなき少女が歌姫に成長するまでを描いた作品からは、“リアル歌姫”が誕生することもあるのだ。
 ドラマから誕生した“リアル歌姫”といえば、「雪の華」「GLAMOROUS SKY」など数々のヒット曲を持つ中島美嘉だ。中学卒業後にモデルのアルバイトをしながら歌手を目指していた中島は、レコード会社主催のボーカルオーディションに合格すると、3000人が参加したドラマ「傷だらけのラブソング」(01)のオーディションも勝ち抜いてヒロイン役を射止めた。
 同作では、不良少女だった島崎未来(中島)が、盗作疑惑で業界から追放された元売れっ子音楽プロデューサーの吉村浩輔(高橋克典)に見いだされ、2人で夢に向かって突き進む姿が描かれた。中島は女優デビューと同時に、ドラマ主題歌「STARS」で念願の歌手デビューもかなえ、そのハスキーな美声を持ち味に一気にスターダムに駆け上がった。
 大原櫻子は5000人が参加したオーディションを勝ち抜き、映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』(13)のヒロイン役で女優デビュー。同作は、人気サウンドクリエーターの秋(佐藤健)とデビューを夢見る高校生バンドのボーカル・理子(大原)のうそから始まったラブストーリーで、大原は劇中バンド「MUSH&Co.」として、シングル『明日も』で歌手デビューも果たした。
 以降は、もともと歌も芝居も好きだったことから、音楽、ドラマ、映画、舞台と多岐にわたって活躍している。
 ドラマ「ラヴソング」(16)に出演した藤原さくらは前年、広瀬すず主演のドラマ「学校のカイダン」の挿入歌「Just one girl」などを収録したアルバムでメジャーデビューしているが、知名度を広げたのは同ドラマだった。
 夢破れた元プロミュージシャンの神代広平(福山雅治)が天賦の歌声を持つ佐野さくら(藤原)と出会い、音楽を通して心を通わせ、失いかけた人生を取り戻す姿を描いており、福山と藤原の実年齢26歳差のラブストーリーに注目が集まった。その後のメディア露出はあまりないが、音楽活動に注力し、楽曲は映画やドラマ、アニメにタイアップされるなど、実力を遺憾なく発揮している。
 YUIもメジャーデビューの翌年に映画『タイヨウのうた』(06)で女優デビューし、映画の大ヒットに併せて、その名前が広く認知されることとなった。同作は、難病を抱えるストリートミュージシャンの雨音薫(YUI)が、藤代孝治(塚本高史)との出会いによって命を輝かせていく姿を描いた純愛物語。
 歌姫の誕生物語とは毛色が違うが、路上ライブの経験があるYUIは、主人公と同じ境遇だからこそ「自分でも表現ができるかもしれない」と出演を決意したそうで、撮影中は「自分の主観で演じている感覚があった」と、役と自身がリンクしていたことを明かしている。
 服部プロデューサーに、撮影中の安斉の様子について聞いてみると、「吸収力がすごいです。撮影初日はまだ女優の顔ではなかったですが、3週間ほどで一気に女優さんの顔へ変化しました。感情があふれ出すシーンでは、こちらが声を掛けるのをためらうほどの集中力でリハーサルから気持ちを作っていけるようになり、日々ものすごい進化を遂げています」と感嘆する。
 安斉自身、「初めてのお芝居でとても緊張していますが、自分なりにこの作品がどうやったらより良くなるかをたくさん考えて臨みたいと思っています」と気合十分。
 さらに、撮影が進むと、「演技経験は音楽活動に生きる」という考えに至り、今後は歌手をメーンに、女優業にも力を入れていきたい、と気持ちに変化が表れたのだとか。
 ドラマ初出演で主役を務め、アユと共に、女優として、歌手として成長している安斉。大役に押しつぶされず、令和の“リアル歌姫”としてはばたく姿に期待したい。(錦玲那)

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