L→R  上杉研太(Ba)、藤原“31才”広明(Dr)、渋谷龍太(Vo)、柳沢亮太(Gu)

L→R  上杉研太(Ba)、藤原“31才”広明(Dr)、渋谷龍太(Vo)、柳沢亮太(Gu)

【SUPER BEAVER インタビュー】
ハイライトとなる瞬間を
生み続けたい

悔しさや哀しさと
向き合って今がある

では、ニューシングルの話も聞かせてください。新曲のリリースは「予感」(2018年11月発表のシングル)以来ということでかなり久々ですよね。

柳沢
はい。メンバーで話し合った末、2019年は意図して抑えてたんですよ。それまではコンスタントに作品のリリースが続いてたので、一度じっくり聴き込んでもらう時期があってもいいのかなと思って。同じ都市でライヴハウスとホールの2公演を行なうツアーを初めて組んだり、2019年はライヴにより力を入れてました。

「ハイライト」はメジャー再契約という状況や決断を踏まえて書いた曲ですか?

柳沢
そのつもりじゃなかったですね、当初は。というのも、1年前くらいにもう「ハイライト」の母体はあって、ツアーの合間で少しずつ仕上げていった曲なんです。ツアーを回ってる時、結成15周年に向かう中で改めてSUPER BEAVERがどうありたいかを考えてて…ライヴをしてたからこそなのかな? 目の前の歓声や自分たちが楽しいこと、そういった一瞬一瞬、ハイライトとなる瞬間みたいなものを、これからもどんどん生み続けていきたいと思ったんです。ホールでのライヴも僕らは初めてで、バンドを15年続けてきてまだ新鮮なことがあるのが嬉しくて、やっぱりひとつのハイライトと言える瞬間だったので、感じた想いをしっかり言葉にしておきたかったんでしょうね。そのあとも楽曲は増えていったけど、このタイミングにもっとも相応しかったのが「ハイライト」だったんですよ。

全編でコーラスがグッと映えていたり、いろんなことを経験してきたからこその泥くささと感情が詰まっていたり、どこまでもSUPER BEAVERらしい曲ですよね。

渋谷
インディーズプライドで10年間やってきたわけではないし、メジャーに中指を立ててたわけでもないけど、このタイミングでメジャー再契約というかたちを取ったわけだから、自分たちのスタンスが明確に伝わる曲を一発目に出したかったんです。決してメジャーへ行くことを説明した曲じゃないのに、直接的に言わずとも理由がスッと分かるような。僕らがどんな想いで音楽をやってきたのか、どんなことを今まで選び取ってきたのかを表現できた、“これぞ!”って曲になったと思いますね。SUPER BEAVERはひとつひとつ辿り着いた場所を到達点としてしっかりと味わいつつ、もう一歩先に進むやり方をずっとしてきたので、常に“現在”をハイライトと感じながらやってきたんですよ。そのおかげで、今、「ハイライト」という曲を作れた気がしてます。
上杉
まさに出すべき時に出すことになった感じで、気合いの入った意思表明みたいな曲ですね。メジャーへもう一度行くタイミングにもハマってるし、バンドとしても1月に初めてのアリーナ公演(国立代々木競技場第一体育館)を成功させて、いろいろ話してたところなんですよ。“次はこう動いていきたい”とか。そういう意欲があった上で新しい楽曲を作ると、やっぱり脂が乗ったものになってくる。「ハイライト」はファンとみんなで歌って育てていく曲になりそうなので、早くライヴで演奏したいです。
藤原
バンドを15年やってきて、ここは譲れないという意思みたいなものがメンバー全員に共通してあるんです。「ハイライト」を聴いてもらえたら、それが音からも歌からも伝わるんじゃないかって思いますね。僕らの15年を知ってる方にも、知らない方にも。

楽曲に説得力を持たせるため、演奏面で意識したことはありますか?

柳沢
ひとつ覚えてるのは、アンサンブルのかたちっていろいろあると思うんですけど、あえてキメをカチカチには揃えすぎなかったよね?
上杉
あー、そうだったね。ベースだけリズムを食ってるとか。
柳沢
うん。若干シンコペーション(強拍と弱拍の位置関係を変えてリズムに変化を与えること)してる人としてない人がいたりとか、その混ざり合いでSUPER BEAVERらしいグルーブになるように意識しましたね。ギター、ベース、ドラムがそれぞれ出るところを活かして、サビで合流してガッと結集する感じになるというか。
上杉
各自が自信を持って、ちょっと違うアプローチを意識的にしてるんだよね。
藤原
単純に前作から期間が空いてて、その間も各自が演奏と向き合ってきたので、自然とアップデートされたレコーディングになったとも思います。成長なのかは分からないですけど、柳沢が言ったようなあえて揃えない自由さが味として活きるには、やっぱりひとりひとりの演奏がしっかりしてないとダメですからね。

もうひとつの表題曲「ひとりで生きていたならば」も素晴らしいですね。映画『水上のフライト』の書き下ろし主題歌ですけど、不思議と今の世の中の状況とフィットする部分もある感じがして。

柳沢
ありがとうございます。主題歌に抜擢していただいた映画とのマッチングはもちろん踏まえつつ、今のSUPER BEAVERが歌いたいことを書いたら、結果としてそうなった気がしますね。こうやって日々いろんな状況が変わっていく中でも、変わらず響く部分があって、不思議と噛み合ってしまうのは、特別なことを歌ってるわけではないからだと思うんですよ。大なり小なり自分たちが感じたことを僕らはずっと歌ってて、サウンドメイクとかに関しても何かと試してみたりしますけど、芯にある根本的なメッセージや伝え方は変わってないので。

メジャーと再契約したSUPER BEAVERの覚悟が感じられる曲でもありますね。

柳沢
15年の軌跡と照らし合わせた時に感じたことを書きました。始めは4人だけでやってたバンドだけど、4人だけでここまで来たわけじゃない。そういう想いが詰まってますね。
藤原
「ハイライト」とはまた違ったアレンジにできたのも気に入ってます。
上杉
うん。「ひとりで生きていたならば」のアレンジはストリングスが真ん中にありながら、バンドサウンドで構築していくイメージで作ったよね。今回はストリングスありきで考えていったんですけど、バンドだけで演奏したとしても成立するような、絶妙なラインのアプローチができたと思います。
渋谷
初っ端からいい手応えがあって、歌っててすごく気持ちが乗っけやすかったですね。

「ハイライト」と同じく、「ひとりで生きていたならば」にも《悔しくて哀しくて虚しくて苛立つ》という歌詞が入ってたりして、全ての感情を踏まえて今を表現してるのが印象的でした。

渋谷
そうなんです。僕らの場合、どの曲を取っても人生の縮図的なものになってると思うので、感情の一部を抜粋したような曲ってあまりないんですよ。すごく身近なことを歌ってるけど、実はビジョンが大きいというか。普段の生活にあるミニマムなことこそを人生ととらえてる感じ。それが今回もうまく落とし込めた気がしますね。
柳沢
意識的に入れてはいないですよ。でも、“どうして楽しいことがしたいんだろう?”と考えると、その反対側に“そりゃあ、楽しいほうがいいでしょ!”と思える理由がやっぱりあって、そこは簡単に無視できないんですよね。もちろん、“苦しいことも味わっていこうよ”と言いたいわけじゃなく、できれば楽しいことだけを選んでいきたいですけど、そうもいかないのが人生なので。自分たちの歩みを振り返っても、悔しさや哀しさと向き合ったからこそ今がありますし、しっかり歌にしていきたいです。大嫌いなだけだった過去が今となっては礎のひとつになったと感じたり、少しずつ認識が変わってきた部分も含めて。

そして、3曲目の「まわる、まわる」ですが、この曲を今回セルフカバーした理由というのは?

渋谷
すごく自然な流れだったよね?
柳沢&上杉&藤原
そうだね。
渋谷
メジャーで最後にリリースした『SUPER BEAVER』(2010年10月発表のアルバム)に収録されてる曲が、再契約して最初の盤にも入るのはドラマチックだと思ったんです。10年前の曲ですけど、今の僕らが歌うからこそ、あの頃よりも説得力を増して、別の角度を付け加えた上で歌えるっていうか。それはすごく喜ばしいことですよね。10年前とは違う自分たちを実感できる曲と言ってもいい。
上杉
同じ歌詞なのに重みや深みが増しましたね。あれから時が経ってる分、意味合いが違ってくる。だから、古い曲の感じが全然しないんですよ。「まわる、まわる」はたぶん10年後に聴いても、その時を重ねられるような曲だと思うし、今このタイミングで4人がワーッと熱くなれたのも大切な気がします。国立代々木競技場第一体育館でのライヴで演奏したんですけど、あの盛り上がりのままパッケージすることになったのがすごくリアリティーがあるので。
藤原
ずっとライヴでやり続けてきた曲だし、今後も絶対に演奏していく曲なので、単純にこの機会に知ってもらえたら嬉しいですね。
柳沢
自分たちの曲ながら、やっぱりいい曲だなと改めて感じて、それが嬉しかったですね。音楽の聴き方も音楽を取り巻く環境も変わってきてたりしますけど、僕らはインスタントなものを作ろうとしてきたバンドじゃないし、一瞬の刺激を目指してきたわけじゃないから。願わくば、ずっと聴き続けられていく曲でありたいんです。友達がふとカラオケで入れて久しぶりに聴いた時、“やっぱりいい曲だな”と思っちゃうようなね(笑)。

メジャーを離れたタイミングの作品だし、苦しい状況の中で書いた曲なのかなと思ったりもしましたが。

柳沢
でもね、この曲はトンネルをひとつ抜けかけてた感じかな? セルフタイトルをミニアルバムに冠してたように、SUPER BEAVERを取り戻すモードというか。ある種の清々しさが漂ってるくらいで。だから、特にフィルターがかかってなくて、とても素直に書けた楽曲なんです。
渋谷
あの頃もスタジオで“いい曲だな!”って盛り上がってたよ(笑)。もう10年も経つのに、不思議とずっと忘れられない曲なんだよなー。《数年先の僕は何を手にして、また無くしてるの?》って歌ってるんですけど、その数年先に今の僕たちは来ちゃってるから。何と言うか、曲の懐の深さ、ふくよかさをすごく感じてますね。もちろん、当時も純粋に100パーセント感動してた。でも、今となっては120パーセント感動できるみたいな。そこまで計算してたわけじゃないのがまた面白くて。曲が進化してるんですよ。知ってしまったことを曲に落とし込めてると言いますか、今のSUPER BEAVERが表現できる自分たちの歩みや想いがこのセルフカバーにも入ってると思います。

取材:田山雄士

シングル「ハイライト / ひとりで生きていたならば」2020年6月10日発売 Sony Music Records
    • 【初回生産限定盤】(2CD)
    • SRCL-11496~7
    • ¥1,900(税込)
    • 【通常盤】(CD)
    • SRCL-11498
    • ¥1,300(税込)

『SUPER BEAVER 15th Anniversary 第2弾ツアー 続・都会のラクダ TOUR 2020 ~ ラクダの前進、イッポーニーホー ~』

9/05(土) 香川・高松festhalle
9/06(日) 香川・高松festhalle
9/10(木) 福岡・Zepp Fukuoka
9/11(金) 福岡・Zepp Fukuoka
9/18(金) 新潟・新潟LOTS
9/19(土) 新潟・新潟LOTS
9/26(土) 広島・BLUE LIVE広島
9/27(日) 広島・BLUE LIVE広島
10/10(土) 宮城・仙台ゼビオアリーナ
10/11(日) 宮城・仙台ゼビオアリーナ
11/02(月) 大阪・大阪城ホール
12/06(日) 愛知・名古屋ガイシホール
12/08(火) 神奈川・横浜アリーナ
12/09(水) 神奈川・横浜アリーナ

SUPER BEAVER プロフィール

東京出身4人組ロックバンド。メジャーデビューから自主レーベル設立まで様々な経験をしつつも、 [NOiD]に所属してから人気が再熱。2018年4月30日には、日本武道館での単独公演を開催し、即完売で約10,000人を魅了した。同年6月30日には2年ぶりとなるフルアルバム「歓声前夜」をリリースし、過去最高のセールスを記録。ツアーも全公演即日完売。インディーズバンドながら、カンテレ・フジテレビ系10月連続ドラマ「僕らは奇跡でできている」の主題歌に「予感」が抜擢。2019年3月よりバンド初となるホール公演を含む全国ツアーを開催し、全公演ソールドアウトを記録。2019 年11 月には、神戸ワールド記念ホール 2Days と2020 年1 月に国立代々木競技場第一体育館でのワンマン公演も即完売。4月8日にメジャー再契約を表明し、ニューシングル「ハイライト / ひとりで生きていたならば」のリリースを発表。2020 年9 月からはライブハウス、ホールをワンマンで周り、さらに仙台ゼビオアリーナ2Days、大阪城ホール、日本ガイシホールとアリーナ公演も決定。12 月にはツアーファイナルとして横浜アリーナ2Daysを控えている。今最も注目のロックバンド。SUPER BEAVER オフィシャルHP

「ハイライト」MV

OKMusic編集部

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