TUBEのオリジナル作で最高売上の『Bravo!』で“やっぱりこの人たちはすげぇ!”と素直に脱帽

TUBEのオリジナル作で最高売上の『Bravo!』で“やっぱりこの人たちはすげぇ!”と素直に脱帽

TUBEのオリジナル作で
最高売上の『Bravo!』で
“やっぱりこの人たちはすげぇ!”
と素直に脱帽

メロディーとヴォーカルの強度、
半端なし!

これは実によくできたアルバムだ。収録曲はどれもこれもJ-ROCKとして申し分のない出来栄えと言っていいだろう。ラテン、HR/HM、ソウルと多彩な要素が入っており、しかもそれらはその雰囲気を湛えただけのような“なんちゃって”ではなく、いずれもかなり本格的である。それでいてまったく衒学的でもないし、スノッブな空気感は欠片もない。南国感であったり、洋楽的なダイナミズムをおおよそ違和感なく自らのサウンドに取り込んでいる。案外見落としがちなところだが、それは素晴らしいと思う。では、どうしてそういうことができるのか? 結論めいたものを先に言ってしまうと、これはメロディーとそれを司るヴォーカリゼーションの強度によるものであろう。簡単に言うと、春畑道哉(Gu)の作る旋律と前田亘輝(Vo)の歌が、何がどうあってもまみれないというか、隠れないというか、ものすごくぶっとい幹として楽曲の中心に存在しているのである。

テンポがミドルより緩やかなものを例に挙げると、それが分かりやすいと思う。具体的には、M2「Purity」、M4「もどり道でも…」、M10「君へのバラード」、M11「そんなもんさ」辺りだが、とにかく親しみやすい。サビは2度も聴けば頭にインプットされるほどに大衆性があると思われ、初めてその楽曲を聴いたとしてもオーラスのサビは口ずさめてしまうほどでなかろうか。俗に言うJ-POPの王道と呼んでいい抑揚であり、仮にこれらの楽曲がTUBEのものでなくともヒットしていたのではないか──そう思わずにいられないメロディーだ。そのヒットポテンシャル十二分のメロディーを、もし民謡を歌ったとしても童謡を歌ったとしても、どんな歌でもそれが完全に自分のものにしてしまう、押しの強~いヴォーカリストが歌うのである。インパクトが弱いことがあろうはずもない。大事なことなのでもう一度書くが、このJ-POPのど真ん中を何も臆することなく堂々と闊歩している歌──『Bravo!』を聴いた限りでも、これがTUBEの最大のポイントであり、最強の武器であると断言してもいいと思う。

M1「Bravo!」はサンバである。アルバムオープニングからいきなりのラテンフレイバー。しかも、先ほども述べた通り、これがなかなかの本格派だ。ちゃんとしている。ブラスも入るし、パーカッシブなリズムが全体を支えているし、コーラスも何かいっぱい人がいる感じで賑やかだ。しかしながら、そこでの中南米の匂いは薄い。例えるなら、夏の日本の海辺というよりもアトラクション施設のプールといった感じだ(失礼な物言いに聞こえたら謝ります)。シングルナンバーでもあったM5「情熱」もそう。こちらはスパニッシュギターが全編に入っていてヨーロッパ系ラテンフレイバーではあって、スチールドラム、ハンズクラップ、ホイッスルなどもあしらわれており、これもなかなかカッコ良いサウンドだ。だが、ラテン音楽にありがちなパッションがグイグイと迫って来るのかと言ったら、案外そうでもない。それはテンションが低いとかいう意味ではなくて、アウトロのスキャットがその象徴だと思うが、いい意味でどこか楽天的な雰囲気。マニアックになりすぎないていないのだ。

いわゆるロックチューンも同様。というか、こちらのほうはもともとJ-ROCK、J-POPと相性のいいジャンルなので、よりすんなり歌が乗っている感じだ。ノイジーなギターリフと重いリズムのM3「Born in Japan~extended surf mix~」。Bruce Springsteen由来の系譜と言っていいM6「壊れかけのMy soul」。若干北欧メタルなテイストが感じられなくもない(ていうか、ストレートに言えばEUROPEっぽい)M9「Make your motion」などがそれで、いずれもサウンドはそれっぽいが、もともとレンジも広くて声量がある前田のヴォーカリゼーションはそこに合わないはずはない。彼のハイトーンのシャウトは本職のHR/HMを凌駕せん勢いである。TUBE楽曲内でぶっとい幹であることはもちろんのこと、どこへ出してもまったく見劣りのしない存在感なのである。30秒間、あるいは15秒間でどれだけのインパクトを与えることができるかが重要なCM業界、TV業界において、そんな前田&春畑の制作する楽曲が放っておかれるわけもない。『Bravo!』収録曲はその全てタイアップが付いたと前述したが、“そりゃあそうだよなぁ”と納得、いや脱帽せざるを得ない内容なのである。

OKMusic編集部

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