L→R 鈴木慶一、KERA

L→R 鈴木慶一、KERA

【No Lie-Sense インタビュー】
3rdアルバムで素晴らしいものを
作らないと本物じゃない

ムーンライダーズの鈴木慶一と有頂天のKERAが“さほど意味のない音楽をやろう”と結成したユニット・No Lie-Senseが新作『駄々録〜Dadalogue』をリリースする。キャリア十分のふたりのアーティストがその体内にどうしようもなく染み込んだポップセンスを稀代のユーモアでアレンジ。唯一無二の音楽とは、おそらくこういうアルバムのことを言うのだろう。

2作目を超えられるかどうか
プレッシャーがあった

1stアルバム『First Suicide Note』(2013年11月発表)、2ndアルバム『JAPAN'S PERIOD』(2016年4月発表)はナゴムレコードからのリリースでしたが、今作『駄々録〜Dadalogue』はそこに加えて日本コロムビアとBETTER DAYSの名前があります。

鈴木
ナゴムとBETTER DAYSのダブルネームなんですよね。

つまり、No Lie-Senseは今回メジャーデビューでしょうか?

KERA
そっか、メジャーデビューか! なんか懐かしい響きだなぁ(笑)。

おふた方とも何度かメジャーデビューを経験されていると思いますが、今回の心持ちはいかがでしょうか?

鈴木
まぁ、いつも通り作ってはいる…が、何か期待感はありますよね。
KERA
制作過程はまったく同じですけどね(笑)。メーカーさんのほうから少しは注文なり、要望なりがあるのかと思ったら何にもなかった(笑)。

慶一さんには若干プレッシャーがありましたか?

鈴木
メジャーとかそういうのとはまた別のところで、2ndを超えられるかどうかというプレッシャーはあった。そしたらKERAから連絡があって、2ndをもう一度聴いてみてくださいって。
KERA
それは僕もそう。
鈴木
そっちのほうが大きかったですね。

セールス面ではなく、内容面でのプレッシャーがあったかなと。

鈴木
うん。自分は日本コロムビアとはTHE BEATNIKSとかコロムビア・シンフォネット(『The Diggers : Keiichi Suzuki & Takashi Okada loves Sound Archives 01 Spotlight on the Columbia Symphonette 〜鈴木慶一・岡田 崇、コロムビア・シンフォネットを探る〜』)でお付き合いはありますけど、それ以前はあまりなかったんです。ムーンライダーズの30周年の時の野音のライヴ映像(2009年11月発表の『MOONRIDERS 30th Anniversary Live』)を出していただいたり、仕事はしてますけどね。

そもそも今回は3rdアルバムを作る話が先だったんですか? 日本コロムビアからのリリースの話が先だったんですか?

KERA
いえ、まず3rdアルバムを作ろうという話があって…
鈴木
で、ちょっとコロムビアさんにおうかがいを立ててみようかと(笑)。そういうことでスタートして、去年の8月にシングル用に2曲録って…物を作る時は長い計画になるので、今年3月に行なわれるはずだった『RECORD STORE DAY』というイベントに、そのアナログの7インチを出そうという計画があったんです。まぁ、他にもあと数曲、断片だけを録ってたけどね。それから3カ月間休みに入って、12月に再び制作を始めたと。3カ月間経っちゃうとそれまでの作業を忘れちゃったりするんで、記憶を引っ張り戻して。その時になると、もう前作を超えられるかどうかのプレッシャーなんて考えてなかったけどね。2曲作っちゃってたんで。

No Lie-SenseはもともとKERAさんが“一緒に何かやりませんか?”と慶一さんを誘ったということですけど、今回の再始動もKERAさんから?

KERA
慶一さんがTHE BEATNIKSの終わった頃、“次はNo Lie-Senseかな?”みたいな話をしていたと聞いて(笑)。そろそろかなって。
鈴木
KERAもいっぱいバンド、ユニットを抱えてますし、私もそうなんですけど、やり続けることが大事なんで。あと、ユニットっていうのは解散がないからね。喧嘩別れしたら分かんないけど、解散はないと思う。

慶一さんの中で“そろそろNo Lie-Senseを始めるかな?”といった時期が来たわけですね。

鈴木
そうね。そういうのって、THE BEATNIKSもいろんなバンドも含めて、タイミングは何となくなんだよ、実は。きっちりと“よし、○日に始めよう!”とかいうことじゃなくて、スタートは何となくで、始めようと思うと段々と決まっていく。そういうことでしょうね。

KERAさんにもそうした“No Lie-Senseを始めるタイミングかな?”みたいな感じはありましたか?

鈴木
KERAはこの間にいっぱい出してるからね。ソロを出して、有頂天を出して…だよね?
KERA
ケラ&ザ・シンセサイザーズが止まっちゃってるので、No Lie-Senseの前作を出したあと、ソロアルバムを2枚と有頂天を1枚出してるから、何となく次はNo Lie-Senseの順番…ということですね(笑)。さっき慶一さんもおっしゃいましたけど、この3rdの制作に入る前に2ndを聴き直してみたんですよ。細部は忘れてたんですけど、かなり強烈で。“もしこれが自分のアルバムじゃなくて他人のアルバムで、何にも知らない状態でこんなのを聴いたら、しばらくは“すごいすごい”と騒いでるだろうな”って思ったんです。で、慶一さんに“聴き直してください、すごいから”って連絡した(笑)。
鈴木
そうそう。で、私も2ndを聴いてみた。3rdを作る時のプレッシャーを共有しようということで(笑)。
KERA
“ちょっとでかい音で聴いてみてください。これはものすごいアルバムだから”って(笑)。自分たちが作ったものを“聴いてみてください”って言うもの変なんだけど。

KERAさんにとっては“すごいアルバムを作っていたんだな”と確認するところから3rdアルバムの制作がスタートしたわけですね。でも、それって先ほど慶一さんがおっしゃった通り、まさにプレッシャーだったでしょうね。

KERA
1stはまだ手探りな感じがあった。で、2ndは思いきって次に行けちゃう場合と、まだ1stの進化系、あるいは二番煎じみたいな感じの場合があると思うんだけど、我々は結構行くとこまで行っちゃった。ジャケットを含めて。
鈴木
そんで、KERAが“3rdアルバムで素晴らしいものを作らないと、それはバンドでもユニットでも本物じゃない”って言って(笑)。

3rdアルバムはNo Lie-Senseにとって試金石となるものにしなければいけないという気持ちがあったんですね。

KERA
ありましたね。ただ、そう思いながら作ったからといっていいものができるとは限らないし、結局作っている間は前作のことなんか忘れちゃってるんですけどね。No Lie-Senseってどうしても世間的には余暇、余技というか…このふたりが息抜きで戯れてるみたいな印象を持たれがちのユニットなんですよ。1stアルバムの時なんかは“これは一枚限りなんだろうな”と思っていた人が多いんじゃないかな? でも、僕らは“最低3枚はやりましょうね”って言ってて。

あっ、当初からそういう話があったんですか?

KERA
ええ。最低3枚はやりたいと。コロムビアさんにもまずは“企画ユニットじゃないんだ”っていうことをお伝えして。
鈴木
うん。そこは言ってたね。
L→R 鈴木慶一、KERA
アルバム『駄々録 〜 Dadalogue』【CD】
アルバム『駄々録 〜 Dadalogue』【LP】

OKMusic編集部

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