Ran

Ran

【Ran インタビュー】
自分自身に向き合って
嘘のないものを詰め込めた

人の感情に触れる歌を、
私にしか表せない言葉で歌いきたい

「蘇生」は軽やかなバラードですが、《僕変わりたいから息させてください》というフレーズが前半と後半で意味合いが変わり、どんどん前向きになっていく展開が印象的です。今のRanさんはこの曲のように前向きですか?

今、前向きに生きているかと言われたら違いますね。生きていく中で受け入れられないことがたくさんあるし、そもそも私は受け入れ方が分からないから歌っているのだと思います。この曲は言葉がずっしりくる反面、アレンジを担当してくれた永井聖一さんの独特な空間系ギターがさわやかになっているので、耳触りが良く、初めて聴いてもすっと入ってくると思います。

「悲劇ごっこ」はタイトルも皮肉めいていて、明るい曲調とヒリついた歌詞のコントラストが楽しめます。

これは歌うのにもパワーがいる曲で、自分の中に生まれた感情を一字一句忘れないように作ったのを覚えています。作っていた時のパワーを活かしてバンドサウンド+打ち込みを多用したアレンジに仕上げてもらいました。

4曲目の「靡かない」は愛する人を知りたくて求めるけれど、それに振り向いてもらえない切なさを“靡かない”と表現しているところが素敵だなと。

“カーテンが風に靡く”ということと、曲に出てくる人が重なって“靡かない”というフレーズが生まれました。

誰かを想うことの儚さも表現されていて、Ranさんの歌声もいっそう繊細に届きますが、歌唱面で意識したことはありますか?

楽曲のイメージと歌をどこまでリンクさせられるかというのは、こういった繊細な曲で特に考えることで、「靡かない」だけに限らず“この曲の主人公になる”ということをいつも意識しています。

リズミカルな「環」は人と関わる中で感じた孤独が綴られていますが、Ranさんは他人と自分との間に隔たりや溝を感じる時期は長かったですか?

長かったですね。むしろ、今も続いていると思います。でも、愛情を受け取った時には少しだけ隔たりがなくなったように感じることもあって。ずっと敏感でいるとつらかったり悲しくなったり、思い詰めたりしてしまうことが多くなりますが、その中で誰かが私を認めてくれるというか、受け入れてくれる時の気持ちを「環」で表していると思います。「環」は友達が言ってくれたひと言に心が軽くなった経験から生まれた曲で、その子のような曲になりました。

「ご飯の食べ方」の歌詞に《4/1 am2:15》とあるように、夜中のテンションだからこそのなんでもできそうな無敵感がありますね。夜中に楽曲を作ることは多いですか?

夜中が多いです。寝る前にダーッと録音して、起きた時に改めて聴いて“なんだこのダサい曲は…”となることが多いです(笑)。

この曲でRanさんの素直な本音も綴られていると思っていて、《僕の生き方をいま君らとともにつくっているんだ》《僕を信じてくれ》というフレーズはファンに向けた想いでもありますか?

そうですね。未だ見えないこれからのことをどのように描いていくのか、希望も含めての言葉です。

今作の制作やレコーディングで新たに発見したことや、印象に残っていることはありますか?

初めてのことばかりで無知さを痛感しました。アレンジが今の一番の課題というか。今まではどんなサウンドにしたいかを考えず、わがままに曲を作ってきたので、曲にするっていうところにもう少し焦点を当てて制作していきたいです。

今作は全体的にバラードやポップな楽曲が多く、Ranさんの直向きな一面はもちろん、逆に隠された苦しみ、刺々しい部分を感じる瞬間もありました。デビュー作でご自身のどんな部分を表現できたと思いますか?

先ほど言ったこととも重なりますが、“自分を醜くさせるもの”や“変化することが怖いこと”など、自分自身に向き合って嘘のないものを詰め込めたと思います。また、アレンジャーさんに参加していただいたところもあり、さまざまな音色を彩っていただきつつも、最後はそれがひとつにまとまったと感じています。

デビュー作であり、10代最後のミニアルバムでもありますが、歳を重ねてもアーティストとして大事にしていきたいものは何ですか?

自分に起こる出来事や五感から受け取ったもの、文章や映像から感じたことをどう噛み砕いて曲にしていくかということにはいつまでも貪欲でいたいです。人から生まれる感情のひとつひとつに触れる歌を、私にしか表せない言葉で歌っていきたいと思います。

取材:千々和香苗

ミニアルバム『無垢』2020年8月5日(水)発売 Eggs
    • EGGS-046
    • ¥ 1,650(税込)
Ran プロフィール

ラン:福岡県出身、2000年生まれのシンガーソングライター。幼少期より音楽と触れ合うことが好きで、中学3年生の時に観た映画をきっかけにヴォーカルスクールに通い、ギターとソングライティングを始める。20年2月より音楽配信アプリ『Eggs』にて楽曲をアップロードし、Eggs内での総再生回数は74,000回超えを記録した。Ran オフィシャルHP

「蘇生」MV

「ご飯の食べ方」MV

OKMusic編集部

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