奇跡の豪華キャストによる圧巻のパフ
ォーマンス! 『SHOW-ISMS』より「
Version DRAMATICA/ROMANTICA」が満
を持して開幕

2020年7月20日(月)、小林香演出の『SHOW-ism』シリーズが誕生してからちょうど10年が経ったこの日、東京・シアタークリエで本シリーズの集大成とも言える『SHOW-ISMS』の幕が開いた。
『SHOW-ism』は演出家・小林香による独創的な世界観をミュージカル、歌、ダンス、ストーリーといった華やかなエンターテインメントで贈る人気シリーズだ。新作として上演予定だったSHOW-ismIX『マトリョーシカ』は新型コロナウイルス感染拡大の影響で公演中止となったが、今回は演出・構成を刷新し、『SHOW-ism』シリーズの歴代豪華キャストが集結。「Version DRAMATICA/ROMANTICA」と「Version マトリョーシカ」の2バージョンで上演されることとなった。本公演は劇場のみならず、ストリーミング配信で全国へと届けられる。
まず、初日を迎えたのは「Version DRAMATICA/ROMANTICA」。初日公演の直前に行われたゲネプロの模様をレポートする。
約4ヶ月ぶりに、シアタークリエの扉が開かれた。客席に足を踏み入れると、開演前からオーケストラの音が漏れ聞こえてくる。どうやらオーケストラピットは上手袖の中に設置されているようだ。暗転と共にステージ上に演出・小林からのメッセージが映し出され、『SHOW-ism』の10年の歴史を映像と共に振り返る。
井上芳雄を筆頭に、彩吹真央、J Kim、知念里奈新妻聖子らが舞台上に現れた。2010年の初演からずっと変わらない『DRAMATICA/ROMANTICA』のキャスト陣だ。通称“ドラロマ”は『SHOW-ism』シリーズの記念すべき第一作目であり、バージョンを変えながら過去に三度も上演されてきた人気作。本公演では「Show Must Go On」(映画「ムーラン・ルージュ」より)、「Cinema Italiano」(映画「NINE」より)、「Listen」(映画「ドリームガールズ」より)といった聴き応えたっぷりの楽曲が次から次へと披露された。
中でもメドレー2020は圧巻。J Kimのソウルフルな「サークル・オブ・ライフ」、力強く情熱的な新妻の「ラ・マンチャの男」、彩吹を中心にビートに合わせて激しく歌い踊る「You Can’ t Stop The Beat」、井上&知念&J Kimの3人が甘く切ない歌声を響かせた「Something More」、新妻&知念のリトルコゼットによる「雲の上のお城」、さらに「夢やぶれて」、「メモリー」など、ここにはとても書ききれないほどたくさんの名曲が詰まった珠玉のメドレーだ。
“ドラロマ”名物(?)のトークコーナもお楽しみに。黒一点の井上が中心となって、笑いの絶えないトークが展開される。トーク中に楽曲紹介もあるので、“ドラロマ”初心者でも安心して楽しめるだろう。

“ドラロマ”後半はガラッと雰囲気を変え、全員純白の衣装に身を包み、眩しいほどのパフォーマンスを披露してくれた。
5人による“ドラロマ”のショーが終わると、井上と彩吹のみが舞台上に残り『∞/ユイット』へ。『∞/ユイット』はSHOW-ism VIIIとして2015年に上演された、とあるパリのホテルを舞台にした大人なエンターテインメント作品だ。
パフォーマンスの前には、『∞/ユイット』の出演者の一人である蘭寿とむからの動画コメントも紹介された。井上はイタリアのジゴロ、彩吹はパリからイタリアへやってきた娘となり、「マンボ・イタリアーノ」で華麗な歌とダンスを披露。つかの間の『∞/ユイット』の世界を堪能することができた。
そして注目の新作ミュージカルスケッチ『マトリョーシカ』は、「Version DRAMATICA/ROMANTICA」ではショー形式で上演された。まだ本編を上演していないということもあり、『マトリョーシカ』キャストの美弥るりか、平方元基、夢咲ねね、樋口麻美、下村実生、今拓哉、保坂知寿らが舞台上に登場し、ストーリー解説や自己紹介をするところから始まった。主演の美弥は、2019年に宝塚歌劇団を退団してから外部での舞台出演は本作が初となる。
『マトリョーシカ』の舞台は現代日本。野原高校夜間コースに赴任してきたバンビ先生(美弥)と、それぞれに悩みを抱える生徒たちの青春物語だ。本公演では、作中から書き下ろしオリジナル楽曲3曲含む計4曲が披露された。バンビ先生(美弥)が生徒への想いを込めて歌う「月明かりの下で」、ヌーボ(平方)とおやっさん(今)の男同士の友情を描く「Empathy1」、のりちゃん(保坂)、番長(樋口)、のぞみ(下村)、モモ(夢咲)、バンビらによる女性への応援歌とも言える「Empathy2」。そして、バンビ演じる美弥の指揮に合わせて歌う「翼をください」だ。
この数曲の披露の中で一人ひとりの役柄が滲み出て、物語としての筋が見えたのは演出と役者の力だろうか。『マトリョーシカ』という作品が立体的に存在していた。
本公演の最後は、出演者全員での「Hallelujah」大合唱。総勢12名の歌声はエネルギーに満ち溢れ、弾ける笑顔が眩しかった。上演時間は休憩なしの1時間50分。最高のエンターテインメントがギュギュッと凝縮された濃密な時間を過ごすことができる。配信チケットは各配信回の終演まで購入可能だ(アーカイブ・見逃し配信等はないのでご注意を)。昨今悲しいニュースが続いている演劇界だが、そんなときだからこそ、エンターテインメントが持つ力を信じたい。
取材・文・写真 = 松村蘭(らんねえ)

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