fox capture plan、“配信ライブだか
らこそ”な魅力が詰まった一夜をレポ
ート MCとして小手伸也のサプライズ
出演も

fox capture plan Livestreaming

2020.7.24
現在は多くのバンドやアーティストがコロナウイルスの影響を受け、従来の形のライブを断念せざるをえない状況になってしまっている。fox capture planも例外に漏れず、今年3月以降のライブは全て中止/延期に。しかしながら、彼らはあいかわらずコンスタント、かつハイペースで楽曲を世に送り出し続けている。
まず、3月には劇伴を担当したTVアニメ『スタンドマイヒーローズ PIECE OF TRUTH』のサウンドトラックを発売。5月13日には、Survive Said The Prophetのボーカリスト・Yoshを迎えた「Curtain Call」、6月24日にはフレンズのメンバーとしても活動しているおかもとえみとの「やけにSUNSHINE」といったコラボ楽曲や、クリエイティブ・ユニットkolmeと制作した「See you feat. fox capture plan」を配信(これらの楽曲を含め、3人が制作及び参加したボーカル曲をまとめたプレイリスト“fox capture plan with vocalists”がSpotifyで公開されているので、そちらもぜひ)。さらには、現在公開中の映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編』のサウンドトラックの発売に、8月公開の映画『事故物件 恐い間取り』、9月放送予定のドラマ『一億円のさようなら』の劇中音楽も担当することを発表……と、とにかく話題に事欠かない状況だ。
新曲やサウンドトラックの発表は続いていたが、やはり生で演奏している彼らが観たいというもの。そんな中、7月24日(金・祝)に、初の無観客ライブ配信『fox capture plan Livestreaming』が開催された。このライブ映像は、8月2日(日)23:59までアーカイブ配信を実施しており、期間中であれば誰でもチケットを購入し視聴することができる。なお、ここからはネタバレを含んだ当日のレポートをお届けする。
小手伸也
定刻。画面が3人のオフィシャル写真からこの日のライブ会場に切り替わると、そこにいたのは、ドラマ『コンフィデンスマンJP』の“五十嵐”こと、俳優の小手伸也。この日のスペシャルゲストMCとして、小手が岸本 亮、カワイヒデヒロ、井上 司の3人をステージに呼び込む。しばらく4人で会話を楽しんだ後、小手がライブタイトルをコール。この日のライブがスタートした。
軽く音を鳴らして呼吸を重ね合わせていく3人。そして、4カウント。クールでありながらも、勢いよく音が飛び出してくる。1曲目は「Greatest Blue」だ。グランドピアノを奏でつつ、エフェクターで飛び道具的を音も放ちまくる岸本に、ときに弓を使って楽曲に彩りを与えていくカワイに、タイトかつアグレッシブなビートで爆発力を生み出していく井上にと、各々の熱量がとにかく凄まじい。曲を終えると、間髪入れずにパワフルなビートを井上が叩き始め、そのまま「Acceleration」へ。ラグジュアリーな雰囲気のあるステージの至る所に置かれている暖色系の電球が明滅を繰り返す中、続けてカワイが「We Are Confidence Man」のイントロを弾き始める。3人のソロパートもたっぷりで、序盤から見せ場のオンパレードだ。
fox capture plan
この日のセットリストは、現時点での最新オリジナル作である『CAPTURISM』収録曲や、「衝動の粒子」「Time to think」といった活動初期に発表されたライブの定番曲など、全11曲を披露。岸本がキーボード、カワイが5弦エレキベースを操った「夜間航路」では、青色の照明がステージをスタイリッシュに包み込むと、井上のドラムソロからなだれ込んだ「Paradigm Shift」は、原曲にはストリングスやシンセサイザーの音が入っているのだが、この日はトリオ編成のため、よりストイックなものとして響く。その緊張感のまま突入した超高速の「Capturism」と、息をつく暇もなく極上の演奏が繰り広げられていた。
そんな3人の演奏を切り取っていくカメラワークも絶妙だった。演奏の都合上、3人は定位置から動けない(とはいえ、テンションが高まった岸本が椅子から立ち上がる瞬間は何度もあった)のだが、据え置きのカメラをスウィッチングしていくだけでなく、背中越し、楽器越し、メンバー越しにと様々なアングルから3人の姿を捉えていて、かなり臨場感のあるものになっていた。なかでも嬉しかったのが、各メンバーの手元のアップ。延々と繰り出され続ける凄まじい技巧の数々を、最前席よりも近い距離で堪能できるというのは、なんとも贅沢だった。
fox capture plan
fox capture plan
そしてなによりも驚かされたのが、これだけ強烈な演奏を続けながらも、MCをほとんど挟まなかったということ。曲間もほとんどなく、60分ほぼぶっ通しというタフなセットリストで自身のスタイルを提示していくさまはとにかく清々しく、モニター越しからもそこで生まれている熱がはっきりと伝わってきた。ようやくMCが挟まれたのは、残すところあと1曲のみとなった場面。観てくれた人達に感謝の言葉を告げると、YMOのカバー「Tong Poo」をアグレッシブに繰り広げてフィニッシュ。オーディエンスによる「88888」や手拍子の絵文字がチャットのタイムラインに溢れた。
興奮冷めやらぬ中、演奏を終えたメンバーは、小手伸也が進行役を務めるトークコーナーへ。「セットリストの決め方」や「曲名の決め方」、「メンバーの好きな曲」に「自粛期間の過ごし方」まで、事前に募集していた質問に和気藹々と答えていく3人だったが、ライブ前日に公開された『コンフィデンスマンJP プリンセス編』の劇伴制作エピソードについても話していた。出演している小手氏が感じた『プリンセス編』と前作『ロマンス編』との音楽の違いや、「音楽が感情を揺さぶって僕らを導いてくれることもあり、かといって前面に出てくることなく、共演者として一緒にお芝居してくれることもある」といった、俳優ならではの視点も非常に興味深く、濃密なトークコーナーだった。

fox capture plan
fox capture plan

とにかく内容の濃い90分間だったのだが、やはり印象的だったのは、3人とも久々のライブをとにかく楽しんでいたこと。無観客ではあれど、バンドとしてライブという空間で音を奏でられる喜びは、この日の演奏からもひしひしと伝わってきた。特に感じられたのが、「Butterfly Effect」。この曲が後半ブロックの起爆剤的な役割を担っていたのだが、井上が叩き上げる人力ドラムンベースが猛然と突き進んでいく中、キメが決まった瞬間に3人のボルテージがグっと高まり、演奏の熱量がより増した場面を、この日のハイライトとして挙げたい。
小手伸也、fox capture plan
また、トークコーナーでは、来年迎える「結成10周年」についてのことも話していた3人。岸本曰く「やっぱり大きいライブはやりたいし、アルバムは出さざるをえない(笑)」とのことで、現在、様々な企画を構想しているようだ。「コロナの情勢でわからないところはあるけれど、配信ライブはまた企画していきたい」とも話していたので、またライブで繰り広げられる3人の演奏も楽しみに待っていたい。

文=山口哲生 撮影=Kayo Sekiguchi

SPICE

SPICE(スパイス)は、音楽、クラシック、舞台、アニメ・ゲーム、イベント・レジャー、映画、アートのニュースやレポート、インタビューやコラム、動画などHOTなコンテンツをお届けするエンターテイメント特化型情報メディアです。

新着