TikTokで注目度急上昇中のロイ- Rö
E-、カバーEP『61Filter』を語る

8月31日にデジタルカバーEP『61Filter』(読み:ロイフィルター)をリリースしたロイ- RöE-。RöEは2020年7月1日〜8月30日まで、TikTokに毎日連続でカバー動画をアップしており、今作はその中からの選りすぐりの楽曲を中心に、「ラムのラブソング」「ひみつのアッコちゃん」などのカバーを収録したものだ。

RöEなりのステイホーム期間、TikTokでカバー企画に取り組んだ理由、それによって見えてきたことなどを聞いた。

Interview&Text_Osamu Onuma
Edit_Miwo Tsuji

「超真面目」に自粛していたステイホー
ム期間

――8月31日にデジタルカバーEP『61Filter』がリリースされました。TikTokでは7月1日から8月30日まで、毎日カバー動画をアップしていましたが、これはRöEさんの発案だったとか。

RöE : 今年の春に緊急事態宣言が出て、レコーディングやMVの収録が全くできない状況になったんですよね。それまでにオリジナル曲をたくさん作っていたし、MVのイメージも膨らませていたのに、何も進められなくなって。そんな時、ちょうど使い方に慣れてきていた『TikTok』で何かやってみようかなと思いました。

――カバー曲だったのはなぜでしょう?

RöE : 自分が影響を受けた曲や好きな曲だけをカバーして、アレンジしてTikTokの尺で載せようって思いついて始まりました。この企画の前、今年のバレンタインに配信した「ラムのラブソング」がTikTokでバズったことも理由の1つですね。
――「ラムのラブソング」は配信後約1ヶ月でTikTokの楽曲使用数25000投稿を超え、人気のTikTokerにも次々に使用されて話題になりました。

RöE : 実は意外と原曲を知らない子も多かったんですよ、あんな名曲なのに!(笑) そういう意味では、今の若い子がもっと昔の名曲を知るきっかけになればいいなと思っていました。私の場合は最新の曲をTikTokで知ることができているので、そのお返しみたいな感じですね(笑)。

――ちなみに、ステイホーム期間中〜最近はどんな風に過ごしていました?

RöE : まず、3月1日に出演予定だった「KANSAI COLLECTION 2020SPRING&SUMMER」が中止になってしまったんです。大阪大好きやし、ファッションショーで歌うのが夢だったのでから衣装も念入りに決めて準備していたんですけど、直前で中止になってしまって……。

――やっぱり落ち込むことも多かったんですね。

RöE : 仕方がなかったですよね。あと、普段から外にいる時がリフレッシュ、家ではずっと制作だったので、休む時間がわからなくなりますね。TikTokの企画の制作は6月から準備をはじめたんですけど、1日1投稿作ろうとするとけっこう大変だから、超真面目に自粛して取り組んでました(笑)。カバーのアレンジだけじゃなくて、動画も作らないといけないから。どんな曲にしよう、どんな動画を作ろうって考えながらこもってましたね。

――ある意味、創作欲求を爆発させて乗り切ったところがありそうです。『61Filter』の企画でカバーしている楽曲はアニソンから少し昔のJ-POPまで幅広いですが、選曲もRöEさんが担当したんですか?

RöE : そうですね。青春時代に友達と聞いていたORANGE RANGEさんの曲もあるし、音楽活動をはじめてから自分の教科書のように聞いていた小島麻由美さん、井上鑑さんの曲もあるし。「自分が影響を受けた曲」というのが一番大切な基準ですね。改めて見返してみると、歌謡曲が多め。そして私自身がいつもカラオケで歌っている曲ばかりです。

「ラムのラブソング」は自分のテーマソ
ング

――『61Filter』にはそんなTikTok企画や、これまでにカバーした楽曲から5曲を収録しています。1曲目は「ラムのラブソング」ですね。

RöE : 「ラムのラブソング」は自分のテーマソングみたいに思っていて。この強気で奔放な感じが自分の表現したい世界観にぴったりなんですよね。昔からライブでもカバーしていたし、この曲は絶対に入れたいと思っていました。原曲と似ていたら自分がアレンジする意味がないから、今回はちょっとジャズ風にアレンジしました。
――まさにRöEサウンドと呼べる聞いていて楽しい曲になっていると思いました。「学園天国」はどうでしょう?

RöE : もともとフィンガー5さんが好きで、何をカバーしようと考えた時にやっぱり「学園天国」だろうと思いました。こういった、声変わり前の男の子が胸を張って歌うような曲がすごく好きなんです。冒頭のコールアンドレスポンスも、みんなで盛り上がって歌える部分なので、またライブができるようになったらやってみたい1曲ですね。

――ブラスアレンジは「ガールズブラスグループ」としてTikTokでも話題のMOSが協力しています。これはRöEさんがトロンボーンのアーナさんと交流があったことがきっかけだとか。

RöE : そうですね。私は自分からあんまり人に話しかけられないタイプで、東京に友達があまりいないんですけど(笑)、アーナは気さくに話しかけてくれて。はじめて東京でできた友達になりました。いっつも二人で焼肉いったり、区民プールで本気で泳いだりしています(笑)。アーナはこの企画でセーラームーンの主題歌「ムーンライト伝説」をカバーした時にも協力してくれて、それがすごくいい感じだったので「学園天国」でもお願いしました。曲が一気に賑やかになって、お願いして正解だったなと思いましたね。

「諦めてもいいじゃん」と思える歌詞が
中高生に響いた「私の世界」

――続いて「私の世界」。井上鑑さんの楽曲ですが、はじめて聴いたというTikTokユーザーが特に多かったのではないでしょうか。

RöE : 私はもともと井上鑑さんが好きで、色々聴いてていくうちにこの曲を知ったのですが、若い世代でも、TOKIOの長瀬智也さん主演の「泣くな、はらちゃん。」というドラマのテーマソングだったので、そのドラマを観ていた人は知ってたみたいです。もちろん知らなかったという子も多くて、最近、中学生くらいの子から「この曲知らなかった、学校で歌いたい!」ってコメントが来ていて、若い子にも届いているみたいです。
――アレンジではどんなことを意識しましたか?

RöE : 真面目なアレンジにしたら歌詞のイメージと離れちゃうと思ったので、拙い感じを出すためにリコーダーを音程外しながら吹いたり、歌い方もあえて適当にしたりしましたね。やっぱりこの曲は歌詞が重要。「きれいごとでがんばれって言われるよりも元気が出る曲でした」なんてコメントをもらったこともありました。なんていうか、日本って「前を向け」「勇気」「希望」みたいな曲が多いじゃないですか。でも、頑張れって言われても「うるっせえ〜! 頑張っとるわ!」ってなる時もありません?(笑)。そんな中で、「私の世界」はその真逆。諦めてもいいじゃん、と思える歌詞で、すごく好きな曲です。

――「ひみつのアッコちゃん」は昨年リリースされた楽曲で、今回の収録曲の中では一番早くに発表されていました。ホラーテイストのアレンジが印象的です。

RöE : 「ひみつのアッコちゃん」をリリースしたのはちょうど去年のハロウィンの時期。メロディが良い曲だからいろんなアレンジが考えられたんですけど、ハロウィンも近かったのでちょっとダークな雰囲気にしました。MVも企画や脚本を自分で考えて、アイドルの女の子たちがセンター争いをして血まみれになるっていう内容に。こんなアッコちゃんがあってもいいかなと思って作りました。
[アレンジカバー] ひみつのアッコちゃん covered by ロイ-RöE-

――今までにないアプローチの「ひみつのアッコちゃん」だったと思います。アルバムのラストを飾るのはペトロールズの「雨」ですが、なぜこの曲を選んだのでしょう?

RöE : YouTubeでペトロールズの長岡亮介さんが路上ライブをしている動画を見て、それがすっごくかっこ良かったんです。あんなに有名で歌のうまい方が歌ってるのに、動画ではみんな立ち止まらず通り過ぎていくんですよ。それが曲の雰囲気に合っていて、絶対にカバーしたいと思いました。最後にちょっとしんみりした曲を入れたいと思ったこともあります。

――間奏で雨の音が入っていたり、コーラスを重ねていたり、アレンジもこだわっていますね。

RöE : 耳が気持ち良いアレンジにしたくて。長岡さんは声もギターも良いから、その原曲とは違う、自分が歌うからこそのアレンジを模索しました。この曲では雨の音に加えて、恵比寿駅で録った音も入れています。もともと環境音が好きで、出かけるとスマホのボイスメモでよく録ってるんですよ。

カバー企画で知った、アートな表現の場
としてのTikTok

――今回RöEさんがカバーした楽曲は本当に多種多様ですが、通して聞いてみるとしっかり1つの作品として芯が通っていたことに驚きました。

RöE : それは嬉しいです。そういうところで、自分がアレンジする意味があるなと思いますよね。別々の人がアレンジしたらバラバラになっちゃうかもしれないけど、自分でやればバランスも考えながら作れる。「ここは共通点を持たせよう」とか、「あの曲でこの楽器を使ったからここではやめよう」とか。それは大変でもあるけど、やめられないくらい楽しいですね。

――たくさんカバーしてみて、今後の創作にはどんな影響がありそうですか?

RöE : やっぱりすごく勉強になりました。アレンジする時、ベースの音を考えるのが苦手だったんですけど、自分が大好きな曲をじっくり聴き返す中でコツがわかってきた気がします。それ以外にも「ここでドラム入れるとこんなに映えるんや」「コーラスこんな入れ方しとんや」とか発見が多くて、楽しかったですね。

――『61Filter』には収録していないけど、印象に残っているカバー曲はありますか?

RöE : 小島麻由美さんの「やられちゃった女の子」のカバーは投稿後結構楽曲使用してくれる方が多くて、印象に残っていますね。あとは相対性理論さんの「チャイナアドバイス」。Instagramでリクエストを募った時に候補に上がった曲なんですけど、TikTokで公開したら好評で、「フル聴きたいです!」っていう声もたくさんいただいて。急いで作って、最近YouTubeにもアップしました。ちょっと闇があって、シンプルなワードを連呼するような曲はみんなが真似しやすくてバズる気がします。
――TikTokだと自分で歌って、踊って真似することでバズるケースが多いですもんね。そうして自分のカバー曲がシェアされるのを見て、どんな風に感じていましたか?

RöE : やっぱりうれしいですね。それに、みんな私のカバーだけじゃなくて原曲も聴いてくれるから。そうすると原曲を作った方に恩返しができてるかな?というか(笑)。自分が好きな曲、影響を受けた名曲が世代を超えた色んな人たちに知ってもらうきっかけになるのが私もうれしいですね。ただ、TikTokって私も「かわいい女の子がかわいく歌ったり踊ったりする」動画が多いイメージだったんですけど、それだけじゃないんですよね。

――それだけじゃない、というと?

RöE : たとえば「チャイナアドバイス」ではみんな自作のイラストと一緒に投稿してくれたり、ストーリーを考えてくれたりしたんですよ。そういうアートな表現の場でもあるんだなというのは、自分自身でも発見でした。今はオリジナル曲でMVを作っているんですけど、実はTikTokで知って気になっていたイラストレーターの方に直接連絡させてもらって仕事をお願いしました。

RöE : そのイラストレーターの方、奇抜な作品が多いのですが実際のやりとりはとってもしっかりされていて(笑)。私にとってはアーティストを見つけるだけじゃなくて、新しい音楽を知るきっかけにもなっています。最近TikTokで知った曲だと、VTuberの理芽さんの「食虫植物」にはまってますね。

――そんな中、9月7日21時からはTikTokでリリース配信記念ライブも開催されます。本格的な配信ライブははじめてですが、どんなライブになりそうですか?

RöE : いつもは世界観を作りこんだライブが多かったですけど、今回はもうちょっとカジュアルな、みんなが家で普段着のまま見られるライブにしたいですね。TikTokのタテ画面を生かしたカメラワークとかも考えています。『61Filter』収録曲の他にも、今2万投稿くらい楽曲使用していただいてる「チャイナアドバイス」や新曲もやりたいと思っているので、ぜひ観てほしいですね。

デジタルカバーEP『61Filter』

2020.08.31 配信/190295157753

<収録曲> M1.ラムのラブソング M2.学園天国 M3.私の世界 M4.ひみつのアッコちゃん M5.雨

リリース配信記念ライブ

2020年9月7日(月) 21:00 START
ロイ-RöE-オフィシャルTikTokアカウントより配信ライブ実施!
https://vt.tiktok.com/ZSfrNvDd/
*アカウントフォローをすると通知が届きます!
TikTokで話題のブラスグループ“MOS”と一緒にカバーEP「61Filter」収録曲「学園天国」「ラムのラブソング」をスペシャルブラスアレンジバージョンとして披露!また、現在話題沸騰中の「チャイナ・アドバイス」も歌唱披露予定。お見逃しなく!

ロイ- RöE-

オフィシャルサイト
https://roeworld.com/
TikTok
https://www.tiktok.com/@roe_noraqra
Youtube
https://www.youtube.com/channel/UCxcfDKIKN5Q4kLbD3QONi6g
Instagram
https://www.instagram.com/_roeworld_/
Twitter
https://twitter.com/RoEofficial_

TikTokで注目度急上昇中のロイ- RöE-、カバーEP『61Filter』を語るはミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。

ミーティア

「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。

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