L→R 孝哉(Gu)、瀬希(Ba)、KAZ(Vo)、SHINYA(Dr)、克哉(Gu)

L→R 孝哉(Gu)、瀬希(Ba)、KAZ(Vo)、SHINYA(Dr)、克哉(Gu)

【SLOTHREAT インタビュー】
本物のヘヴィミュージックを
もっと幅広い層に届けたい

独創的な音楽性を備えたバンドとして注目を集めているSLOTHREATが1stフルアルバム『THEMIS』を完成させた。同作はヘヴィネスとポピュラリティーを巧みに融合させた彼らならではの魅力をたっぷり味わえる一作。完成度の高さは圧倒的で、幅広い層のリスナーを魅了することを予感せずにいられない。

“矛盾を超越したい”
という想いがある

本誌でインタビューさせていただくのは初めてですので、まずはバンドのプロフィールをお聞きしたいです。SLOTHREATはどんなふうに結成されたのでしょう?

克哉
僕が以前やっていたバンドを終えて、新しく活動するためにメンバーを探し始めたところからSLOTHREATは始まりました。まず双子の兄弟でもあるギターの孝哉に声をかけて、次に先輩のバンドでローディーをしていた瀬希が身近なところにいて仲良くしていたので声をかけて。その後、ヴォーカルが全然見つからなかったんです。ずっと見つからなくて困っていたら、もともと接点のあったKAZと一緒にやらないかという話になって、ようやく活動できる状態になり、去年の3月に始動して、今年の5月にSHINYAが加入して、今に至っています。

始動から1年半ほどですから、短期間で頭角を現しましたね。新しいバンドをやろうと決めた時点で、やりたい音楽性なども見えていましたか?

克哉
見えていました。昔からずっとやりたいことは一貫して僕の中にあって、それを極地までブラッシュアップさせたかったんです。あとは、KAZがすごくパンチのある歌声をしているので、KAZのクリーンヴォイスを全面に押し出そうというのもありましたね。

楽曲が個性とクオリティーの高さを兼ね備えているので、明確なイメージを持たれていたことが分かります。“SLOTHREAT”というバンド名に込めた想いも話していただけますか?

孝哉
“スロウスリート”という言葉自体はKAZが決めたんです。
KAZ
バンド名を決める時にいくつかの単語をつなげるんじゃなくて、ワンワードでドンッ!というバンド名にしたかったんですよ。いろいろ考えていたら“スロウスリート”という言葉が出てきて、いいなと思ってみんなに投げたら、これでいこうということになりました。
孝哉
みんなもバンド名を考えていて、いくつか候補があったけど、 “スロウスリート”が一番しっくりときたんですよね。響きがいいし、音楽性をイメージさせる言葉でもなくて、これから先の自分たちに合っているとも感じたし。ただ、日本語でも英語でもない言葉だったので、英語に落とし込もうと思ったんです。僕らは始動するまで時間がかかったから“スロー”は“SLOW”にしようと。で、始めるのは遅かったけど、出来上がる音楽は脅威的なものになるだろうというのがあったので、“スリート”は“THREAT=脅威”にしました。“THREAT”は“スレット”と発音するんですけど、“スリート”とも読もうと思えば読めるということで。そこで気づいたんですけど、“SLOTH”という言葉があって、“怠惰”という意味なんですよ。僕らはバンドを始めるのにすごく時間がかかったので、周りから“お前ら、いつ始めるんだよ?”というような見られ方をしていたんです。“ダラダラしているわけじゃなくて、俺たちだって早く始めたいよ”と思いながら過ごしていたので、周りに対する皮肉も込めて“SLOTH”にするのも面白いと思って。そうしたら“SLOTH”の“TH”と“THREAT”の“TH”が被ったので、重ねることにしました。

語感で選んだのにちゃんと意味のある名前になったというのは面白いです。では、ここまでの話を踏まえつつ1stアルバム『THEMIS』について話しましょう。今作を作るにあたってテーマやコンセプトなどはありましたか?

克哉
アルバムの作り方にはいろんなパターンがあると思いますけど、最初に大まかな全体像を見据えて曲作りに入ったわけではなくて。まとまった曲数を収録した作品を作る時は、リードトラックを最初に作る人と途中で作る人がいると思うけど、僕は完全に後者なんですね。大きな母体に対する導入期間として数曲作り始めて、“こういうものができてきたからリードはこういうものだな”というイメージが固まったところでリードトラックを作るんです。今回もそういうやり方で、自由な感覚で一曲作って、次はこういう曲が欲しい、次はこういう感じ…ということを繰り返していきました。一曲作ると“この曲ではできなかったな”ということが必ず出てくるので、曲を揃えていくのは本質的な意味では苦にならなかったです。

やりますね。『THEMIS』はテクニカル&マニアックなオケとキャッチーなメロディーを融合させた独創的な楽曲が、核になっていることが印象的でした。

克哉
僕らの中には“矛盾を超越したい”という想いがあるんです。例えば、コアな要素を突き詰めるとキャッチーネスが失われてしまうし、キャッチーネスに振り切るとコアな要素は薄れてしまう。かといって、それを中途半端に混ぜてしまうと一番ダサい音楽になってしまう。だから、僕はどっちの側面も200点を狙って作るというか、それを強く念頭に置いて、ひたすら突き詰めた感じではありました。

その結果、激しさと美しさを併せ持った音楽になっていますね。それに、太い幹がある上で幅広さを見せていることも注目です。その中から好きな曲を選ぶとすれば、各自どの曲になりますか?

SHINYA
『THEMIS』を聴いてもらえば、幅広い音楽嗜好を持つメンバーが集まっていることを感じてもらえると思います。それに、いわゆる“捨て曲”みたいな曲が一切ない。ないどころか、このアルバムはシングルのA面で全曲出せるものが揃っている自信があります。一曲どれか好きな曲を選ぶのは不可能ですが、あえて印象が強い曲を挙げるとしたら1曲目の「現人」ですね。冒頭から非常にダークでいながら美しさもあって、かつ演奏面ではマニアックなアプローチが多いという。最初にデモを聴いた時、“これ、何拍子なんだ?”みたいな感じだったんですけど(笑)。実はKAZの歌詞を読んで、唯一僕が“ウツセミ”と読むこの曲名を考えたという点もありますし、ドラマー的に大変だったことも含めて、「現人」は思い入れが強いです。
瀬希
今回のアルバムで僕が特に好きなのは3曲目の「Deceive & Leave」です。シンプルだけど、カッコ良い曲なんですよね。ドラマチックな雰囲気があって、ただ単に激しかったり、明るかったりするだけの曲ではないというのもいいと思うし。すごく気に入っています。
克哉
みんなもきっとそうだからずるい言い方になってしまうかもしれないですが、僕は一曲だけ選ぶのは無理かもしれない。“強いて言えば”ということでも悩むくらいですけど…大きな流れで見た時に一番グッとくるのは「LIVE FREELY」。でも、純粋に楽曲として今のSLOTHREATの全てが凝縮されて、象徴たるものになったと思うのは2曲目の「ILLUMINATE」なんです。ちょっとネイティブな雰囲気の合唱から始まって、自分のヘヴィリフが概念の集大成的イントロやその他のフレージングの緻密な要素、でも一貫してメロディーはキャッチーで、さらにスピーディーに場面が変わっていって…というふうに、今の自分たちを集約した一曲なんですよね。「現人」に続いて2曲目に「ILLUMINATE」が始まった時に真打ち登場感みたいなものがあって、そこも気に入っているし。うちらのオールマイトな存在としてある曲なので、僕は「ILLUMINATE」を推させてもらいます。
孝哉
僕は強いて一曲を挙げるとしたら、最後の「LIVE FREELY」になりますね。この曲は他の曲とテイストが違っていて明るいじゃないですか。SLOTHREATは間違いなくこういう側面も持っているし、合唱できるパートがあったりして、この曲を聴いてもらうと僕らが魅せつけるだけのライヴではなくて、お客さんと一緒に楽しみたいという気持ちを持っていることも分かってもらえると思います。アルバムを通して聴いた時に、最後にこの曲があることで、いいアルバムだと改めて身に染みて思えるんですよ。そんなふうに、すごく重要な一曲だと思っています。
克哉
「LIVE FREELY」は、実は今回の制作で一番最初に作った曲なんですよ。

そうなんですか? ちょっと意外です。

克哉
ですよね(笑)。肩慣らしじゃないですけど、アルバム制作の導入として制約を作らずに作ってみたら、この曲ができたんですよ。最初にこういう曲ができたことで、自分たちのコアな部分に一層入りやすくなったというのはありましたね。一度振りきって明るい方向に行ったことで、ある意味安心感が生まれたというか。ここまで行けたから逆の方向にも思いきって行けると思って。それで、「現人」みたいな曲も書けたんです。
KAZ
僕の中で特に印象が強いのは「氷面鏡」です。この曲が一番心にガツンとくるメロディーとリリックだったりするので。「現人」も僕の中では気に入っているけど、ダイレクトに響くというところでは「氷面鏡」のほうが心に刺さる曲なんじゃないかと思います。ヴォーカル的に繊細なところも、激しいところも併せ持った表現をしているし。今回のアルバムのバラード的な役割を果たしているのは「氷面鏡」なんじゃないかと思いますね。サウンドも重くて一般的なバラードとは程遠いかもしれないけど、メロディーの良さとか歌詞の内容とかが人の心に直接突き刺さるようなものになっているから、聴いた人はバラードに感じるんじゃないかな? あまり他にないタイプの曲なので、ぜひ聴いてほしいです。
L→R 孝哉(Gu)、瀬希(Ba)、KAZ(Vo)、SHINYA(Dr)、克哉(Gu)
アルバム『THEMIS』

OKMusic編集部

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