佐渡裕に聞く~兵庫芸術文化センター
管弦楽団「佐渡裕 アルプス交響曲」
有料ライブ配信決定

新型コロナウイルスの影響により、2020―2021シーズンの定期演奏会が取り止めとなっている兵庫芸術文化センター管弦楽団(PAC)が、元々予定していたリヒャルト・シュトラウスの「アルプス交響曲」だけはどうしても取り上げたい!という芸術監督 佐渡裕の強い希望で、特別演奏会として2020年9月19日(土)、20日(日)に開催する。
このコロナのご時世に「アルプス交響曲」とは豪気な! 感染予防は大丈夫なの⁈ とは、この曲をよく知っているクラシックファンの呟きだが、そこは “佐渡オペラ” の主戦場、兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホールだ。本格的なオペラが出来る舞台機構を最大限に生かせば、万全の感染予防を行いながら「アルプス交響曲」が実現できると言う。
昨日から始まったリハーサルの合間に、芸術監督 佐渡裕に聞いてみた。
兵庫芸術文化センター管弦楽団    提供:兵庫県立芸術文化センター/撮影:飯島隆
―― 元々は定期演奏会としてラインナップされていたアルプス交響曲を、特別演奏会として取り上げられるという事ですが。
3月から5月まで全く演奏会ができず、9月から始まる2020-2021シーズンの定期演奏会も開催を見送っています。それでも9月から何かできるように準備しようということで、一つは特別演奏会の形で、ベートーヴェンの交響曲に取り組むことにしました。「アルプス交響曲」はもともと定期演奏会で取り上げる予定にしていましたので、なんとかしてできないかと6月から準備を始めました。こんな時だからこそ新シーズンの一つの目標として、これだけはやり遂げたいと思いました。
―― スケールの大きな曲ですが、フル編成で演奏されるのでしょうか。コロナ予防対策との兼ね合いで、小さな編成で演奏するオーケストラをよく見かけますが、その辺りをお教えください。
フル編成の約120名で演奏します。お客様に安心して観に来ていただくため、6月にデモ演奏を行い、7月からは感染症専門の医師の助言のもと、空気の流れを確かめるスモークテストなど、様々な実験を行いました。感染防止対策には時間をかけて取り組み、お客様にも消毒や検温などご協力いただいています。もちろん小編成のモーツァルトやハイドンも魅力的ですが、芸術文化センターはオペラにも対応できる広い四面舞台があり、舞台を広げることで大きな編成の曲も演奏できます。また、PACは劇場専属のオーケストラですので、この大曲を舞台上で練習する十分な時間が確保できることも大きいですね。大変な挑戦ではありますが、地道な対策を続けてきたからこそ実現に至りました。
芸術監督 佐渡裕     提供:兵庫県立芸術文化センター/撮影:飯島隆
―― これまでに「アルプス交響曲」は何度くらい指揮されていますか。またPACでは何度くらい、取り上げられていますか。
アルプス交響曲は1995年にNHK交響楽団で初めて指揮をして、ウィーンやパリ、イタリアなど既に10回以上は指揮したと思います。PACで取り上げるのは初めてです。

―― 今回の「アルプス交響曲」の聴きどころ、見どころを教えてください。

この曲はR. シュトラウスの少年時代のアルプス登山体験をもとに作られたと言われていますが、まるで映画を観ているかのように、登山者の物語が繰り広げられます。夜明け前の暗闇から日の出へと移る光の描写や、カウベル、ウィンドマシーン、サンダーシートといった珍しい楽器を用いた自然の描写が特徴です。一方で、シュトラウスは自然だけでなく、登山者の人間的な感情を描いているように思います。登っていくときの力強い気持ち。途中で小川のせせらぎを感じたり、ヒヤリとする瞬間があったり。様々な困難や喜びを経験し、下山した後のエピローグの場面はとても静かで美しいです。恐らくシュトラウスはこういう人生でありたいと願ったのではないでしょうか。
―― ライブに合わせて、有料による配信をやられますね。配信のチケットを買おうか、どうしようか迷われている人にメッセージをお願いします。
ソーシャルディスタンスをとって約120名の大編成でこの曲に取り組むのは、私にとっても奏者にとっても大きな挑戦です。ライブ配信で時間の流れを共有することで、緊張感や音の喜びも伝わると思います。ぜひ皆様も一緒にドキドキしながらご覧いただき、そして様々なアングルから捉える迫力の演奏をお楽しみいただければと思います。
ライブ配信による「アルプス交響曲」ぜひご覧ください!   提供:兵庫県立芸術文化センター/撮影:飯島隆
「こんな時だからこそやろう!」という芸術監督 佐渡裕の強い思いで実現する「アルプス交響曲」は、会場で聴くライブ演奏に加え、演奏会の有料ライブ配信(イープラスのStreaming+を利用)も決定した。
有料ライブ配信は、9月20日の演奏が配信される。視聴料1,000円で、20日から27日までの期間、繰り返し何度でも視聴できるので、会場でナマ音を聴いた方にもオススメしたい。
取材・文=磯島浩彰

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