三阪咲「雨上がりの虹のようなEPにな
れたら」 “高校生の今だからこそ”
誕生した最新作『After Rain』インタ
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10月7日(水)に2nd EP『After Rain』を発売した17歳の現役高校生シンガー・三阪咲

10代を中心に今、最も注目されている彼女がリリースした今作『After Rain』には、幼少期から続けているダンスを初披露している「StaRting PoiNt」、ABEMAの大人気恋愛リアリティーショー『今日、好きになりました。』主題歌「私を好きになってくれませんか」、MBS/TBSドラマイズム『荒ぶる季節の乙女どもよ。』主題歌「友よ恋よ」、自身のワンマンライブで幾度か披露し、ファンの間では待望の音源化と話題になった「When singin’ in the rain」、そして、完全書き下ろしの新曲「Continue...??」といった5曲を収録。そんなバラエティに富んだ『After Rain』が完成に至るまで、そして7月に東京・EX THEATER ROPPONGIで行なった無観客ライブの振り返りとあわせてたっぷりと語ってくれた。
――7月25日に、東京・EX THEATER ROPPONGIにて無観客生配信ライブを行った三阪さん。無観客ライブは初の試みとなったわけですが、振り返ってみてどんなことを思いますか?
初めてカメラを何台も置いて臨場感のあるライブを撮っていただいて、目の前にお客さんはいないけどカメラの向こうではたくさんの人が観てくれているっていうのは不思議な感じもしたし、いつもとは違う緊張感は、やっぱりあって。お客さんの顔が見られないので、今どんなふうに聴いてくれているのかな?って心配にもなったんですよね。でも、コメントがリアルタイムで流れていたりとかして。
――お客さんの反応が文字として見えるって、なかなかないことですよね。
そうなんです。普段は公演が終わってからコメントをいただくんですけど、1曲1曲終わるごとにたくさんのコメントをいただけたことで、いつものライブとは違ったお客さんとのつながりみたいなものができたように感じて、だんだん楽しめるようになりました。今どのカメラが自分を撮ってくれているのか、ステージからだとなかなかわかりにくいというところでは少し苦戦もしつつ(笑)。みなさんに最前列気分で、時には違う角度からもじっくり私のステージを観ていただけたというのは配信ライブならではの良さだったんじゃないかなと思います。
――コロナ禍であろうとステージに立って歌を届けることができるんだ、ということもわかりましたよね。
本当にそうです! 考え方や視点を変えれば道は開けるし、やり方はひとつじゃないんだって思えたので。これから、配信ライブという手法もどんどん使っていきたいなという気持ちもあります。
三阪咲
――なお、アーティスト活動もするいっぽう、現役高校生でもある三阪さんが、このコロナ禍に感じていることや、なにかしらの変化はあるのでしょうか。
自粛期間はそもそも学校に通えなかったし、学校に行けるようになったら、もちろんマスクは欠かせないし、昼食のときには友だちと向かい合って食べちゃいけなかったりとか。SNSではファンのみなさんと交流できていても、ライブやイベントで直接お会いすることはなかなかできなくて……これまでいろんなことを当たり前にできていたのってすごく幸せなことだったんだなとしみじみ感じます。あと、生のステージと映像ではやっぱり届き方が全然違うので、どうやって歌ったら映像でももっと届くかを考えたり、いろんな方のライブ映像を観て、映像だからこそ作れる世界観を知ったり、発見もたくさんあるんですよね。今後、以前みたいにライブができるようになったとしたら、そういう気づきを活かしていきたいなとも思っています。
――ままならない状況下でも、三阪さんはいろいろなことをポジティブにとらえているのですね。ジャンルレスな楽曲が収められた2nd EP『After Rain』にしても、“雨上がり”というタイトルに相応しく、聴いたあとに気持ちが晴れやかに、明るくなるような作品で。このコロナ禍にあって、希望の光を見出すきっかけともなるなと感じました。
ありがとうございます! 雨上がりの虹のようなEPになれたらいいなという願いを込めて『After Rain』というタイトルをつけた作品なので、そう感じていただけてすごく嬉しいです。
――まず「StaRting PoiNt」は、7月にダウンロードとストリーミング配信された、EDMでアッパーなダンサブルナンバー。MVでは、幼少期から続けているというダンスを初披露されていますね。
そうなんです。私は歌よりもダンス歴のほうが長くて。今回披露できてすごく嬉しかったです。「StaRting PoiNt」は踊りやすい曲で、誰でも自然と身体が揺れちゃったり、クラップしたくなったりする曲になっていると思います。
――まさにです。サビの高揚感もたまらないし、“僕ら”=自分とファンの人たちにとって、ライブが“居場所”であるという歌詞にもグっときてしまいます。
「StaRting PoiNt」という言葉は“原点”という意味なんですけど、ライブは私たちの帰れる場所なんだっていう気持ちを曲に込めたくて。楽しいときも哀しいときも、心はいつもファンのみなさんと一緒なんだよ、ということも伝えたかったんです。サビの<Tick tock>に合わせた振り付けとかクラップとか、いつかライブで一緒にできる日が楽しみだったりもします。

――「私を好きになってくれませんか」は、今年4月より放送のABEMA大人気恋愛リアリティーショー『今日、好きになりました。』の主題歌として起用され、現在もTikTokなどのSNSを中心に話題の透明感あるラブアンセム。ただ、タイトルにしても歌詞にしても、せつなすぎます。
私はもともと『今日好き』を観ていたんですけど、恋が叶う人もいれば、叶わない人も必ずいて。片想いでその相手には、別の気になる相手がいるっていう切ない想いを抱える人たちのことを応援したい気持ちもあって、この歌詞を書きました。
――<すれ違う度に 目で追っちゃってたよ>とか、<君が気になるあの子じゃなくて これからそばに居るのは 私じゃダメかな>とか、“君”を一途に想う歌詞はとてもリアルだったりもしますが、三阪さん自身もそういう経験があったりするのでしょうか。
それがですね、私は女子校に通っているので、そういう経験をする機会がなくて……番組を観て感じたことプラス、私の妄想もちょっと入っちゃってます(笑)。でも、リアルに感じていただけたならよかったです。

――「友よ恋よ」は、9月より放送中のドラマ『荒ぶる季節の乙女どもよ。』主題歌。「私を好きになってくれませんか」の透明感ある歌声から一転、タイトル通りの荒ぶる歌声や、思春期ならではの翻弄される感情の機微を描いた歌詞に驚かされたりもします。三阪さんは、曲によってガラっと異なる表情で魅せるシンガーですね。
ありがとうございます。歌詞を入れる前からその曲に対してのイメージをふくらませて、どうやって歌おうかを考えるのがすごく楽しいんです。「友よ恋よ」に関しては、『荒ぶる季節の乙女どもよ。』の原作漫画を読ませていただいたら、子どもなのか、大人なのかという時期でもある高校生ならではの複雑な心情や葛藤に、共感する部分が多々あって。キラキラした面ではなく、原作に寄り添った高校生の姿を力強く、荒ぶりながら表現できたんじゃないかなと思います。歌詞を書くにあたっては、自分がどう感じたのかを言葉にするのに苦戦して、何回も書き直したんですけど、ドラマの監督さんやプロデューサーさん、スタッフさんから嬉しい言葉もいただけたのでホっとしました。
――<思う春の期節>というフレーズに、なるほど“思春期”か!と、うならされたりもしつつ。
“季節”の“季”を、敢えて“期”にしてみました。そこはこだわったポイントなので、気づいていただけて嬉しいです!
――その「友よ恋よ」は、三阪さんにとって初となる連続ドラマ主題歌でもあるわけで、実際にドラマを観たときにはやはり感動がありましたか?
「ドラマタイアップが決まったよ」という報告の電話をもらった時は、家族みんなで飛び跳ねるくらい喜んだし、初回放送のときは本当に感動しちゃって。夜中の放送なのでリアルタイムではなかなか観られない時も、たまにあったりするんですけど、翌朝必ず、朝ご飯を食べながら観てから学校に行ってます。
――主題歌に合わせて、毎週違うキャストがダンスをするのも楽しみのひとつです。
そうなんです。自分の曲で踊っていただけるのが、すごく嬉しくて! 母も、「オープニングで今日は誰が踊るんやろ」って、毎週楽しみにしています(笑)。
――「When singin’ in the rain」は、自身のワンマンライブで幾度か披露していた曲で、初音源化になるのですよね。
ライブで歌い慣れているということもあって、レコーディングでの歌入れ時間は、今までで一番早く終わりました。録っているときには、タイトルそのまま、本当に雨が降っていたりして。個人的に大好きな曲です。
――歌詞には、大きな喪失感が漂いますね。
好きなのに別れるしかなくて、相手のことを待ち続けているというストーリーの曲で。私は哀しくても明るい方向へと向かう歌詞を書くことが多いんですけど、「When singin’ in the rain」は初めて、いい意味で暗いまま終わる歌詞にしたんです。
――それでも<越えていくよ>と歌う強さが、余計胸に響きます。まだまだ、時間はかかるのでしょうけど。
そうですね。苦しい気持ちは、きっとなかなか消えないと思うので。そんな主人公になりきるようにして、曲に入り込んで歌えました。
――曲に呼ばれつつ、入り込んで歌うためになにか特別なことをしたりもするのでしょうか。
たぶん、これまでに観た映画やドラマやアニメ、読んだ本や漫画だとか、そういういろいろな作品で芽生えた感情が、歌詞を書くにしても、歌うにしても生きているのかもしれません。
――曲それぞれでの感情表現がとても豊かなのは、持って生まれた才能に加え、そうした繊細な感受性があればこそですね。そして、気持ちが沈んでいるとき、明るい曲ではなく寄り添ってくれるような曲を求めてしまうときもありますけど、「When singin’ in the rain」はそんなときにぴったりな曲でもあるなと。
私も、つらいときは明るい曲よりバラードを聴くことが多かったりするので。「When singin’ in the rain」が、大切な存在を失ってしまった方の哀しみに寄り添える曲になってくれればいいな、と思います。
三阪咲
――かと思うと、書き下ろしの新曲「Continue...??」は、ゲームモチーフのゆったり楽しいナンバー。この曲が生まれた背景は?
私、ゲームが大好きなので、今回はゲームをモチーフにした曲にしよう!と思ったんです。いざゲームをテーマに歌詞を書こうと思ったら、結構難しかったんですけど……(苦笑)。
――<食べかけのPotato Chips ベタベタのController>というフレーズはじめ、ゲーマーあるあるにクスっとしちゃいます(笑)。
自分のリアルをそのまま書きました(笑)。ゲーム好きな人であれば、きっと共感できるんじゃないかなと。でも、そうやってゲームの中の世界で生きているような主人公が、このままじゃダメだって思うようになるんですよ。
――ラストのブロックでは、現実世界で<間違えちゃったらResetしてClearしていくよ>と決意しますもんね。「友よ恋よ」と同じく、子どもと大人の狭間にいる今の三阪さんだからこそ、説得力をもって書ける歌詞かも。
まさに、17歳、高校生の今だからこそ感じていることをそのまま歌詞にしているところはあります。「Continue...??」の主人公のことは、途中までは思わず心配になっちゃうんですけど(笑)、最後にはゲームから飛び出して現実で生きようと思うようになるっていう。
――成長のドラマに、感動してしまったりもします。また、イントロやギターソロのうしろにはゲーム音が入っていたりとか、遊び心もちりばめられていますよね。
ゲームの歌詞を書いて制作チームの皆さんに見せたときに、「こういう歌詞だったらゲームの音もたくさん入れようよ」っていう提案をしてくださったんです。
――さらに、曲の終わりには盛り上がる声も入っていますよね。
その場にいたスタッフさんが、最後ブースに入って「イエーイ!!」って(笑)。
――いつかライブでこの曲を披露できるときには、お客さんも一緒にみんなで大きくクラップして歌えたら素敵だろうなと想像しちゃいます。
私はアップテンポな曲が多いんですけど、この曲はゆったりした曲なので、言っていただいたみたいにみんなで大きくクラップしながら一緒に歌えたらいいなと思っています。
――それにしても、彩り豊かなEPになりましたね。
5曲それぞれ、自分で意識していた以上にガラっと違う歌い方ができていたことに気づいたりもして。自分にとっての新しい歌い方で、今度はこんな歌を歌ってみたいなっていうイメージがふくらんでいたりもします。
――聴く側としても、三阪さんのさらなる可能性を感じられる作品でもあります。雨上がりの空に虹がかかっていくような色彩が美しいジャケット写真も素敵です。
夏に撮影したアーティスト写真と同じ衣装を着ているものをジャケットにしていただいたんですけど、1st EP『Every day, Every night』のジャケットに写っている自分とは別人だなと我ながら思ったりもしつつ。そうやって変わっていく過程も、見守っていただけたらありがたいです。
――ちなみに、「StaRting PoiNt」や「Continue...??」の歌詞には、“君”=ファンの方たちへの想いが強くにじむなと感じたのですが、三阪さんにとってファンの方たちの存在というのは、やはり特別なものなのでしょうか。
それはもう特別です。SNSでは、リプやダイレクトメッセージでたくさんのコメントをいただくんですけど、日々の何気ない報告を毎日してくださる方もいて。そうやって友だちみたいに接してくださることが、私は本当に嬉しいし、毎日のコメントチェックがとっても楽しみなんです。
――すると、アーティストとしての表現欲はもちろん、応援してくださる方たちの気持ちに応えたいという気持ちも大きかったりして?
そうですね。自分のやりたいことだけじゃなく、今やるべきこともしっかりやりながら、そして何よりファンのみなさんが望むことを取り入れて、形にしていきたいなとも思っています。
――その上で、まだまだ先の見えない世の中ではありますが、今後こんなことに挑戦してみたい!という想いもあるのでしょうか。
2021年はラストJKの年になるので、高校生にしかできないこと、高校生だからこそできることをたくさんしたいなと思っていて。できるかわからないですけど、文化祭とか体育祭をしたいんですよ。あとは、制服を着てライブをしたいし、高校生のうちにやりたいと願っているZeppツアーも実現できたらなと思っています。SNSでの発信やファンのみなさんとの交流を続けながら、もちろん状況もちゃんと見ながら、できることは全部やりたいです!
2nd EPリリースしたばかりですが、実はまだ出せてない曲や、また新しい楽曲制作にも取り掛かっているので、これからもたくさん曲を皆さんに届けていきたいですね。

取材・文=杉江優花

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