『長岡 米百俵フェス』【2日目レポ】
琴音、半﨑美子、松下洸平、つるの、
Creepy Nuts、C&K、KTCC、さだ、こう
せつ、小林幸子が歌で届けた未来への
希望

長岡 米百俵フェス ~花火と食と音楽と~ 2020

2020年10月10日(土)・11日(日)長岡市 東山ファミリーランド【2日目】
不屈の米フェス、2日目がスタートした。1日目よりも更に大晴天に恵まれ、会場も賑わいを増している。様々な世代の満足度を高めるアーティストラインナップやキャンプ、感染症に配慮したキッズパークでの7つのアクティビティや21店のフードセクションなど、初日も来た人でも飽きることがなく楽しめるような作りになっている。カップルからファミリー、シニアまで、広い世代が寛ぎ、思い思いに楽しんでいる楽園、それが『米フェス』だと多くの人が体感しただろう。
2日目のトップバッターは、長岡出身の琴音が登場した。最初に歌われたのは手嶌葵の「明日への手紙」とオリジナル曲「あなたのようになるために」。故郷である長岡で歌う嬉しさと、コロナ禍のなかでこうして工夫を凝らして観客と歌を共有できる喜びを歌に込めていた。その後「白く塗りつぶせ」では、暖かく、アーシーで力強い、琴音の魅力をフルに発揮。ラストソング「咲かない花」まで、凛としながらも柔らかな空気に包まれていて、観客も心地よさそうに歌を味わっていた。
琴音
半﨑美子
2組目の半﨑美子も極上バラード「種」で会場を包み込んだ。石巻市のライブへ向かう道中で生まれたこの歌は、2020年の観客の様々な疲れを労っていたようだった。代表曲のひとつ「お弁当ばこのうた~あなたへのお手紙~」の後に、涙と共に歌い上げた「サクラ~卒業できなかった君へ~」が観客の胸を打つ。ラストには、『米フェス』とリンクする思いを込めて「明日を拓こう」を届けてくれた。手を差し伸べるように惜しみなく優しい歌を届けてくれる半﨑美子を観客が静かに受け入れて味わっているのが、声を上げなくても伝わる、素晴らしい時間だった。
半﨑美子
松下洸平
3組目は松下洸平の登場だ。「恋の病」が始まると、待ちかねていた観客が喜びを届けるようにノリだした。続いて、自身が尊敬する星野源のカバー「SUN」を披露。俳優としても知られる松下洸平だが、演技とは違うアーティストとしての魅力をこのステージでは見せた。最後は、未来の自分への手紙を紡いだ「握手」を歌い上げてステージを後にした。観客数人という時代もあったという松下洸平。こうして大勢の人を前にして歌えることへの感謝の気持ちがストレートに伝わってきた。観客も手をあげて全身で応えていて、暖かな雰囲気に包まれたステージとなった。
松下洸平
4組目は、つるの剛士。今年開催される予定だった東京オリンピックに因んだ「メダリスト2020」、「はやぶさ」で一気に会場をヒートアップさせ、ピックを投げる。その後もプリンセス プリンセスの「M」、中島みゆきの「糸」を熱唱。2020年ならでは、“心のコールアンドレスポンス”と称して観客とのやり取りを楽しんでいたのが印象的だ。サービス精神旺盛で、地元企業のCMの話題などで会場を盛り上げ、最後は子ども達に馴染み深い「にじ」を披露。父親としての顔も持つ、つるの剛士が優しく家族を包んだひとときだった。
つるの剛士
5組目はCreepy Nuts。長岡出身のDJ松永が制作した、米フェスのオリジナルジングルが鳴ると、拍手が高鳴り、二人が登場した。勢いよく「ヘルレイザー」を鳴らすと、観客に敬意を込めて「助演男優賞」を披露した。次は「合法的トビ方ノススメ」。声は出せない、しかし手を振り飛び跳ねたりして、全身で応える観客との呼応がすごい。「紙様」、「サントラ」と続き、ラストはすべての人々に向けた「かつて天才だった俺たちへ」。懐の深い、かつエネルギーのあるヒップホップが彼らが多くのファンの共感を呼ぶところなのかもしれない。大熱狂が伝わる雰囲気の中、Creepy Nutsがステージを終えた。
Creepy Nuts
6組目はC&Kだ。突如始まるダンスチューン「C&K IX」、「C&K 0」でダンサー陣と共に会場をあっという間に一体化させた。観客ができない歓声をSEで代行表現するなど、笑えるムード作りも欠かさない。「to di Bone」、「ジャパンパン~日本全国地元化計画~」、「MATSURI」、「パーティ☆キング」まで、ノンストップで踊らせてくれた。一方で、バラード「Y」、「精悦」ではKEENのシルキーでコクのあるメロディに乗っかりながら、CLIEVYのハイトーンボイスで魅せてくれた。ラストは「終わりなき輪舞曲」。ディスコからソウルフルなバラードまで、新スタイル「JAM」と笑いと踊りのエンターテインメント、まさにC&K色全開のステージだった。
C&K
熱いステージは終わらない。7組目はKICK THE CAN CREWだ。「千%」のイントロが流れると同時に観客の両手が上がった。続いて盛り上がり必至の「地球ブルース~337~」、熱量はそのまま「TORIIIIIICO!」途中で3MCの自己紹介ラップに入るが、そこへ日本語ラップ界の大先輩・いとうせいこうが登場。16小節のコラボレーションを実現させる。その後、「ユートピア」、「アンバランス」のメロウな流れに観客は身を任せ、「sayonara sayonara」、名曲「マルシェ」で大盛況のステージを終えた。
KICK THE CAN CREW
KICK THE CAN CREW
8組目は、さだまさし。まず笑いがあって、名曲「精霊流し」でしっとりと日本の情景を歌い描いてから、トークで再び笑いが起こった。「案山子」を聴かせ、また笑い、「北の国から」を観客の心の声と大合唱、また笑う。穏やかなルーティーンがなんとも心地よい。ついには替え歌CM曲「にゃんぱく宣言」をまた替え歌にして、歌でも笑いを誘う。その後、名曲「関白宣言」を歌いだすと、会場から拍手が沸き起こり、多くの聴衆が涙をためながら、さだまさしの懐の深さに引き込まれていった。
さだまさし
9組目は南こうせつ。かぐや姫時代の名曲「神田川」からショーが始まる。wacciの橋口洋平(Vo/G)とヴァイオリンにさだまさしが加わってのスペシャルコラボが披露された。続いて、かぐや姫ヒストリーをなぞるように「妹」を熱唱、続いてブレイク前のフォークチューン「マキシーのために」へ。観客一人ひとりと向き合うように、丁寧に歌いあげた。「満天の星」が始まると、シートエリアやキャンプエリアからライトを星に見立てて揺らしているのが見える。会場が一体となって感動を呼んだ。
南こうせつ
南こうせつ
2日目ももう残り1組だ。2020年『米フェス』の大トリを飾るのは小林幸子。1曲目の「雪椿」のイントロが流れると、小林幸子が風格たっぷりに登場、観客へ深々と挨拶をした。人気デュエット曲のソロバージョン「もしかして」から、「とまり木」を聴かせた。続いて、大ヒット曲「おもいで酒」を歌い、長年の親友・さだまさしを招いて「約束」を熱唱した。歌を終え、ステージを後にするさだまさしの背中を見届けながら、彼には何度助けられたことかと、涙を浮かべていたのが印象的だった。次に歌ったのは、松岡充(SOPHIA/MICHAEL)と新たに結成したユニット“シロクマ”でリリースした新曲「しろくろましろ」だ。そして「千本桜」へと続く。イントロから拍手が高鳴り、小林幸子の魅力を堪能させてくれる素晴らしいステージとなった。
小林幸子
小林幸子
2日間に渡った『米フェス』も、これでお開きとなる。オールキャストで『米フェス』テーマソング「輝き」を合唱、新型コロナウイルスと戦う全ての人のための花火プログラムが咲き誇る。2日間の司会を務めあげたファーストサマーウイカの瞳に、涙が溢れた。前年は台風で敢なく中止となり、今年もコロナや台風接近で開催が危ぶまれ、まさに“不屈の米フェス”であった。コロナ禍が続き、なかなか思うように音楽活動ができない中での野外フェス。様々な思いが観客にもアーティスト達にもこみ上げてきたように思え、涙を流す観客も多かった。だからこそ、この降り注ぐ花火の輝きと心臓に響く花火の鼓動を共有できたことが、『米フェス』の未来につながるに違いないと感じた。
取材・文=田中サユカ
撮影=ステージ:須佐写真事務所/会場風景・花火:井上スタジオ

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