SUPER BEAVER、「今一度、自分たちにとっての宣言のような気持ち」

SUPER BEAVER、「今一度、自分たちにとっての宣言のような気持ち」

SUPER BEAVER、「今一度、自分たちに
とっての宣言のような気持ち」

SUPER BEAVERが見つけた突破口
──新曲の「突破口」については心を鼓舞するような疾走感あるナンバーで、「目の前に壁があろうとも、正面からぶつかっていこう」といった力強いメッセージが込められています。SUPER BEAVERの現状に重なる歌詞が多いと感じましたが、この曲のできた背景を教えてください。

柳沢亮太:今回の楽曲はメジャー再契約というタイミングももちろんあったんですけれど、もともと曲作りをしている中で、『ハイキュー!! TO THE TOP』というTVアニメの第2クール オープニングテーマというお話もいただき、そちらとのリンクも考えながら作った楽曲です。今年に入ってから形になったので、まさに今の SUPER BEAVERの気持ちが詰め込まれた1曲になっていると思います。

──主題歌ということで、物語の部分とはどんなところをリンクさせましたか?
柳沢亮太:『ハイキュー!! TO THE TOP』という作品が学生のスポーツを描いていて、「今、この瞬間にかける想い」といったところは、自分たちの今のスタンスともすごくリンクする部分なのかな、と。「今」に対する執着といったものを、一番のリンク点として考えましたね。
▲『ハイキュー!! TO THE TOP』第2クールティザーPV~「突破口」Ver.~
──『ハイキュー!! TO THE TOP』が10代後半の青春を描いている物語であることに関連してお伺いしたいのですが、15年前の学生時代に皆さんが出会った時と今、どんなところが大きく変わったと思われますか?
上杉研太:ずっと一緒にいながら15年くらい経っていると、自分以外の3人に対して、つねに最新にアップデートされていると思うんです。でもちょっと違う昔の3人を断片的に覚えているから、何か少し不思議な感じはします。
藤原”32才”広明:僕からすると、みんな出会ったころとは、まったく違う人ですね。バンドだと「ギタリストっぽい人」とか、「ベーシストっぽい人」、「ボーカリストっぽい人」とかいるじゃないですか。僕らは最初、まったくそんな感じではなかったんですよ。でもちょっとずつ、そういう方向になっていったというか。自分も今は「ドラマーっぽいやつだな」と思いますし。みんなそれぞれのポジションになった感じがあって、いい意味で役割というか、行きたいところに行っていると思います。
柳沢亮太:藤原が言ったことは腑に落ちますね。10代で始めたころのことを考えると、15年先の今を見据えて結成したわけでもないので、バンドをやることに対してそんなに深い意味はなかったんです。でもがむしゃらにやってきて、その楽しかったことの延長線上に初めてCDを出したり、初めてのツアーがあったりした。ちょうど10代の終わりから、20代目一杯をこの SUPER BEAVERというバンドで少しずつ歩んできたので。バンドとしての成長とともに、人間としても、いろいろなことを学ばせてもらったと思います。
そういった中で、それぞれのバンドとしての役割のようなものも、当初に比べたら自覚を持つ部分は増えてきたのかなと思うので。生まれ持った性格はそんなに変わらないとは思いますけれど、その中での「自分の輝かせ方」みたいなものは、それぞれが考えてバンドというところに集約されるようになってきたのかな、と思います。

──メンバーの本質的な部分は変わらないけれど、バンドを続けていったことによって、それぞれ自分たちが思い描いていた方向に行くことができた、と。

渋谷龍太:それは時間の捉え方だと思うんです。同じことを続けている人が2人いたとして、1人は何かを意識しながら過ごしている15年、もう1人はただ流れにのっている15年だとしたら、15年後の姿はおそらくまったく違うと思いますし、何を考えて、どういうふうに自覚を持ちながら時間を過ごしてきたのかは、15年経つと結構出ますよね。
同級生としゃべっても、何も感じないヤツもいれば、すごいなと思うヤツもいるし。同じバンドマンでもそうですね。しゃべっていて何も感じないヤツもいれば、尊敬できる友だちもいる。明らかに後者の方が少ないんですけど、それは仕方ないと思うんです。でも自分が選んで過ごしてきた時間に自覚があるので、今の自分に、今の自分たちに、自信が持てている、という感じもしていますね。

──「突破口」の<やめてしまえば 叶わないから>という詞に象徴されるように、続けることでつかめる未来、については、SUPER BEAVERの皆さんがまさに体現されているのですが、やはりものごとを継続するというのは難しいと思うんです。
渋谷さんが書き下ろした小説「都会のラクダ」(バンド結成から15周年を迎える現在にいたるまでの軌跡を描いている)の中でも、2011年に渋谷さんが「音楽を辞めたい」とメンバーに伝えてSUPER BEAVERがいったんメジャーレーベルとお別れした時、4人で音楽を続けたいから、「その為に今は逃げましょう。ちゃんと四人で。」と書かれていますよね。あの時、無理に進まずにちゃんと逃げようという判断ができたことが大きかったのだなあと思いました。
渋谷龍太:一概に言うのは難しいですけれど、どんなものでも、常に辞められる状況にいることを自覚するのは大事な気がしています。たとえばどんな堅い仕事についていようが、バンドマンだろうが、フリーターだろうが、重役だろうが、辞めることは多分、可能であり、辞められない状況というのは、ほぼありえないと思うので。常に辞められる状況に自分が置かれていることを自覚しつつ、「辞められるのに、なぜ辞めないのか?」を考えると、物事の本質が少し見えてくる瞬間がある気がしています。
なので逃げるという選択も、「何のために逃げるのか?」という部分が見えていると、選択しやすいんじゃないかな。「自分が今から起こそうとしている行動は、どこに結びついているものなのか?」を考えられると、おそらく多角的に物事を考えられるようになのかな、と思いますね。
▲SUPER BEAVER 「突破口」 Teaser Movie
──「続けるためにやめる」という、問題の渦中にいる時には気づきにくいことだけど、渋谷さんは多角的に考えられるからそう判断されたんだろうな、と思いました。
渋谷龍太:でも読んでくださった小説の中の当時は、正直、そこまでは見えてないですね。「どうすればこの現状を打破できて、自分を守っていられるか? バンドを守っていられるか?」ということだけでした。もう1回、今の心境のままあの時に戻ったら、タイミングなどいろいろ考えられて、たぶんまた別の選択肢もあったと思うし。

──そうだったのですね。では、メンバーの皆さんは当時どういう心境だったでしょうか? 小説は渋谷さんの視点からでしたが、渋谷さんが「音楽を辞めたい」と語った時に感じたことを教えていただけますか? そして、なぜ衝動的に「やめる」という方向に行かなかったのだと思われますか?
柳沢亮太:これはまずバンドという大前提の枠組みがあっての中での話なんですけれど、挫折を味わっている感覚は何も彼だけでなく、ある意味では隣で共有していて。見ている視点はメンバーそれぞれちょっとずつ違ったとは思うんですけれど、それが言うなればバンドであることの醍醐味の一つではあったのかな、と。一人がもし突発的に衝動に駆られたとしても、皆が同じ衝動で、「じゃあ、もう終わりにしちゃおう」と思わなかったというのは、バンド、言うなればグループやチームという集団であることの一つの利点でもあると思うし。
おのおの胸に抱えていて言葉にならなかった部分が、大きなきっかけで渋谷の言葉になり、それを受け止めた時に、気づいていたのにうやむやにしていた部分が露呈して。そこでお互いが歩み寄ろうとしたのが、一番大きな要因かな。歩み寄ったことによって、「もう少しだけ4人で頑張ってみないか」という答えに、その時はなれたということなのかなと思っています。だから当時を振り返ってみると、渋谷を必死で止めたというよりも、本当に、しっかり、ゆっくり会話をした、という印象がありますね。

藤原”32才”広明:柳沢が言ったように、当時は「絶対やろうぜ」みたいな感じはなかったんです。けれど「やめたい」、つまり「嫌だ」という気持ちをしばらく聞いてなかったから、この機会にそれをちゃんとみんなで聞くというか。「そうだよね」と話していったら、彼が嫌だということは、当たり前だけど自分も嫌なことだったし、そういうことを確認し合えた。僕が先に言えばよかったことだったかもしれないし、違う誰かが勇気を出して言えばいい言葉だったかもしれない。それでやっと自分たちが一緒のところになったというか。
4人で始めたものを辞めるのも続けるのも、今、4人で決めること、という思考が4人の中で抜け落ちていたんです。まだ何もやれていない気分だったので、自然とそれをやってからやめるならやめる、続けるなら続ける、でもいいのかな、という感じの話になっていったのは覚えています。

──「やめたい」という気持ちを出すのは、すごく勇気がいりますよね。人間関係もぐちゃぐちゃになってしまいますし。でもそこで吐き出せたことが、結果的に次につながっていったんですね。
柳沢亮太:それはあると思いますね。
上杉研太:当時、じゃあ今後どうするのかといろいろ考えた時に、「でも、なんでそんなことを考えなきゃいけなくなっているんだ? まず、そうなることがおかしいでしょう?」と思ったんです。4人でワクワクして楽しいと思ってスタートしたことが、気づけばこういうことになってしまった。この状況はおかしいから、とりあえずみんなでいったんここから離れてみようと。そこから今に至っていくのですが、結局、何が一番ポジティブかというと、「やっぱり4人でまたやりたいよね」ということだったんです。

──確かに混沌の中にいる時というのは、散らかった部屋のような感じで、何が大事で、何が不必要なのか、それすらも整理できていない状態ですよね。
柳沢亮太:多分、ある一点しか見えてなかったと思います(苦笑)。

──4人の中でぶつかってみたからこそ、ある意味、突破口が見えてきた。
柳沢亮太:それが突破口であったことに気づけたというのは、そこからしばらく時間が経ってからです。全てを投げ出さないために、何をやめるか、何を止めるか。その時、そういった選択を初めてしたんだと思うんです。それは簡単なことではなかったですし、それなりに勇気のいったことだけれど、少しずつ時間が経って、俯瞰で見えている範囲が広くなってくると、やっぱりもっと大きな意味で、何かをやめないために、やめることがあったいうか。
広く見ると、やっぱり続けていくため。シンプルに言うと、4人が友だちであり続けるためのものに近かったような気もします。そういったものは、ずっと繋がってきているものなのかな、と。それがなければどこかで途切れてしまって、間違いなく15年という年月にはならなかったと思うんです。

言葉にするならこれしかないと思った
──1曲目の「突破口」に関しては、これまでのSUPER BEAVERの道のりと重なったのですが、もう1曲の「自慢になりたい」は、かみしめるようなミディアムナンバーで。そして「自慢になりたい」というのは、これまでの道のりに自負があるからこそ、堂々といえる言葉だと感じました。

柳沢亮太:ようやく今、口にできたと言いますか。ずっとそういった気持ちはあったはずだし、間違いなくありましたし。4人で始めたバンドでありながらも、友だちやお客さんに「いいライブだったね」と言われるのが、やっぱりシンプルにうれしかったんですよ。
規模の大小ではなくて、自分たちが「バンドをやっていて良かったな」と思える瞬間をたどっていくと、やっぱり「自慢になりたい」みたいな気持ちはあるものだよな、とすごく思いますし。「言葉にするならこれしかない」と堂々と言えるようになっているのかなと、思うので。これもSUPER BEAVER の素直な気持ちが表れた1曲になったと思いますね。
上杉研太:やなぎ(柳沢)は毎度いい曲を作ってくれるんですけれど、自分たちは30代になって、だからこそ生み出された名曲というか、その深みを感じました。こういうミディアムテンポのバラードで自分たちも好きな曲というのは過去にも何曲かありますが、また新しい軸な気がしていて。
メッセージの根底はずっと同じことを歌っているのかもしれないんですけれど、毎度新しい発見があります。それは曲と音楽とともに、自分たちがいい意味で、年齢を重ねていっているから経験できることなのかな、と思っています。
▲SUPER BEAVER 「自慢になりたい」 MV
──重ねた年月があるからこそのナンバーですよね。もしかすると20代のバンドがこの曲を歌うと、ちょっと説得力がないかもしれません。
柳沢亮太:どうなんですかね(笑)。
渋谷龍太:それは自分たちの中でも、結構悩まされてきたところではあるんです。おそらく普通の30代が経験していることを経験している20代もいるはずなんですよ。だから本当は一概には言えないはずなんです。でも何かをくくったときに、人間はそのものが入っている器をまず見るから。20代ですでに経験していても、響きづらいことがあるのは、やっぱり事実。それを打開する術をずっと考えていましたね。
でも本当に難しいですよ。どうしようもならない部分というのは、正直あって。「何歳?」と聞かれて「25」と答えた時に、「はっっ」っていう反応になる、あの感覚というのは、やっぱりどうしてもぬぐい切れないし。知らず知らずのうちに、自分がやっている瞬間もあるんですよね。「あ、20代なんだ」みたいな。絶対そうじゃないはずなのに。

──確かに。
渋谷龍太:「どうすれば伝えられるだろう?」ともモヤモヤしていたというか。どうすれば伝えられるだろうって、本当はおかしいんですよね。本質的に持っているのなら、そのまま伝えればいい話なので。でもそのあたりの感覚は、今はなくなってきて。結構、やりやすくなっているなとは、正直思います。

──言われていることは、すごく分かります。私も最近10代で起業した大学生の話を聞いたときに、「え、その歳で?」と思ってしまったんですけれど、話を聞くと、彼は完全に普通の経営者の目線で語っていて、見ている世界が一般的な大学生とは違ったんですよね。
渋谷龍太:そうなんですよ。10代のころからバンドをやっていて、何かを伝えたいというメッセージが1つあった時に、「ああ、俺が30歳なら」と思った瞬間は、少なからずあったことは間違いないので。そのしがらみのようなものから、器としても、体裁としても、今は脱することができている。そういうものがとっぱらわれてるというのは、やりやすくなってきたし、素直に受け取ってもらいやすくなった感覚は、正直していますね。

──社会に生きていると、どうしても一般的な概念を超えるのは難しいですよね。
渋谷龍太:そういうものすら超越してくる、図抜けた天才というのはいると思うんですけれど、自分がその類ではないことは、自覚はしていたので。等身大というか、「そのままの自分でどうしたらいいんだろう?」といったことは、ずっと考えていましたね。今でも頭の片隅にはあるんですけれど。

──話がちょっと横道にそれるんですけど、藤原さんは渋谷さんから、「あなたは何歳なんですか?」と言われてきましたよね。藤原さんから見て、今の話はどう思いますか。

藤原”32才”広明:だから、ぶーやん(渋谷)の思っている説得力は、ずっと顔面で持っていますから。
(一同爆笑)
渋谷龍太:そう、俺が超えられなかった壁を、彼は学生の頃から超えていた(笑)。
柳沢亮太:でもある意味、そうだよね。初見で舐められない、みたいな。
藤原”32才”広明:だから、歳のことでそういったことを実体験として感じたことは、あまりないかもしれないです。
渋谷龍太:達観していらっしゃる(笑)。

──ある意味、本質なんですね。
渋谷龍太:もとからどっしりしていたと、見た目が伴うと、ということなんでしょうね(笑)。

──話が横道にそれてしまってごめんなさい(笑)。改めて「自慢になりたい」は、みんなが実は心の奥で思っていることを描いた楽曲で、それを今のSUPER BEAVERが表現するから、なおさら心に響く気がします。
柳沢亮太:だからこそ「僕らのこの年(30代)にならないと分からないよ」ではなくて、たとえば10代や20代の方が聞いてくださった時に、「いつかはそう思うのかな」というよりも、「今まで言葉にできなかったけれど、これだ!」という気づきのようなものになってくれたら、うれしいです。
歌詞からドラムのイメージを広げる
──UtaTenでは、楽曲の中でお気に入りのフレーズを伺っているのですが、皆さん、それぞれ歌詞のどの部分に注目していますか?

上杉研太:「自慢になりたい」の<終わらせないために 終わらせるよ>というのが好きです。2番の<終わらせないために 終わらせたろう?>もいいんですけれど。要は生きていると、1つのストーリーだけじゃない。いろいろなストーリーがあって、1つは終わるかもしれないけど、もう一つのストーリーは始まるかもしれない。
人から見たら「やめた」と思われて、「逃げた」と言われているかもしれないけれど、もう一つのストーリーでは、またそこから始まっていたり、そこはそこで幸せになってるかもしれない。だからこの言葉は、自分的にぐっとくるものがありました。
自慢になりたい 歌詞 「SUPER BEAVER」
https://utaten.com/lyric/ma20091110
柳沢亮太:難しいですけど、「突破口」の<もう前例になるよ>というワードかな。これは非常に SUPER BEAVERを意識して書いたワードでもあるので、今一度、自分たちにとっての宣言のような気持ちもありますし。「自慢になりたい」という楽曲の対になる気持ちのような気もするんですけれど。
今までやってきたことで、SUPER BEAVERがSUPER BEAVERなりに提示してこれたもの、それゆえに受け入れてくださったこと。そういったものを全部背負いたいなと思う気持ちも含めて、これまで突破してきた先に今があって、さらにこの先を見据えた時に、今の自分たちが出せた言葉がこれであるというのは、すごく未来が見えると思うので、この言葉はキーになるワンワードかな、と思いますね。
突破口 歌詞 「SUPER BEAVER」
https://utaten.com/lyric/qk20091039
渋谷龍太:これ、選ばなきゃいけないんですよね? なしはアリでしょうか?

──なしでも大丈夫ですが、ぜひその思いについても教えていただけますか?
渋谷龍太:「特定させたくない」というのは、どこに思い入れがあるというのを言い放って
しまうと、そこが気になってしまうかもしれないので。決して、そこだけに注目してほしいわけではないので、発信者としては選べない、というのが正直なところですね。

──なるほど、すごく納得しました。
藤原”32才”広明:それを言った後に選ぶの?
(一同爆笑)

──申し訳ないです(苦笑)。
渋谷龍太:俺は歌を歌うからね。
柳沢亮太:そうだね、やっぱりボーカルとして口に出すからね。
藤原”32才”広明:じゃあ、選びますね。僕はアレンジを考える時、イメージをふくらませるために、よく歌詞にとっかかりを探すんです。「突破口」には<正面突破がしたいな>という歌詞があるんですけど、この歌詞を最初読んだ時に、スネアで突撃していくイメージが浮かんで。だったら転がるようなリズムがいいのかな、疾走感が大事なのかなと、どんどん曲のアレンジを広げていきました。そういう意味では、「突破口」の<正面突破がしたいな>が自分の中に飛び込んできた言葉ですね。

──まさにドラマー目線の素敵なセレクトですね。
柳沢亮太:ですね。いいコメントでしたよ!
藤原”32才”広明:良かった(笑)!

本質的なことから考え直す機会だった
──コロナ禍においてライブが中止、延期になってしまう状況が続いています。そんな中、SUPER BEAVERはチケットの払い戻しを希望されない方には、「特別ツアーTシャツ」「配信ライブ視聴券(限定ライブ)」をお送りするなど、いろいろなアイデアで対応していっています。こういったところにも、リスナーに寄り添う皆さんの姿勢がにじみ出ていると感じるのですが。

上杉研太:単純にバンドで今やれること、出せるカードを切っていくことをずっとやってきたので。もちろん、今まで当たり前でできたことができなくなってしまって困惑はしますけれども、その中でも、こうやってメジャーデビューをまた契約できたので、できることもうれしいことにありますし。SUPER BEAVER が普段やってきた熱量を、この状況の中でもどうやったら届けられるのかということも話して、みんなで決めてやっているんです。
でも今、世の中はこんな感じになってしまっていますけれど、思い起こせば、自分たち4人でバンドをずっと切り盛りしてた時から、同じことをやっているというか。こういう逆境があってこそ、バンドなんじゃないかなと思うんです。
登れなさそうな山を登れた時って、みんなでハイタッチしたくなるというか。はからずも、そういうことを繰り返していけているので、ネガティブだけじゃなくて、これが結構、馬力になって、バンドの今後につながっていくんじゃないかな、という気持ちで捉えていて。いろいろアイデアを出して、何より楽しんでやれたら、と思っています。

──払い戻しは参加する人間からすると、一番もやもやするところではあったので、その思いを汲み取られているんだな、と感じました。
渋谷龍太:そもそもこれらのアイデアが出てきたのは、自分もたくさんライブに行っていたからだと思うんです。自分がチケットを取って、お金がそのチケットに変更した時点で、お金以上のスペシャルに変わっていますよね。そのスペシャルに変わったものが、次にまたお金に戻るのかといったら、そんなわけはなくて。3000円で買ったそのドキドキワクワクは、そのドキドキワクワクを買い戻す時に、3000円で買えるわけはないとは、正直思っているんですよね。

──まさに、そうなんですよね。

渋谷龍太:それをさんざん経験してきて、さらにこういう状況になった時に、「なぜ自分たちがステージに立つのか」とか、「なぜライブをするのか」というのを、本質で考えなきゃいけないな、と思い始めてきたんです。
最初にやった配信ライブにしても、配信ライブはみんなが始めていて、別に珍しいものではないし、こういう選択肢があることも、みんな知っていた状態で。なおかつ、配信ライブをやるにあたって、ただやるだけでは絶対にダメだと思って。
なぜ自分たちがライブをやっているのかということまで考えると、今までやってたオンステージの布陣のままで配信ライブを届けるのは、自分の中でめちゃくちゃ不自然で。誰も見てない状態だったら、4人が同じ方向を向いてやる形には絶対にならないはず。
そもそも人がいない状態で発生したものであったのなら、どういうことが自然なんだろうと考えたら、やはり内に向いているのが自然だと思ったんです。配信で見てくださっている方がいるのは当然分かったうえでなんですけれど、その場に人がいないことを考えると、4人が同じ方向を向いて演奏をするのは、すごく気持ちの悪いことだなと思って。だったら最初はあるべき形を取るのが自然だし、おそらく向き合った方が一番伝わるんじゃないかなと逆に思ったんです。
それからアコースティックの配信というのも、そのスペシャリティというのを、「じゃあお金を返します。はい、おしまい」というふうにはしたくなかったという部分で考えて。

──なるほど。
渋谷龍太:今回のことは、何でチケットを買うのかとか、何故この陣形を取ってライブやるのかとか、すごく本質的なことから考え直す良い機会になったなと思っています。だからやっている行動は同じでも、バンドの本質はかなり出るなと思っていて。どれだけそれを考えているのか、いかにそれを大事に思っていたのかというのは、嫌な言い方をすると、たぶんバレると思うので。

──それはやはり伝わるものですよね。
渋谷龍太:だから、自分たちが考えてできる最善の選択をしていかないと、バンドとしてどうなんだろうと思って。アイデアもそんなにない中ではありますが、これは僕らの精一杯の行動なんです。
TEXT キャベトンコ
PHOTO 片山拓
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