森久保祥太郎が率いる「JEALOUS」の
住谷哲栄、小林聡を直撃 オーナーは
元半グレ「超怖え‥」 『パラホス』
キャストインタビュー

“ホスピタリティ・アーティスト”、通称ホストとパラパラを融合した異色の音楽プロジェクト『パラホス』。去る10月7日、この『パラホス』世界に存在するふたつのホストクラブ「DREAM LOVE」の面々と「JEALOUS」の面々が歌うCD『僕とで いいじゃない E.P.』と『LOVE JACKAL 君だけ E.P.』が同時リリースされた。
SPICEではDREAM LOVEのオーナー・皇烈生を演じる谷山紀章、さらに対立する店を代表して住谷哲栄と保住有哉のインタビューを実施してきたが、今回はJEALOUSのキャスト陣を直撃。オーナー・LOKI.役の森久保祥太郎と、No.1ホスト・アキ XTを演じる住谷哲栄、No.2ホストであるカール・アレクセイ役の小林聡の3人に『パラホス』や『LOVE JACKAL 君だけ E.P.』の魅力はもちろん、ホスト文化について、パラパラやユーロビート、トランスについてなど、幅広い話を聞いた。

「朝の子ども番組でパラパラを教えるコーナーを担当していました」(森久保)
――パラパラ✕ホストという『パラホス』の企画を初めて知ったとき、面白いことは間違いないんだけど、演じる方々や楽曲を作る人は大変そうだなあ、という気がしたんですけど……。
小林:確かに僕自身、パラパラは世代じゃなくて、なんとなく知っているダンスではあったんですけど、それとホスト文化を掛け合わせるというお話を聞いた瞬間「どうなるんだろう?」っていういい意味での期待や希望しか感じなかったですね。
住谷:僕もそういう感じかなあ。常にマネージャーさんには「何でもやります」って伝えてあるから、今回『パラホス』のお話をいただけたのかな? という気もするんですけど(笑)、企画書から伝わってくるギラギラ感がスゴくて。「キャラクターを演じるだけじゃなくて、ホストとしてパラパラを踊ることになるから」って聞かされたときから楽しくなっちゃっていました。「これは大変なコンテンツになるぞ!」「やったるぞ!」という気持ちになっていました。
――対する森久保さんは?
森久保:僕もNGないんで(即答)。
住谷・小林:あはははは(笑)。
森久保:でもそれは本当のことで、いただけるお仕事は基本的にやらせていただくスタンスではいるんです。しかも今回、僕が演じているLOKI.は、住谷くんの演じるアキ XTや、小林くんのカール・アレクセイが勤めるホストクラブ・JEALOUSのオーナー……一歩引いた立場だという話と、ライバル店のオーナーには谷山紀章さんが声を当てるという話を聞いていたので。そういうことならぜひ引き受けさせていただこうかなって。キャラクターとしてではなく、生身の僕がバンバン表に出て行くコンテンツだと、年齢的にちょっとキツイぞ、というか(笑)。
森久保祥太郎 撮影:福岡諒祠
――ファンは絶対、森久保さんのパラパラも観たいと思うんですけど(笑)。
森久保:ホントですか? やれと言われればやりますけど、観ている側がキツイんじゃないかな? という気がするんですけどね(笑)。ただ、20代だったら住谷くんや小林くんみたいに「絶対にやりますよ!」って即答した気はします。かつてのブームのときには朝の子ども番組でパラパラを教えるコーナーを担当していましたし。しかも今、またパラパラの波が来ている印象もありますから。
――2〜3年前にDA PUMP「USA」がビッグヒットを記録したり、平野ノラのネタがウケた影響もあって荻野目洋子「ダンシング・ヒーロー」がリバイバルヒットしたりと、確かにユーロビートや80〜90年代のトランス、ハイエナジー系の音楽がキている印象はあります。
森久保:ですよね。しかもホストも新時代を迎えている気がするし。
――今、歌舞伎町のビルボードってほとんどがホストクラブのものですもんね。
小林:それにROLANDさんが毎日のようにテレビに出ていたりもしますし。
――だから『パラホス』は実はすごく戦略的。時代にマッチした企画だとは思うんですけど、やっぱりみなさんは大変そうで……。だって森久保さん演じるLOKI.のプロフィールの1行目なんて「半グレ組織の元リーダーで『反逆のコブラ』の異名を持つ」ですよ。
森久保:アニメやゲームのキャラクターのプロフィールとは思えないですよね(笑)。でもこういう極端な役のほうが面白いんですよ。自分と遠い人物のほうが演じ甲斐があるし、派手な役のほうが演じていて気持ちいいですし。
――そしてJEALOUSのキャスト陣に目を転じてみると、アキ XTは「元ヴィジュアル系バンドの拗らせ系ヴォーカル」です。
住谷哲栄 撮影:福岡諒祠
住谷:でも僕も、森久保さんがおっしゃっていたとおりというか。確かにアキXTほどメンタルを拗らせてはいないんですけど、キレたかと思えば、すぐシュンとしたり、ちょっとLOKI.にホメられると調子に乗ったり、感情や表情がポンポン変わるキャラクターを演じるのは楽しかったです。「どうこのキャラクターを動かせば魅力的に映るか」を模索するのはやり甲斐がありました。
――そして小林さんのカール・アレクセイは「ドイツ系ロシア人」です。
小林:国籍や人種からして僕とは違うんですよねえ……。しかも基本的には人間的で温かいキャラクターなんだけど、なにか「恐るべき裏の一面」を持ってる上に、そのために「LOKI.の命令には絶対服従」しているらしいですし。でもここまで自分から遠いキャラクターだとすごく探究心を刺激されます。
森久保:声優にとっては、いただいたキャラクターについて想像したり、想像では足りないところは勉強して仕入れた知識で埋めていったりといった作業が一番楽しいことなんですよね。『パラホス』はまずドラマを録るのではなく、今回リリースしたEPのレコーディングが最初にあったんですけど、歌を歌うことでキャラクターを探っていく作業も面白かったですし。
――素人目には歌声でキャラクター像を作るなんてすごく大変そうですけど……。
森久保:『パラホス』という作品のLOKI.というキャラクターだったからイケたのかな、という気はします。これがもっとセンシティブな人間ドラマだったら、一度芝居をして人物像を掴まないとキャラクターソングは歌えなかったと思うんですけど、「思うことはいろいろあるだろうけど、とにかくぶちかませ!」という勢いありきの作品だったので。EPを聴く方にもまずは歌で『パラホス』やLOKI.の大枠の部分……「こういう世界のこういうキャラクターなのか」という部分を掴んでいただいて、「実はLOKI.ってこういうことを考えてるのかな?」みたいなことは、今後発表されるだろうコンテンツで知ってもらえればいい。そういう展開のさせかたが成立する作品だから「まずは歌声を聴いてくれ」という役作りができたんでしょうね。
――『パラホス』における“ホスピタリティ・アーティスト”とは似て非なるものなのかもしれないんだけど、その役作りをするにあたって、現実のホストを研究したりはしました?
住谷:これまでまったく縁のない世界だったんですけど、僕と小林くんが歌う「LOVE JACKAL」という楽曲にはコールが入っているので、ホストの方が自分のYouTubeチャンネルに上げているコール講座みたいな動画はチェックしました。
森久保:僕は若いとき、彼らもいるような街で遊んでいたし、実際飲み仲間の中にはホストもいたんですよね。あと僕がやっていたラジオにホストクラブのオーナーさんにゲストで来てもらったりもしていたので、けっこう身近な存在ではありました。
小林:僕も地元の友だちに1人、元ホストがいて……。
森久保・住谷:おー!
小林:その友だちが僕が思い描いていたホストのイメージとは全然違ったんです。「なんでホストをやってるの?」って聞いたら「ほかの仕事じゃ見られない景色を見たいから」って言っていて。
住谷:カッコいい!
森久保:でも小林くんの友だちが言うように、ホストって女の子をはべらせてチャラチャラしているイメージがあるかもしれないけど、実はそういう男っぽい野心や男気がないとやっていけないんだろうな、という気はします。さっき言ったオーナーさんも僕より年下なのに「この人になら店を任せられるわ」という芯の強さを感じさせる方でしたから。
――男しかいない職場である以上、実はホストクラブのバックヤードには体育会的なビシッとした空気が漂ってそうですよね。
住谷:確かにホストクラブについて研究していると野球部みたいな印象は受けました。下積みのころは野球部の新入生の球拾いのごとくお酒を飲み続けなきゃいけないんだろうし、上に行ったら行ったで、そういう下積みの子たちの面倒を見なきゃいけないんだろうし。きらびやかなイメージの裏には実は泥くさい男社会が広がっているんでしょうね。
――そしてみなさんはそのきらびやかながらも泥くさいキャラクターに声を当てると同時に、2.5次元的にそのキャラクターとしてステージにも上がることになる。
小林聡 撮影:福岡諒祠
小林:だから一般的なアニメやゲームのキャラクターを演じるときとは一線を画す感じはあります。ちゃんと人間味があって、お客様がリアルな小林聡像も感じられる演じ方をしなきゃいけないなと思っています。
住谷:そこが一番難しい気はします。僕が演じるアキもそうだし、LOKI.もカールも含めて当店には、谷山さんが演じる皇烈生がオーナーを務めるDREAM LOVEのキャストに比べてクセが強すぎるキャラクターしかいないので(笑)。クセは強いんだけど、お客様にとってウザくなりすぎない温度感を探ることには気をつけました。アキであればJEALOUSのNo.1ホストであるというオラオラ感を前面に出しつつも、どこかかわいげを残すように意識しました。
森久保:その点、僕はそこまで問題はない。みなさんにご迷惑をおかけしないんですけどね(笑)。
――先ほどおっしゃっていたとおり、住谷さんや小林さんに交じってパラパラを踊ることはまずないだろう、ホストクラブのアラフォーオーナーという立場だから、と(笑)。
森久保:今回のお話を引き受けたのは、そういう理由で、ですから(笑)。まず声優自身もそうだし、ファンの方も以前とは作品の捉え方が違っていると思うんです。これまでだとまずはキャラクターありきで、その次に声優の人気がついてくるというウケ方をしていたし、実際そうあるべきだったと思うんです。でも、今はいろんな作品においてリアルとコンテンツのクロスオーバーやメディアミックスが進んでいて。声優もそれを楽しんで演じているし、ファンの方もクロスオーバーしていることを楽しんでいるんですよね。特に『パラホス』はその点……住谷くんや小林くんみたいな若手の声優がパラパラを踊る姿も楽しもうという狙いもある作品だから、それを影から見守るオーナーとして、安心してこんな派手なシャツを着させてもらってます(笑)。しかも谷山紀章という人がライバル店にいてくれることもすごくいいんですよ。
――先ほども谷山さんがキャスティングされていたから『パラホス』のオファーを引き受けた面もある、とおっしゃってました。
森久保:作品によってはひと回り下の世代の後輩たちと一緒にステージに上がって歌わせてもらっている作品もあるんですけど、そういうとき僕の世代の役者がほかにいないと、僕ひとりが平均年齢を上げちゃってるみたいで申し訳なくなるので(笑)。
――でも『パラホス』には同世代の谷山さんがいる、と(笑)。
森久保:逆に僕ひとりだけ年上だと、若い役者さんは萎縮しちゃってたとも思いますし。でも僕と同じ立場の谷山くんもいれば僕自身安心できるし、若い役者さんたちも「あっ、『パラホス』はそういう仕組みになってるんだな」って理解しやすいのかな、とも思いますし。
……なっ? 先輩は先輩でいろいろ考えてるし、気を遣ってるんだよ!
住谷・小林:ありがとうございますっ!(笑)
――ちなみに住谷さん、小林さんから見たLOKI.というオーナーはどういう人物ですか?
住谷:まあ怖えな、と(笑)。
森久保:半グレ組織の元リーダーだもんね(笑)。
住谷:はい(笑)。でも『パラホス』の世界で頂点を目指そうとする野心にあふれているし、その点において一本筋が通っているので、さっき言っていた実際のホストさんっぽさがあるな、とは思っています。……あっ、アキに対する圧が強すぎるのはちょっと勘弁してもらいたいです(笑)。
小林:その点、カールはLOKI.のことを尊敬しているし、がんばって付き従おうとしているし、LOKI.もカールのことを自分の右腕として見てくれている印象があって……。
住谷:その立ち位置、ズルいよね。アキはNo.1ホストのはずが店の問題児扱いなのに。
小林:ごめん(笑)。でもLOKI.はアキに対してもアメとムチを使い分けている気がしていて。アキを全否定はしない。「お前はそこがいいところなんだから伸ばしていけよ」って感じて常に見守っているし、アキもそれに応えようとがんばっている。
森久保:うん。アキに対しては「アイツ、オレのこともホストのこともナメてるよね?」「『オレ、ホストもイケるっしょ』と思ってねえか?」という気はするんだけど(笑)、バンドの世界で1回頂点を見ているキャラクターでもあるから。調子に乗るのもわかるし、そこで培った経験や知識やフォーマットってホストの世界を使えるはずっていう期待もあるんですよね。ただ、かつてのフォーマットをなぞるだけだと新しい世界では成り上がれない。だから厳しく当たることでハッパをかけているんですけど、カールは謎なんだよなあ。まず、なんでLOKI.に服従してるの?
小林:たぶん今後明かされると思います(笑)。
森久保:だから小林くんはLOKI.の右腕としてがんばるって言ってるけど、LOKI.にしてみればカールとの関係や距離感がイマイチつかめないんですよ。正直、アキのほうが扱いやすい。カールはわかんない!
小林:すみませんっ!(笑)
住谷:というわけで、JEALOUSはそんな感じのお店です(笑)。
撮影:福岡諒祠
「レコーディングではスタッフさんの「もっともっと、イケるよー」に乗せられました」(小林)
――で、10月7日にそのJEALOUSの面々が歌うCD「LOVE JACKAL 君だけ E.P.」がリリースされました。まずは住谷さんと小林さんが歌う「LOVE JACKAL」についてうかがいたいんですけど、最初のお話のとおり、実はおふたりは、この手のアッパーなユーロビート、ハイエナジーにはそれほどお馴染みはなかった、と。
住谷:でもこれもさっきの話になっちゃうんですけど、2〜3年前から流行が復活していることもあって、けっこうスッと受け入れられました。
小林:僕もそうですね。ゲーム……特にクルマのゲームや音楽ゲームが好きなんですけど、そのサントラに似ている印象もありますし。
森久保:確かにレースゲームや音ゲーのBGMってユーロやトランスのイメージがあるよね。
小林:だから「LOVE JACKAL」みたいな曲は新鮮ではあったものの、実はどこか馴染みがあったから気持ちよくハマれました。
――ただ、これもさっきのお話のとおり、そのレコーディングでアキとカールという役を作らなければならなかったんですよね。
小林:しかも僕は歌のレコーディングというもの自体初めてだったので、ちょっと苦戦するかな、と思っていたんですけど、レコーディングスタッフさんのノリがよくて。「自分は自分の考えるカール像のまま、思いきり歌うだけだ」って覚悟を決めてスタジオに入ったのに、みなさん、僕がちょっと歌うたびに「もっともっとー!」「イケるよ!」って、それこそホストみたいなコールを入れてくれて(笑)。それでさらに気合いが入ったし、レコーディング自体はすごく楽しかったです。僕が先にレコーディングしたから「このあと住谷くんはどう歌うのかな?」って興味もありましたし。
住谷:僕もスタッフさんに「もっともっと!」って煽られながら歌っただけなんですけどね(笑)。アキは元ヴィジュアル系バンドのヴォーカリストだから、僕なりにV系の歌い方を研究しておいたんですけど、スタッフさん的にはそれでは足りなかったみたいで。「もっといっちゃって!」って言われ続けることになり。ホントにあれはレコーディングのディレクションというよりも、ホストの煽りでしかなかったです(笑)。
森久保:確かにレコーディングのとき「もっともっとー!」しか言われなかった気がする(笑)。
――森久保さんは「LOVE JACKAL」をお聴きには……。
森久保:聴きました、聴きました。住谷くんと小林くんの声の相性がいいから歌声はもちろん、途中で入るコールも映えるし、すごくまとまっててカッコよかったです。
――なんなんでしょうね?アキとカールのあのコンビ感って。
小林:もともと養成所の同期だからなんだと思います。『パラホス』の企画書をもらったとき「おっ、住谷哲栄って書いてあるじゃん!」と思って、電話したら「あっ、オレももらったわ」って返ってきて。「一緒にがんばろうぜ」って話になったりもしましたし。
森久保:さっきそれを聞いて「それはエモい!」と思ったんだよ(笑)。
住谷:僕は企画書をもらったとき「小林聡…ん? もしかして?」「でもよくある名前だしなあ」って思ってました……(笑)。
森久保:ヒドいな、おい!(笑) でもそのくらい久しぶりだったの?
住谷:僕も嬉しかったですよ!「いつか現場で会えるように頑張ろうぜ」みたいな話も最後にしましたし、養成所を卒業して以来、2年ぶりの再会でしたね。
――一方、森久保さんが歌うのは、L'Arc-en-Ciel「READY STEADY GO」のユーロビートバージョンです。
森久保:原曲が爽快なギターロックなので、ユーロにしてもハマるだろうな、っていうイメージは「『READY STEADY GO』をカバーしてもらいます」というお話をいただいたときからありました。しかもレコーディング中は僕もスタッフさんの「もっともっとー!」にノせられれて吠えまくっていただけだから、めっちゃ面白かったですね。実は僕、以前HYDEさんがHYDE役で出演する作品に出演したことがあって。その作品ではHYDEさんプロデュースの楽曲を歌うことになっていたんですけど、そのときHYDEさんに寄せた歌い方をしなければならないという地獄のような体験をしていて……。あんなに歌えるわけじゃん! っていう感じだったんですけど(笑)、それに比べたらすごく楽しかったですね。あと、確か僕がもらったデモの仮歌を歌っていたのが……。
スタッフ:DREAM LOVEのキャスト・九鬼宗次郎役の清家光亮くんですね。
森久保:ですよね。レコーディングのときにお会いして「実は僕もキャストなんです」って言われてビックリして。で、彼の歌がすごくカッコよかったから、原曲を大胆にアレンジした「READY STEADY GO」ではあったんだけど、曲の世界をイメージしやすかったんです。唯一心配だったことがあるとすれば、ライバル店のことかなあ。
――DREAM LOVEのことが心配だった?
森久保:ほら、向こうのオーナーって“歌オバケ”じゃないですか(笑)。
――確かに谷山さんはすごいボーカリストですけど、森久保さんもソロアーティスとしてのキャリアも長いし、キャラクターソングもたくさん歌っている。しかもどれもカッコいいし、ご自身も十分“歌オバケ”な気がしますけど……。
森久保:でも僕の歌がカッコ悪かったら、悔しい上に、JEALOUSの若いモンに示しがつかなくなるじゃないですか。そのプレッシャーがあったから、声優として活動していて初めてっていうくらい谷山紀章という存在を意識していたかもしれない(笑)。
――住谷さんと小林さんにとって、そんな森久保さんに対する印象って?
住谷:まず「READY STEADY GO」であれば、歌の入りから最後まで、LOKI.らしい反逆感が全開になっていたので、本当にカッコよかったし、勉強させていただきました。
小林:原曲自体がTVアニメ『鋼の錬金術師』のテーマソングという、有名なアニソンでもあるんだけど、当然負けていないというか。「READY STEADY GO」とユーロビートやトランスと森久保さんのボーカルが合体したらスゲーことになるんだろうな、と思っていたら、実際「そうだよね!」という音源になっていましたから。カッコよくもあり、オーナーとしての威厳や圧も感じさせてくれる。今の僕には絶対に出せない、得体の知れない凄味を感じました。
――一方、役者さんとしては?
小林:レジェンドですね。僕、子どものころに『ロックマンX』というゲームをディスクが擦り切れるくらいやり込んでいたんですけど……。
森久保:CDって擦り切れるの!?
小林:毎日遊んでたらゲーム機が読み込まなくなっちゃったんです。ほかのゲームは全部読み込むのに。で、その『ロックマンX』のX役の声が森久保さんなんですよ。
森久保:ちょうど今の小林くんくらいの年齢のときにやった役かな。まだ業界のことがよくわからなくてドキドキしながら仕事をしていたころ。
小林:当時子どもだった僕がその方と一緒にお仕事をさせていただけるようになったのはやっぱり光栄なことだから、それこそLOKI.にとってのカールのように、僕も森久保さんに右腕になれればいいな、と思っています。
――住谷さんにとっての森久保祥太郎という役者さんはどういう存在ですか?
住谷:小林くんと同じですね。今振り返ってみると、声優という職業の存在すら知らなかった子どものころから、いろんなアニメでその声を聞いていたし、大きな影響も受けていて。『メジャー』を観て野球を始めたりとか。
森久保:影響されすぎだよ!(笑)
――確かにお話を聞いていて「森久保さんって大変だなあ」って思いました。当時の若者の人生を変えちゃっているわけだから。
森久保:僕のせいじゃないですよ!
――でも隣に(茂野)吾郎に憧れて野球を始めた子がいますよ?
森久保:それは(『メジャー』原作者の)満田(拓也)先生のせいです!
住谷・小林:あはははは(笑)。
住谷:しかも僕、吾郎と同じように右利きからサウスポーに転向しようともしていて……。
森久保:あー! そういうのはオレにもあった。ボールは友だちだと思ってた(笑)。
住谷:あと、小学校高学年から中学生にかけては『NARUTO -ナルト-』の奈良シカマルも好きになって。ちょうど思春期が始まったころだったこともあって、なにかというとシカマルみたいに「めんどくせぇ」って言ったりもしてました(笑)。
――ホントに影響を受けまくってますね(笑)。逆に森久保さんから見た住谷さん、小林さんの印象は?
森久保:まだEPのドラマパートのお芝居しか聴かせてもらってない……しかも現場で一緒になったわけではないから、役者としてどうこうを語るのは違うと思うんですけど、養成所で一緒だったっていうストーリーにはグッとくるものがあって。今、こうやって話しているのを聞いていても、いいコンビになれるんじゃないかな、という気がしています。あと「何でもやります」みたいな大胆な発言ができるのもいいな、と思っていて。僕が若かったころの業界と今の業界では雰囲気が全然違うから、逆に今の若手がなにを考えていて、なにをするのか? そしてどうなっていくのかを見てみたいですね。
――新型コロナ禍がなければ、それこそ飲みに行ってじっくり語り合ったり。
森久保:そうだ! まずは酒から教えなきゃいけないですね。オレも飲まれるのはけっこう得意ですから(笑)。
小林:お供しますっ!(笑)
森久保:でも本当に僕が20代だったころの常識の中には今では当てはまらないものもたくさんあるだろうから、若手には「どんな新しいことをしてくれるだろう」っていう期待しかしてないんです。ただ、その今の業界を形作っている土台の部分には本当に普遍的で基本的なノウハウやマナーみたいなものは確実にあるから、もし道に迷うようなことがあれば、遠慮なくディスカッションしに来てほしいなと思っています。僕の経験が彼らの道を切り拓く手助けになればいいし、逆に僕はふたりの感性を勉強したいし。だから「レジェンド」って言ってくれるのはもちろんうれしいんだけど、先輩・後輩というよりは、一緒に『パラホス』を作り上げていく仲間だっていう意識のほうが強いんですよ。
取材・文=成松哲 撮影:福岡諒祠

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