のん、橋本愛との7年ぶり共演に緊張
「全然呼吸ができなかったです」 映
画『私をくいとめて』舞台挨拶で喜び
を語る

11月5日(木)、東京・EXシアター六本木で行われた『第33回東京国際映画祭』の「TOKYOプレミア2020」部門で映画『私をくいとめて』が上映された。上映前の舞台挨拶には、主演ののん、林遣都、橋本愛、メガホンをとった大九明子監督が登壇した。
『私をくいとめて』は、『蹴りたい背中』で芥川龍之介賞を受賞した小説家・綿矢りさ氏の小説を実写映画化したもの。主人公は、脳内で正しい答えを出してくれる相談役“A”を持ち、30歳を越えてもひとりきりで楽しく生活する女性・黒田みつ子。平和な“おひとりさま”生活を満喫するみつ子は、年下の営業マン多田くんに恋をし、勇敢になれない自分に戸惑いながらも、一歩前へふみだすことを決意する。メガホンをとるのは、『勝手にふるえてろ』の大九明子監督。女優・創作あーちすと・のんが、脳内に相談役“A”をもつ31歳の黒田みつ子を演じ、みつ子が恋をする多田くん役で、林遣都が出演。林は、本作でのんと初共演を果たしている。そのほか、臼田あさ美、若林拓也、片桐はいりがキャストに名を連ねている。

第30回東京国際映画祭で観客賞を受賞した『勝手にふるえてろ』に続き、原作・綿矢氏と大九監督が再タッグを組んだ本作。監督が原作を知ったのは、ちょうど『勝手にふるえてろ』を仕上げている最中に、周囲から「綿矢さんの新作読んだ?」と聞かれる機会が増えたことがきっかけだったという。大九監督は、「『勝手にふるえてろ』では、主人公をモノローグで描かれている小説を会話劇にして映像化させていただいたのですが、本作ではまさにそのようなことが行われていると。主人公が脳内相談役“A”としゃべってるよ、と聞いて、すぐさま書店に走りました」と当時の様子を振り返る。さらに「最初は映画にするつもりはなく読んでいたのですが、もし他の誰かがこの作品を映画にして、私の好きな綿矢文学の世界が、私の期待しているものとは違う形で映画化されたらいやだなと思い、すぐにシナリオを描いた次第でした」と告白していた。
主演ののんは、「みつ子を演じられたのは、すごく楽しい時間でした」と振り返り、笑顔を見せる。そして、「台本を読んだり、原作を読んだりしながら、みつ子の“痛み”はどこにあるのか、いつも探していました。原作を片手に台本を読んで、大九監督が書かれたみつ子のセリフや感情を探るために、原作本は攻略本のようにして、セリフを解釈していきました」と役作りに触れ、「みつ子が買いそうな雑誌も買ったりしました。カフェの本や旅行の本も読んだりして、みつ子の好きそうなものに丸を付けたり。おひとりさまを楽しむ実感という作業も大切にしました」と明かした。
林遣都
みつ子が想いを寄せる多田くんに扮した林は、のんとの初共演について、「一緒にお芝居をしてすごく楽しかったです」と述懐。さらに、「普段おだやかな印象から、お芝居が始まり本番スタートの声がかかった瞬間、一気に目の色が変わるというか。吸引力があって、常にのんさんのそういう部分に突き動かされていました」と語った。また、林は「原作では“多田くん”のことがたくさん描かれているわけではないので、ヒントが少ない脚本から少しずつ想像して膨らませながら、大九監督の演出を楽しめるように現場に挑みました」と回顧。さらに、「自分の想像を上回る演出が毎日飛んでくるので、それが楽しくて。“もっと演じていたい”という気持ちがピークに達したところで撮影が終わってしまってたので、思わず“僕もっといろいろやりたいです”と口走ってしまった気がします」と告白し、会場の笑いを誘う場面も。そして、自身の役柄について、「本編の映像を見たときに間違いなく、“見たことのない自分”だったので、それがとても嬉しかったですね」と語り、手ごたえをにじませていた。
橋本愛
みつ子の親友・皐月を演じた橋本愛は、のんとNHK連続テレビ小説『あまちゃん』以来7年振りの共演となった。撮影について、「(のんと)久しぶりにお会いした日が、ラストシーンの撮影で。そのシーンでは二人の役どころ、関係性がエンディングを迎えているのに、私たちは久しぶりすぎて照れてヘラヘラしてしまって段取りどころじゃなくて(笑)」と笑いを交えながら語る。そして、「でも、『これは大変だ!』と思って、ふたりで本読みをしたのですが、軽くやっただけなのにものすごいスピードでふたりの関係性が埋まっていく実感があって、魔法のようだなと思いました」と笑顔を見せる。さらに、「のんちゃんの瞳からいろんな感情がたくさん伝わってきて、セリフ以上に心の言葉で会話するような瞬間をたくさんすることができて。電気が走るような快感でした!」とのんと共演した喜びを語った。
一方ののんは、「撮影前日は『明日は愛ちゃんと撮影だ』とワクワクしていたのですが、実際に会ってみると恥ずかしくて緊張して、目が合わせられない!みたいな(笑)。数年ぶりにお会いしてみて『美しさが増してる!』と思って、全然呼吸ができなかったです」とコメント。さらに、「本読みは愛ちゃんから誘ってくれて、みつ子と皐月として心を通わすことができて、あれだけ緊張していたのに、自分の中では愛ちゃんとお芝居することがすごく自然なことだったんだなって気づくことができて。本当に楽しかったです」と楽しそうに振り返った。
左から、橋本愛、のん、林遣都、大九明子監督
イベントの最後には、ファンに向け、キャスト陣と監督がそれぞれコメント。橋本は「たくさんの苦しみや痛みを乗り越えながらも、周囲の人々と“繋がっていく”みつ子の姿に勇気をもらって、お帰りになってもらえたら嬉しいです」、林は「一度では味わいきれない面白さがある大九監督ワールドとユーモア、遊び心が満載な作品です。ぜひ何度も見ていただきたいです」、のんは「自分の中にあるみつ子的な部分を全肯定してもらえる作品になっていると思うので、気分よく会場を後にしていただける映画に仕上がっていると思います。ぜひ楽しんでください」とアピール。大九監督は「この映画には、みつ子と多田くんのラブストーリーという側面もありつつ、妊娠してイタリアに飛び立った皐月、上司の澤田など、色々な人との出会いや別れがある作品です。いろんなことがあって撮影が中断することもありましたが、今日この日を迎えることができて本当に嬉しいです。どうか旅するような気分で楽しんでもらえたら」と呼びかけ、イベントを締めくくった。
『私をくいとめて』は12月18日(金)より全国ロードショー。

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