我儘ラキア、「私たちと一緒にこれか
らも前に進んで行って下さい!」 期
待が確信に変わったツアーファイナル
O-EASTをレポート

我儘ラキア『Killboredom TOUR 2020 supported by MAWA LOOP TOKYO EXTRA 2020』

2020.11.08 TSUTAYA O-EAST
11月8日、東京・TSUTAYA O-EASTにて、我儘ラキアが『Killboredom TOUR 2020』のツアー最終公演を行った。本来ならば6月より開催予定だったが、新型コロナの影響で全公演が延期となっていたこのツアー。9月にようやく振替公演をスタートすることが出来て、ついにたどり着いた最終日。会場には感染予防防止で多くの規制もある中、開催を長い間待ち焦がれた満員のファンが集結! コロナによる自粛期間中、心が不健康になっていくのを感じながら、音楽やライブが不要不急なんかじゃないことを改めて感じた人はたくさんいるはず。開演前から、観客の巨大な期待が会場内に充満しているのが伝わってくる。SEが鳴り、薄暗いステージ上に映る、4人のシルエット。ドラムカウントで始まった突き上げるバンドサウンドと星熊南巫の「ツアーファイナルへようこそ!」のシャウトから「My life is only once」でライブが始まると、フロアから熱い拳が一斉に上がる。声を上げることこそ出来ないが、ビシバシと伝わってくるみんなの興奮と喜び。そう、僕たちはこの瞬間を長い間待ち望んでいたのだ。
我儘ラキア
全国ツアーを経て強靭さを増したバンドサウンド、自信に満ちた歌とダンスで魅せる4人。ファイナルに賭ける気概に満ちた星熊が溢れる想いをまくし立てると、MIRIがラップで観客の気持ちを煽りまくる。堂々としたパフォーマンスで圧倒した「Why?」でMIRIの高速ラップがさらにステージの熱量と回転数を上げると、「ジャンプする準備は出来てますか?」と始まった「Reboot with...『 』」に観客が飛び跳ねて手を振り合わせ、フロアの熱気も急上昇! 続く「Trash?」では、激しいダンスビートに観客が会場を揺らし、その光景に凛々しい表情で踊る4人も思わず笑顔を浮かべる。
MIRI
川﨑怜奈

MCでは「コロナがあって、当たり前の日常が当たり前じゃなくなって。すっげぇ一人だなと思った時もあったけど、そのみんなの退屈を殺すのが『Killboredom TOUR』で。音楽って本当に必要だなってことをツアーで証明したいと思ってます」と熱っぽく語り、「だってやっとさ、こんだけの人の前でライブが出来るようになって、生の音が聴こえるようになったんだよ? 凄くない?」とみんなに会えた喜びを語ったMIRI。言葉も通じて会場中の気持ちを改めてひとつにすると「くだらない日々なんて全部捨てちまおうぜ!」と再び熱気を急上昇させ、「ゼッタイカクメイ」で共鳴を響かせる。
我儘ラキア
我儘ラキア

会場中が手拍子合わせて一体感が生まれた「Precious Time」に続き、「コロナ期間中もみんなに会えると信じてきた」と海羽凜がファンに伝えると、「過ごしてきた日々は間違いじゃなかった。一緒に心の中で歌って下さい」と始まった曲は「Days」。<声が届きますように>と、4人の願うような歌声が生で胸に響く現状に、<僕らが過ごしてきた日々は間違いじゃなかった>の歌詞が説得力を増す。続いてみんなの居場所を指し示すように「The Reason」を美しく丁寧に届けると、早くもライブは後半戦へ。
星熊南巫
海羽凜
短いMCを挟み、川﨑怜奈のキュートな攻撃性、海羽凜の妖しい色気、MIRIの切れ味鋭いラップ、そして星熊南巫のたくましくエモーショナルな歌声とそれぞれの魅力が絶妙に重なり、我儘ラキアの強烈な個性を放った「RAIN」、高ぶる感情をMIRIのラップがさらにブチ上げた「Reflection」に続き、「お待たせしました、新曲持ってきました!」と星熊の曲紹介で始まったのは、12月リリースのミニアルバム『WAGAMAMARAKIA』収録の新曲「SURVIVE」。初披露ながら、突き上げるビートと躍動感ある曲調で聴く者の心をガッチリ掴み、ライブは最高潮の盛り上がりを生みだす。と、ここでステージに異変が起きる。楽曲終盤、静かにステージを去っていったMIRI。ライブはそのまま続行し、会場中で振り付けを合わせた「Leaving」、たっぷり気持ちを込めた歌声を届けた「Melody」を3人で歌い上げて大きな拍手が起きるも、観る者に不安がよぎる。

星熊南巫

アンコールの手拍子を受けて、MIRIを除く3人で登場したラキア。ここで星熊がMIRIにトラブルがあったことをファンに告げる。その言葉に少し動揺した観客だったが、「このまま最後まで3人でやらせていただきます。MIRIの分までちゃんと自分たちが歌うので安心してください」と表情ひとつ変えずにライブ続行を宣言する星熊に、フロアからは温かい拍手が送られた。さらにツアー中、たくさんの迷いもあったこと、色んな場所で色んな挑戦をしてきたことなどツアー振り返りを語った星熊。「私たちと一緒にこれからも前に進んで行って下さい!」と力強く告げ、「Don't fear a new day」を披露。MIRIのパートを川﨑のリードで支えるなど、一人欠けたことの危うさを感じさせないたくましいパフォーマンスで明るい明日に足を進める勇気と覚悟を表す。ラスト「There is surely tomorrow」はツアーを締めくくるに相応しいアグレッシブなバンド演奏、オーディエンスの心強いクラップに乗せて、3人が全力のパフォーマンスを披露。観客の惜しみない拍手に「ありがとうございました!」と深々お辞儀をして、ツアーを無事締めくくった。4人でツアーを走り抜けることが出来ず、悔いの残る最終公演ではあっただろうが。この経験も彼女らをより強くしてくれることだろう。
我儘ラキア
図らずも4人揃った時の我儘ラキアのたくましさと、例え1人欠けても揺るがない我儘ラキアの強靭さのどちらも見ることが出来たツアー最終日。星熊がMCで「音楽、国、性別の壁を超えていこうという目標があるから、立ち止まってる場合じゃない」と語ってたように、彼女らにとってここは大事な一日でもありながら、あくまでも通過点。ライブが出来ない期間や数々の試練と立ち向かった全国ツアーと幾多の困難を乗り越えて、たくましさと強靭さを増した彼女らが、大きな目標に向けてさらに突き進む姿を今後も見届けたい。

取材・文=フジジュン 撮影=Teppei Kishida
我儘ラキア

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