タイからデビューをつかんだMindaRy
n「アニソンシンガーの世界はまだ始
まったばかり」

タイ出身YouTuberとしてアニソンカバー動画の投稿やイベント出演などの活動をするなかで、「アニソンシンガーになる」という夢をかなえたMindaRyn。デビューまでの経緯や歌への気持ち、TVアニメ『神達に拾われた男』のエンディングテーマとなった「BLUE ROSE knows」について語ってもらった。

●目指していたアニソンシンガーデビュー「本当の話になってすごくうれしかった」
――YouTubeを観たのですが、歌もトークも、ものすごく日本語がお上手で驚きました。全部独学で勉強されたんですか?
私はアニメが大好きなので、「みんなの日本語」という本を買って自分で勉強していました。今も日本語の先生についてもらって勉強しています。
――なるほど。YouTubeでは歌だけでなくギターやピアノの演奏もされていますよね。そちらはどのように練習したんですか?
タイにいるときは自分で練習していました。日本に来てからはギターレッスンとかボイストレーニングとか日本の先生に教えてもらって勉強しています。
――子供のころにアニソンシンガーになるこという夢を持って、YouTuberとして活躍するなかで、タイだけでなくインドネシアや台湾、シンガポールのコンベンションイベントにも出演されました。そういったイベントに出演して、夢に近づいているなという感覚などはありましたか?
そのときは自分の曲がなくて、ほかのアーティストさんの曲を歌っていました。皆さんからCheer up(=元気づける)をもらって、気持ちがすごくいいなあと。私も自分の曲を歌って、こんなふうにみんなも一緒に歌ってくれるようになりたいなあと、そういう気持ちも出てきました。
――カバーで歌っていた曲に対するオーディエンスの反応や声援を受けて、自分の歌を届けたいという気持ちがより強くなったと。
はい。アニソンシンガーになることは私の夢なので、本当の話になってすごくうれしかったです。
――デビューが決まって直接ランティスのスタッフの方ともお話をするようになったと思うのですが「なんで私を選んだの?」「どういうところが魅力だと思ったんですか?」というお話はされましたか?
聞いてないですね(笑)。
――逆に、自分ではどういったところが評価されたと思っていますか?
たぶん私はタイ人で海外の人だけど日本のアニメが大好きなので、そこだと思います。
撮影:JOKEI
●日本での生活は「思ったよりリラックスできています」
――ランティスではJAM Projectの方たちを中心に10年以上前から海外でのライブを積極的にされていたので、そこから海外のアニメファン、アニソンファンが日本でデビューするというのは撒いた種が実ったような印象があります。MindaRynさんのご家族の方も日本文化が好きということですが、日本でデビューすることについてどういった反応をされていましたか?
私のお父さんは日本のことが大好きですけど、デビューすることには、日本で住むことになるのでちょっと心配していました。だけど、「これはとってもいい経験だよ。頑張ってね」と言ってくれました。お母さんは食べ物とか心配してくれて、毎日LINEでタイの料理のレシピを送ってくれます。
――日本に来てみて、タイにいるときにイメージしていた日本との差を感じるところはありますか?
カルチャーショックみたいなことはけっこうあったけど、もっと好きになるようなところがいっぱいありました。たとえば、日本はとってもきれいで、トラッシュ(ゴミ)がぜんぜんないイメージがあって、Beautiful Countryだと思います。あとは、みんなとっても自分のことに厳しいというイメージがありました。実際はみんな仕事のことは厳しいけど、優しい。だからそんなにストレスじゃないです。思ったよりリラックスできています。
――それは良かったです。Twitterやインスタグラムを見ていると、鎌倉や長崎のハウステンボスなど、いろいろなところに出かけられていますよね。そのなかでいちばん思い出に残っている場所はどこですか?
ハウステンボスがとってもきれいでした。タイであまり有名ではなかったんですが、本当にきれい。私が行った日本のテーマパーク……ディズニーランド、USJ、富士急ハイランド、ハウステンボス。この4つのなかで今いちばん大好きなのはハウステンボスです。
――アトラクションやキャラクターよりもきれいな景色が良かったんですかね。
うんうん、昼の景色も夜のイルミネーションもすごくきれいでした。
●「BLUE ROSE knows」の聴きどころは「やっぱり……落ちサビ」
――アニメ『神達に拾われた男』をご覧になった感想は?
このアニメはファンタジーワールドのアニメですけど、そんなにアクションは多くないですね。もっと癒される、リラックスした、ハートタッチングなアニメなので観るときはとてもリラックスしています。
――いわゆる「異世界転生もの」というジャンルの作品ですけど、そういう設定はタイの人の価値観・宗教観から見てなじみやすいものだったりするんですか?
タイ人も大好きですね。この前も『転生したらスライムだった件』がありましたね。これは、タイでもとっても人気です。だから、タイの皆さんもこのアニメは大好きです。
――「BLUE ROSE knows」を聴いたときは、どんな曲だと思いましたか?
この曲は、アニメのエンディングテーマ曲なので『神達に拾われた男』のストーリーとリンクした歌詞になります。伝えたいことは、「自分の人生は自分だけのものなので、やりたいことをしてください、楽しいものにしてください」という曲で。主人公のリョウマ君は新しい人生をもらって、新しい世界に生まれて、そのことは自分と似ていると思って、とってもこの曲からパワーをもらいました。日本は私にとっての新しい世界みたいなものなので。そういう感じで伝えたいですね。
――アニメでは転生するときに神様達と面談をしていましたが、ここにいるスタッフの皆さんがMindaRynさんにとっての神様のような存在ですかね。
そうです、神様ですね(笑)。
――すごくまっすぐでフレッシュな歌声で歌われていますよね。そのなかでも「ここはいちばん歌っていて気持ちいい」というところはありますか?
私はやっぱり……落ちサビ?
――落ちサビ!
すいません、(言葉を)間違えましたか?
――いえ、「落ちサビ」という言葉が普通に出てくることにビックリして。日本でしか使わない言葉だと思っていたので(笑)。
ああー(笑)。最初のレコーディングのとき知らない言葉が出てきました。なんか「Aメロ」「Bメロ」とかの単語にずっとビックリしました。でも慣れました。
――なるほど。落ちサビのどういったところが聴きどころなのか教えてもらえますか?
リズムもスローになって私の声と歌詞がもっとクリアになる。だから、私の声と歌詞とかをみんなに聴いてもらえたらうれしいと思います。その前の演奏のところも、とてもおススメです。だから、演奏のところから落ちサビまで聴いてください。
――YouTubeのほうではギター一本の弾き語りで披露されていますよね。MindaRynさん個人としてはどういった曲が好きなんですか?
私はロックも好きですけど、得意なスタイルはバラードやスローソングですね。「Sincerely」(TVアニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』オープニングテーマ)みたいな曲が大好きです。
◆「私にとってアニソンシンガーの世界はまだ始まったばかりなので、全部が新しい」
――シングルには、その「Sincerely」をEnglish versionでカバーしたものが収録されます。歌ってみていかがでしたか?
(原曲の歌手)TRUEさんのことも大好きで、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』も大好きで。この曲の歌詞はとってもヴァイオレットちゃんを思い出しますので、この曲が大好きです。そして、English versionの歌詞もとても綺麗で、感動しました。
――YouTubeでは「Sincerely」をはじめいろいろな方の歌をカバーして公開していますよね。たとえば「紅蓮華」だったらLiSAさん、といった元のアーティストの歌い方を参考にしたりはしているんですか?
TRUEさんやLiSAさんのスタイルは、伝えたいことがとてもわかります。でも、歌うときは自分の型で伝えたいので、似せようとはしていないです。
――MindaRynさんのスタイルで歌っていると。「BLUE ROSE knows」はオリジナルになりますから、誰かがカバーをして歌うようになるかもしれません。
待ってます。楽しみにしています、はい。
――自分の曲を誰かほかの人にカバーしてほしいという気持ちは強いんですか?
もし(カバー動画が)あるなら、とっても嬉しいと思います。
――カバーといえば、遠藤正明さんと歌った「君の知らない物語」が先日公開されていましたね。
すごく嬉しかったです。遠藤さんと対面したとき。
――どんな方でしたか?
すごく優しい人ですね。大先輩ですごく人気のある人なのに、私と歌ってくれて本当に嬉しいです。
――タイでアニメを観ながら聴いてきた歌手の方たちとセッションしたり番組に出るというのはどういう気持ちですか?
私にとってアニソンシンガーの世界はまだ始まったばかりなので、全部が新しいことになります。とっても楽しかったけど心配することもあります。難しいことは絶対にあるじゃないですか、でもこれから頑張りたいという気持ちですね。
――夢はあります?「ここで歌いたい」「この人と一緒に歌いたい」とか。
夢は、これまでの夢は自分のアニソンを歌うことで、今は本当になりました。この夢を守りたい、もっとアニソンの世界のことをチャレンジしたいです。たとえば人気のステージ、もっと大きなステージ、アニソンコンベンションとかに出演したいですね。
――それこそ『アニメロサマーライブ』とか。
そうですね、去年もその前も『アニサマ』を観に行きました。
●「日本でもほかの国でも、アニメはコネクター」世界中の人に愛されるような歌手に
――タイから観にきていたんですね。ちなみに、「この曲を聴いてアニメ、アニソンにハマった」というきっかけはありますか?
きっかけは『デジモンアドベンチャー』の「Butter-Fly」だと思います。『デジモン』は私が小学生くらいのときにとても人気でした。タイ語バージョンもあって、最初はタイ語バージョンを歌って、そして日本語バージョンも歌って。うん、「Butter-fly」が大好きです。あと、アーティストになりたいと思ったきっかけはたぶんYUIさん。ギターとかもYUIさんみたいになりたいと思って。YUIさんを知ってからは、もっとミュージックのことを勉強しました。
――「CHE.R.RY」とか。
「CHE.R.RY」も大好きです。あとは「Good-bye days」とか「Rolling star」とか。
撮影:JOKEI
――YouTubeでは弾き語りもされていますけど、今後お客さんを前にしたライブで弾き語りをすることもあるかもしれませんね。
かもしれない、今練習中です。
――自分で曲を作って歌いたいという気持ちはありますか?
あります。今も自分の曲を作っているけど、今回のシングルは作詞のMisakiさんやいろいろな方に曲を作ってもらって。でも、今後は自分の曲も歌いたいから、自分の曲を作り始めました。でも、今の日本語のレベルはまだ下手なので……。
――いやいや、めちゃくちゃ喋れてますよ!?
いえ、でも日本の歌詞……たとえば米津玄師さんの「Lemon」という曲は本当のレモンじゃなくてほかの意味がある。日本の曲は意味がとてもディープなので、私も日本語のことを頑張って、いい日本語の曲を作りたいです。
――比喩表現だったり、ひとつの言葉にいろいろな意味が込められていたりしますもんね。これまで「この歌詞が難しかった」という歌はありましたか?
いっぱいあります。ぜんぜんわからないような歌詞。翻訳しても、わかるけどわからないようなフレーズがいっぱいあります。ストレートの意味じゃなくてもっとディープな意味なので。日本の歌詞は、こういうことが多いので。
――タイから日本に来てデビューした非常に珍しい存在のMindaRynさんが、これからどういうアニソンシンガーになっていきたいか、最後に教えてもらえますか?
「BLUE ROSE knows」の「生きている場所や時間は違うけれど」という歌詞と同じで、私はタイから来た人です。日本でもほかの国でも、アニメはコネクターなのでみんな……日本人だけじゃなくて海外の人も合わせて友だちになりたい。私の歌が愛されるようにがんばりたいなと思っているので、皆さん応援してください。お願いします。
撮影:JOKEI
取材・文=藤村秀二 撮影:JOKEI

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