「ゆるキャン△ SEASON2」花守ゆみり
&東山奈央 取材メモで助かることと
助からないこと

 山梨県周辺を舞台に、女子高生のアウトドア活動を描くアニメ「ゆるキャン△」。3年ぶりとなる「SEASON2」には新しいキャラクターが登場しつつも、見る人をほっこりとさせる空気感と綿密なロケハンによる作劇は変わらず、キャンプを縁に紡がれるゆるやかな時間が描かれる。各務原なでしこ役の花守ゆみり(写真右)と志摩リン役の東山奈央に、アフレコのエピソードや「SEASON2」で感じた変化を聞いた。(取材・構成:五所光太郎/アニメハック編集部)
――第1作目を見直して、アニメ「ゆるキャン△」には全体的に幸福感があふれているように感じました。演じられるさいにご自身の楽しかった記憶なども思い出しながら演じられているのではないかと思いました。
花守:前作の収録が終わったあと、別のアニメでお世話になっている女性の方が「『ゆるキャン△』が大好きで、作品を見てキャンプをしてみたくなったから一緒に行ってみよう」と誘ってくれて、キャンプ経験者の方を交えてご一緒する機会があったんです。それまで私はアウトドアをしたことがなくて、「ゆるキャン△」に関わるようになって「いつかしてみたい」と思っていたのですが、「それが今かもしれない」と思いまして。それで実際にキャンプをして思ったのは、自分はふだん仕事のことばかり考えながら過ごしてきたのかもしれないということでした。社会人の方がキャンプにハマるのも、そういうところが理由のひとつなのかなと感じられて。
(c)あfろ・芳文社/野外活動委員会――キャンプでオフの時間を満喫されたのですね。
花守:集ったメンバーは同じ業界の人が多かったのですが、お互い仕事をしている姿は知らず、普通の友達として出会ってキャンプをし、お酒を飲みながら何気ない話をして……そのときに、「人と仲良くなるってこういうことだったのかもしれない」と自分のなかで不思議な驚きがあったんです。なでしこたちにとってのキャンプの魅力って、こうした何気ない会話のなかから幸福感が生まれるこの瞬間なのかもしれない。そんなふうに自分のなかで繋がる部分があったんです。この気持ちをもって「SEASON2」のアフレコに行こうと思ったのをよく覚えています。
東山:「ゆるキャン△」の世界観にただよっているムードを「幸福感」という言葉で言っていただくのは初めてでしたが、しっくりくるなと感じました。焚き火を見て安心したり自然の音を聴いていやされたりする感じや、美味しいものを食べて幸せな気分になるなど、いろいろなハッピーが詰まっている作品ですよね。
 そうしたなかで私が感じているのは、「『ゆるキャン△』の世界のように生きてみたい」と思っていらっしゃる方が多いのではないかな、ということです。私自身も生き方であったりとか「こういう友達っていいな」と思ったりしました。誰かと関わることも楽しいけれど、自分のペースを乱すようなところまでは触れてこないという“近くて近すぎない”ほどよい距離感を大切してくれる相手がいて、自分もいる。そんな関係性がすごく心地よいんですよね。こういうふうに生きてみたいっていうのを体現しているのが「ゆるキャン△」のキャラクターであり世界なんじゃないかなと思います。
――「ゆるキャン△」としては約3年ぶりとなるアフレコは、いかがでしたか。
花守:第1作目のあと「へやキャン△」などの収録はありましたが、あらためて「SEASON2」の台本を読んだときにまず感じたのは「懐かしい……!」という気持ちでした。絶妙な間(ま)や飾らない言い回しに「『ゆるキャン△』の台本って、こういう感じだったな」と。会話のキャッチボールが本当にゆるやかなんですよ。全体のセリフ数は他のアニメと比べると少なめだと思うのですが、美しい景色や素敵な音楽もアニメ「ゆるキャン△」を彩る大切なもので、それらが重なってあの雰囲気が生まれるんですよね。
 アフレコでは頑張らなきゃと気が引き締まりながらも、新しいキャラクターが登場することも気にかけていました。新しいとはいいつつも、「ゆるキャン△」の世界では古くからの友人であったり見知った関係であったりして、新しい役者さんに「ゆるキャン△」独特の空気感のようなものを、どう感じてもらえればいいんだろうということは少し考えました。とくに、なでしこの幼なじみの綾ちゃん(土岐綾乃)が「SEASON2」に出ることは事前に分かっていたので、演じるのは誰になるかなとドキドキしていたのですが、(黒沢)ともよちゃんに決まって、「『ゆるキャン△』、お邪魔します」と連絡をもらって。私はそれに「ゆっくりしていってね」と返したのですが、ともよ先生ならもう安心だなと。「ゆるキャン△」の独特の空気感と、ともよ先生の声の力で、初めて登場したときからスッとなじんでいく感覚がありました。
東山:「ゆるキャン△」は、できあがったアニメーションを見ても丁寧なことが伝わってきますが、台本も本当に丁寧に書かれています。例えば、リンがうなずくところを「うなずくリン」と書くのではなく、「ちょっと照れくさそうに」「満更でもなさそうに」など、「うん」という一言にこめた感情の情報がト書きに書かれていることが多くて。普段こうしたニュアンスの部分は、役者側が台本を読んでいろいろな選択肢をシミュレーションして、とりあえず自分はこれだと決めて現場にもってくることが多いんです。そこが「ゆるキャン△」では、どこを切りとっても京極(義昭)監督をはじめとするスタッフの皆さんのなかに、明確なイメージや意図があることが台本からも分かります。ですから私たちも迷いなくお芝居することができるので、「SEASON2」の台本を読んだときに「『ゆるキャン△』の台本って、そうそう。これこれ」とあらためて感じて……って、こういう話で大丈夫でしたか?
――すごく面白いお話でありがたいです。
東山:よかったです(笑)。台本以外に、ロケハンの写真や京極監督たちの取材メモも毎回用意していただきました。前作のときもあったのですが、「SEASON2」ではより詳細なものをいただけて――ただ、例えば3話ではなでしことリンが食べる、あるグルメの写真が載っていて……。

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