「グッと来て、泣きそうになりました
」凛として時雨、一年半ぶりとなる全
国ツアーを実施

凛として時雨が、2021年2月1日(月)に一年半ぶりとなる全国ツアー『凛として時雨 Perfake Perfect Tour 2021』の東京公演をZepp Hanedaで開催した。今回のツアーは『舞台 PSYCHO-PASS サイコパス Virtue and Vice 2』の主題歌として書き下ろされたニューシングル『Perfake Perfect』のリリースに伴うもの。新型コロナウィルス感染症対策でオーディエンスはソーシャルディスタンスを保ち、大きな声が出せないという制限がありながらも、ひさびさに顔を揃えた3人の演奏をじっくり堪能できる貴重な機会となった。
「我々は全力を尽くす限りなので、よろしくお願いします!」というピエール中野による場内アナウンスからほどなくして、インディーズデビュー作『#4』でもオープニングを飾る「鮮やかな殺人」からライブがスタート。昨年『#4』のリリース15周年を記念して、リマスターアルバム『#4 -Retornade-』が制作され、11月には『#4』の楽曲を中心とした配信ライブも開催されたが、やはり目の前で体感する演奏は特別だ。「テレキャスターの真実」、「トルネードG」と、序盤はそのまま『#4』からの楽曲を続け、リリース当時「予測不能」と騒がれた展開の妙は鮮度を保ちつつ、より強固になったアンサンブルや、TKと345のボーカルの説得力からは、15年という歳月が確かに感じられた。
TKからの挨拶に続いて演奏された曲の中には、「Enigmatic Feeling」や「abnoramlize」といった『PSYCHO-PASS』関連の楽曲も。「abnormalize」が現在に至る凛として時雨と『PSYCHO-PASS』の関係性の起点となる重要な一曲なら、両者の関係性の最新版にあたるのが、中盤で披露された「Perfake Perfect」。緊張感とスケール感を併せ持った入りからして一気に物語に引き込まれる、非常に舞台映えのする楽曲であり、それはライブハウスのステージでも同様。ドライヴ感のあるサビとは対照的な、混沌としたパートでの真っ赤な照明が作り出すシアトリカルな雰囲気も劇場的で、この日最初のハイライトとなった。
オーディエンスが一斉に手を振り上げた「DISCO FLIGHT」を終え、TKと345が一度ステージから去ると、ピエール中野のMCへ。羽田空港に隣接するZepp Hanedaについて、「ものすごく楽しいのはなんでだろうと思ったら、ここはいろんな場所から何かが集まってくる場所だからなんじゃないかなって。それに相当グッと来て、泣きそうになりました」と語り、恒例となっている「どんぐりコロコロ」を流しながらのドラムソロを披露。様々なパターンを手数多くパワフルに叩き分けながらも、一定のテンポをキープし続ける圧巻のドラミングと、牧歌的なメロディーのアンバランスが、より狂気的な印象を残す。
TKと345がステージに戻り、ライブ後半は「laser beamer」から。この曲も「PSYCHO-PASS」の舞台用に書き下ろされた楽曲で、まさにレーザービームを乱射するかのような、TKによる飛び道具系のエフェクト使いも、舞台上でいかにインパクトを残すか、という発想を感じさせる。さらに「DIE meets HARD」、「Telecastic fake show」を畳み掛けると、フロアの熱狂は沸点へ。終盤には再び『#4』から、オレンジの照明とともに「TK in the 夕景」が届けられ、345からの感謝の言葉を挟んで、ラストは「傍観」。耳を刺すようなフィードバックノイズが鳴り響く中、ライブが幕を閉じた。
凛として時雨のライブはMCで誰かを勇気付けるわけではないし、派手な演出でエンタテイメント空間を作り出すわけでもない。研ぎ澄まされた3人の演奏を全身で体感し、一人ひとりがそれぞれ何かを持ち帰る場所であって、この日もそれ自体は以前までと何ら変わりがなかった。しかし、非日常が日常となり、人と人との距離が遠ざけられる時代において、人が集まることで生まれるエネルギーがいかに代え難いものであるかということを、オーディエンスはもちろん、メンバー自身もまた、強く感じていたのではないだろうか。
なお、本公演は3月5日から「凛として時雨 Perfake Perfect Tour 2021 Streaming Edition」としてライブ配信されることが決定。セットリストには含まれていない楽曲も、リハーサルテイクとして収録されるという。配信ライブ自体は昨年劇場公開もされた「凛として時雨 15th anniversary #4 for Extreaming Live Edition」以来だが、有観客でのライブが配信されるのは今回が初めて。当日の臨場感をぜひとも体験してほしい。

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