立石俊樹「ずっと挑戦したかったこと
」~『ミュージカル「黒執事」~寄宿
学校の秘密~』インタビュー

2021年3月5日(金)~21日(日)東京・天王洲 銀河劇場、3月25日(木)~28日(日)大阪・メルパルクホール大阪、4月1日(木)~4日(日)大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演される『ミュージカル「黒執事」~寄宿学校の秘密~』。2009年に舞台化され、これまでに7作が上演された。約3年ぶりとなる新作公演では、セバスチャン・ミカエリス役を立石俊樹が演じる。初主演を飾る本作を「挑戦」と語る心境や、白熱する稽古の様子を語ってもらった。
ーー本作へのご出演が決まった時に、まず感じたことは。
まずは、本当に嬉しかったです。出演が決まる前から観ていた作品でしたし、歌は色気もあってかっこいい楽曲ばかりだと圧倒されていました。そのような作品にメインの役どころで出演してみたいという思いも持っていたので、こうして叶えられて嬉しい。『黒執事』という作品で、ずっと挑戦したかったことができることが楽しみです。
立石俊樹
ーー立石さんにとって、特別なジャンル?
もっとやりたい、突き詰めたいと思っていたジャンルなんです。今回のお話をいただいたときは、「本当に僕でいいんですか?」とも思いました。今までセバスチャンを演じられてきたお二人に、自分は並ぶことができるのかと。もちろん光栄ですし、もっと表現者として技術を磨いていかなければと思っています。
ーーこれまで松下優也さん、古川雄大さんが演じてこられた役。“3代目”として引き継ぐことへの意識や思いは。
稽古期間中は、どれだけ早く自分の体に役を染み込ませるかが勝負になってきます。新型コロナウイルス​感染対策で、稽古できる時間やコミュニケーションが限られている中であっても、やれることは全部やりたい。そのためには、これまで築き上げてきた方々がどう演じてきたのかということを知るのはやっぱり必要なこと。松下さん、古川さんは原作のセバスチャンを忠実に再現していながら、さらにそれぞれが役者としての色を出されてきた。お二人が演じられたセバスチャンからしっかり学ばせてもらいつつ、本番までに僕自身の色、僕が演じる意味をしっかり見つけなければいけない。多くの人に愛されてきた“生執事”の世界観を、今回の新生生執事でもしっかりと提示していきたいです。
立石俊樹
ーー演じるセバスチャン・ミカエリスについて、どのような人物だと感じていますか?
なんでもできるし、カッコいいのにギャップもある。根本が悪魔であることも含めて「ずるい!」の一言に尽きます(笑)。原作の漫画やアニメを見ながら、まずはセバスチャンの執事としての立ち振る舞いと、悪魔としての一面を探るところから始めました。もちろん、声の出し方や姿勢も併せて。基本的には落ち着いたトーンでありたいのと、“笑うからこそ怖い”という部分も出せたら。
ーーファンタジー要素が満載ですが、具体的なイメージを掴むためにどんな準備をされていますか?
「現実の執事ってどんな感じなんだろう?」ということは調べました。どんな人が雇うのかにまず興味があったんです。「本当に雇えるのかな?」って(笑)。主人のために、目的を達成するために基本的にはなんでもできなければならない。自分ができなければ、できる人へ繋げる役目もあるのだとか。ところが、セバスチャンに関してはなんでもできるようになってしまうんですよね。かっこよくて、本当にずるいです!
ーー本作はコミックの“寄宿学校編”を原作としたストーリー。見どころや感想を教えてください。
悪魔として契約する主人のシエル・ファントムハイヴが生徒に、セバスチャンが先生になることがまず大きなお楽しみポイントのひとつ。学園ものというところで、個人的には春っぽい感覚を持ちました。新しい季節が巡ってきたときに感じる、新鮮さというか。4人の監督生(プリーフェクト)通称“P4”の存在も色鮮やかですし、クリケットのシーンもあります。セバスチャンに関しては、歌はもちろん、今回は殺陣も多いので期待していただけたら嬉しいです。
立石俊樹
ーー歌稽古での手応えはいかがでしょうか。
歌っていて本当に楽しい。MANKAI STAGE『A3!』でもお世話になったYuさんが作る楽曲は、デモが上がってくるたびワクワクしていました。ダークな世界観を持つ作品なのですが、悲劇的な楽曲であっても、そこを楽しみながら歌える感覚があるんです。悪魔という立場から歌うのは初めてですし、新しい引き出しを作ったり、これまで出してこなかった部分も出したりする機会なのかなと。僕なりに掴んだ、新しい表現にも注目してもらいたいです。
ーー本作は、立石さんにとって初主演となりますね。
ありがとうございます。座長という立場はやはり意識しますし、最初の顔合わせが一番緊張していました。「どうしたらいいんだろう」ってプレッシャーを感じていたんですけど、演出の松崎(史也)さんが「気にしすぎず、セバスチャンとしての役を突き詰めてほしい」という話をしてくださって。力みすぎていた肩の力が抜けました。「僕がきちんと役に専念さえすれば、サポートしてくださる方がいるんだ」って思えたことは大きかったです。
ーー稽古の雰囲気はいかがでしょうか?
限られた時間であることが大前提なので、本当にみんな必死。皆、共演してきた人がそれぞれにいるので、初対面同士でも間に入る人がいることでスムーズにコミュニケーションできています。友達の友達と仲良くなるような感覚で、どんどん繋がっていくんです。いち役者同士としても仲良くなってきたし、お芝居の上で役としても充実してきて。稽古が進むにつれて、楽しさが増していく現場です。
立石俊樹
ーー良いエンジンのかかり方ですね。立石さんにとっても、共演者の多い座組です。
“P4”でいうと佐奈(宏紀)くん以外の3人、中島(拓人)くんと田口司くんとかも。すごく仲良いのに、なかなか話せない状態が続いていたのがもどかしかったです。最近、やっと稽古終わりの時間が被ったタイミングがあって、短い時間ですが話すことができて。ようやく懐かしい気持ちになれました(笑)。そういうメンバーと一緒にやれるのは幸せです。(古谷)大和さんや(上田)堪大さん、岡田(亮輔)さんたち先輩方からはアドバイスをいただくことも多いです。初主演として僕が気負い込んでいるところを、気にかけてくださっている。稽古序盤の頃に僕が「座長として緊張しています!」って言ったら、「大丈夫。俺たちが支えるから」と言ってくださって。温かい人に囲まれて、本当に幸せ者です。
ーー素直に気持ちを表明するタイプなんですね。
そうですね。言える人には言ってます(笑)。
ーー物語の軸となっているのがセバスチャンとシエルの主従関係。シエル役の小西詠斗さんとはどのようなコミュニケーションを?
「こうしたほうが、面白さが出るはず」と感じたことを、思い浮かんだ瞬間に共有して話しています。ドラマ『テレビ演劇 サクセス荘3』で共演していましたが、役としてはほぼ絡んでいなかったので、ちゃんと話すのは今回が初めてでした。小西くんとは末っ子感というか、性格的にちょっと似ている気がします。僕も末っ子という感じで、この世に生まれ落ちたので。
立石俊樹
ーー(笑)。末っ子タイプ同士として、印象としてはいかがですか?
可愛いなって(笑)。年齢差もあるから、本当に弟ができた感覚なんです。すごく素直なタイプなので、稽古中も「歌のここ、どうしたらいいですか?」って聞いてきてくれて。もう、可愛いんです。
ーーミュージカル「黒執事」は長きにわたって愛され続けている作品。立石さんにとって、長年愛用しているものは何かありますか?
しいて言うなら、カードゲームかなぁ。「デュエル・マスターズ」っていうカードゲームなんですけど、稽古期間中もバッグに忍ばせています(笑)。持ち歩いているだけでも結構テンションが上がるんです。リフレッシュアイテムのひとつとして、公演期間も絶対持っていきます。カードを見ているだけで「かっこいいな」って元気をもらえるんです。
ーー最後に、公演を楽しみにされている方へメッセージをお願いします。
この時期に舞台ができること、そして主演として立てることが本当に嬉しいです。稽古を通して模索している段階ですが、徐々に作品が出来上がってきています。原作の世界観をしっかり伝えながら、今まで愛されてきた“生執事”を新生キャスト、スタッフになっても良かったとしっかり思ってもらえるよう臨んでいます。「観劇して良かった」「明日から頑張ろう」と思ってもらえるよう、僕も本番を迎えられる日を楽しみに、頑張っていきたいと思います。
立石俊樹

■衣装クレジット
シャツ ¥29,000、パンツ ¥28,000 以上2点ともに(Roen)
その他スタイリスト私物
■お問い合わせ先 Roen(‭03-6419-5116)
取材・文=潮田茗   撮影=池上夢貢

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