名門校の闇に迫る、新生“生執事”が
開幕 『ミュージカル「黒執事」~寄
宿学校の秘密~』ゲネプロレポート

『ミュージカル「黒執事」〜寄宿学校の秘密〜』が2021年3月5日(金)、東京・天王洲 銀河劇場にて開幕した。約3年ぶりとなる待望の新作公演では、キャストを一新。ここでは、初日直前に行われたゲネプロの模様をレポートする。
原作は、月刊「Gファンタジー」で連載中の枢やなによる漫画『黒執事』。2009年に舞台化され、“生執事”の愛称で親しまれてきた。第8弾となる本作は、単行本14~18巻にあたる「寄宿学校編」を基にしたストーリーとなっている。
(c)2021 枢やな/ミュージカル黒執事プロジェクト
19世紀の英国、ヴィクトリア女王の“裏”の仕事を請け負うファントムハイヴ家。執事であるセバスチャン・ミカエリス(立石俊樹)は、実は悪魔だった。若き当主のシエル・ファントムハイヴ(小西詠斗)との契約により、彼の影として共に裏社会で起こる事件に対峙している。
(c)2021 枢やな/ミュージカル黒執事プロジェクト
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女王からの依頼を受け、名門寄宿学校・ウェストン校で潜入調査をすることになったセバスチャンとシエル。事件の真相を探るため、絶対君主である校長と、校長に唯一面会が許されている“P4”と呼ばれる監督生4人に近づくことに。伝統と規律が支配する閉鎖的な空間で、一切姿を見せない校長について探るが……。
不穏でスリリング、重厚感と張り詰めた空気。幕が上がった歓喜すら飲み込むように、一瞬でダークファンタジーの世界に没入させられた。まずは、セバスチャンとシエルの始まりから、本作での主従関係に至るまでの物語がダイジェストで紡がれる。謎めいた葬儀屋(上田堪大)の不気味さも強烈なインパクトを残した。
(c)2021 枢やな/ミュージカル黒執事プロジェクト
(c)2021 枢やな/ミュージカル黒執事プロジェクト
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階段状のセットが展開され、物語の舞台はウェストン校へ。高貴で格式高い家柄の生徒が集まる「深紅の狐寮」のエドガー・レドモンド(佐奈宏紀)、高い運動能力を誇る生徒が多い「翡翠の獅子寮」のハーマン・グリーンヒル(田鶴翔吾)、成績優秀な生徒たちが集う「紺碧の梟寮」のロレンス・ブルーアー(里中将道)に、芸術面に秀で個性の強い「紫黒の狼寮」のグレゴリー・バイオレット(後藤大)らP4が登場すると、途端に華やかさがパワーアップする。
(c)2021 枢やな/ミュージカル黒執事プロジェクト
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(c)2021 枢やな/ミュージカル黒執事プロジェクト
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執事と主人であり、悪魔と契約者であるセバスチャンとシエル。「寄宿学校編」では先生、生徒として過ごす一面も描かれている。悲哀ひしめくシリーズのなかでも、いわゆる学園ものならではの和やかなシーンを楽しめるのが本作の大きな魅力だ。学生らしい寮生活はもちろんだが、特定の先輩について生活をサポートするファッグ(寮弟)の伝統もスパイスとなる。

(c)2021 枢やな/ミュージカル黒執事プロジェクト
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物語のターニングポイント、クリケット大会も丹念に描かれていた。ボールを打つ快音、アグレッシブなBGM、ダンスナンバーからラップバトルまで繰り広げられ、おのずとテンションが上がってしまう。ルールや用語がわからなくても、優秀な執事が丁寧に解説してくれるので安心だ。

(c)2021 枢やな/ミュージカル黒執事プロジェクト
(c)2021 枢やな/ミュージカル黒執事プロジェクト
“すべてにおいて完璧な万能執事”と称されるだけでなく、人間離れした身体能力など悪魔としての風格も持ち合わせたセバスチャン。登場した瞬間、思わず「ずるい!」の一言が頭に浮かんだ。演じる立石が以前、インタビューで語っていたセバスチャンの印象そのものが具現化されている。冒頭からアクションが多く、歌やダンスも含めた高いパフォーマンス力が要求される役どころでありながら、優雅さと妖艶さを醸し出していた。
(c)2021 枢やな/ミュージカル黒執事プロジェクト
シエルの気高さも目に焼き付いている。儚く少年らしい佇まいに反して、頭脳明晰で冷然たる判断力。過酷な運命に立ち向かうバッググラウンドを、見事に体現してみせた小西の存在感が随所で光る。セバスチャンとシエルが揃うナンバーでは、美しく融合したユニゾンも心地よく響いていた。
(c)2021 枢やな/ミュージカル黒執事プロジェクト

(c)2021 枢やな/ミュージカル黒執事プロジェクト

コミカルなシーンで沸き上がった喜楽が強い分、待ち受ける悲劇や絶望は色濃くなるもの。思う存分、感情を揺さぶられてほしい。なお、4月4日(日)の大千秋楽公演はライブ配信も行われる。
(c)2021 枢やな/ミュージカル黒執事プロジェクト
初日を迎え、立石と小西からはコメントが寄せられた。
セバスチャン・ミカエリス役:立石俊樹
まずは無事に初日を迎えられることに幸せを感じています。
このような状況下で、公演ができるように尽力くださるスタッフさんやご鑑賞くださるお客様に感謝の気持ちです。私たちはこのミュージカル「黒執事」を届けることに意味、責任があると思っています。
原作「黒執事」の世界観と、ミュージカルならではの“生”でしか感じられない魅力を存分に届けられるよう大千秋楽まで大切に表現したいと思います。
皆様、ご来場する際には体調にお気を付けてお越しください。
よろしくお願いします。
シエル・ファントムハイヴ役:小西詠斗
ついに、この日を迎え、無事に開幕できるということを本当に嬉しく思います。
大変な状況の中、みんなで力を合わせて集中して頑張ってきたので、是非皆さんと楽しい時間を過ごせたらと思います。
セバスチャンとの主従関係を大切にしながら公演を楽しもうと思います!
こんな状況ですが、お芝居をさせて頂けることに感謝し、僕自身、全公演を全力で頑張ります。
劇場やライブ配信の向こう側でお待ちしています!
(c)2021 枢やな/ミュージカル黒執事プロジェクト
取材・文=潮田茗

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