アニソンファンに贈るプレミアムな夜
の宴が再び『Animelo Summer Night
II in Billboard Live』レポート

新型コロナ禍の情勢を受けて開催延期を余儀なくされた『アニメロサマーライブ2020』に代わって、昨年8月に開催された配信ライブ『Animelo Summer Night in Billboard Live(アニサマナイト)』。「大人な夜のアニサマライブ」をコンセプトに、Billboard Live YOKOHAMAの格調高いステージから生バンドと共に紡がれるアニソンに浸れる極上な時間は大好評を博し、去る3月14日に待望の第二弾が開催となった。
今回も実力派アーティストが勢ぞろいし、ライブハウスという濃密な空間ならではのパフォーマンスが繰り広げられた、夏開催予定の『アニメロサマーライブ2021』へと繋がっていった特別な夜の様子をレポートしよう。

歌い手の創意工夫が紡ぎ出す「大人な夜のアニソン」
(c)Animelo SUmmer Live 2021
濃紺のライティングに染まるステージ上に照らし出されたトップバッターは、昨年秋に待望のソロアーティストデビューを飾った高槻かなこ。
1曲目はソロデビュー曲となるTVアニメ『100万の命の上に俺は立っている』OPテーマ「Anti world」を、自身のアニソンカバーシングル「King of Anison EP1」バージョンで披露。疾走感あふれるロックナンバーだった原曲を、重厚なバラードで唄い上げるこのバージョンは生バンドとの演奏ともマッチして曲で描かれた「戦い」というテーマをより強烈に浮かび上がらせていった。画面もそんな歌への想いを込めるような高槻の表情をしっかりカメラで捉え、プレミアムなライブが始まる予感をファンへと刻み込んでいった。
「みんなは家で楽しんでいると思うんですけど、一緒にこの会場にいる雰囲気をお届けできるように、私達も愛と情熱を持って唄っていきますので、今夜はどうぞ一緒に楽しんでください!」
歌い終えた高槻は、ニコニコ生放送のギフト機能で振られるコンサートライトを通して伝わるファンの応援にうれしそうに感謝を述べた。そして今年のアニサマ三日目へ初のソロでの出演が決まったことを報告。
「アニソン歌手を目指して早十年ぐらい経って、やっと高槻かなことしての歌を皆様にお届けできるようになって、こうして夢を叶えている最中にここ(アニサマ)にいられることが本当に幸せに感じています」
そんなアニソンを歌える嬉しさを伝えながらの二曲目は、同じく「King of Anison EP1」からTVアニメ『カードキャプターさくら』OPテーマ「プラチナ」。こちらはアップテンポなロックアレンジとなり、近くで姿を捉えるライブカメラを時折真っ直ぐに見つめながら、ネットの向こうのファンへ想いを届けるような熱唱を繰り広げて、オープニングステージを熱く締めくくった。
(c)Animelo SUmmer Live 2021
続いて登場したのは白いドレスを身にまとった鈴木みのり。アニサマではアップテンポなナンバーやパフォーマンスを交えて会場全体で盛り上げていくイメージの鈴木だが、今回はアニサマナイトということでじっくりと聴かせるナンバーであるTVアニメ『恋する小惑星』EDテーマ『夜空』からスタート。星空のような深い青のステージに白いライティングが輝く中で、凛としたアコースティックギターをメインとした演奏と力強く伸びやかなボーカルでハーモニーを奏でていった。
「アニサマでしか私を見たことのない人ビックリしましたか?」
配信画面に映し出されるトレードマークのネギのギフトや、拍手を表す「8888888」のコメント弾幕に嬉しそうに応えながら、今回は大人なイメージのライブということでしっとりとした「夜空」を選んだことなどを語った。
「この先私が何か悪さをしなければ夏にも出させていただきますので、責任を持って鈴木の一員としてがんばりたいと思います(笑)」
アニソンアーティストに鈴木姓が多いことなどをネタに笑いを誘いながら、今年のアニサマ出演についてやコメントにリアクションを取るなどゆるっとしたMCで空気をホッコリさせたところで、二曲目のTVアニメ『本好きの下剋上』第二部EDテーマ「エフェメラをあつめて」へ。生バンドならではのアレンジメロディをバックに、希望に満ちた日々を歩む幸せを優しく力強く唄い上げていく。
「画面の向こうの皆さんも笑顔でクラップしてください!」
曲の途中でそんなメッセージを送りながら、自身もクラップや小刻みなジャンプを交えて終始笑顔で多幸感あふれる歌を歌い終えた。
早見沙織✕鈴木みのり
(c)Animelo SUmmer Live 2021
「もう一曲お送りしようと思います、でも一人じゃ歌えません」
前曲を歌え終えた感想などを語り終えた鈴木が、もう一曲を歌うパートナーを呼び込むと、緑のドレスをまとった早見沙織がステージに登場。
アニサマでは3回目のコラボとなる今回の曲は、二人がそれぞれ出演とエンディングテーマを担当した縁のある『カードキャプターさくら』から、エンディングテーマの「Groovy!」を披露。バンドが奏でるジャズアレンジのメロディーに乗せて、澄んで力強い二人のボーカルが奏でるハーモニーが全編を彩る「大人のアニサマ」ならではのコラボレーションが繰り広げられるステージとなった。
(c)Animelo SUmmer Live 2021
落ち着いた空気に包まれたライブの雰囲気を一気に変えたのが、続いて登場の大橋彩香。白いブラウスとグレーのロングスカートというシックな出で立ちで、未来へと走り出す希望を力強く紡ぐオリジナルナンバー「START DASH」を熱唱。ファンのコメント弾幕やギフトも配信画面を賑やかに彩り、いつものアニサマのような熱い盛り上がりを見せた。
「アニサマナイト2、皆さん楽しんでいますでしょうかー?」
曲の余韻も冷めやらぬままにファンへと挨拶した大橋は、画面に次々と映し出されるコメントや、彼女の好物であるペペロンチーノやコンサートライトのギフトに嬉しそうに反応し「皆さんを感じながら唄わせていただいておりました」とお礼の言葉を贈った。
そして「大人彩香を楽しんでいただければなと思いますください」との言葉とともに送る二曲目は、TVアニメ『コメット・ルシファー』EDテーマ「ヒトツニナリタイ」を、アニサマナイト&Billboard Liveらしいアコースティックバージョンで披露。しっとりとしたピアノとアコースティックギターの旋律とともに、情感あふれる力強いボーカルで切ない気持ちが込められたバラードを唄い上げる。そしてラストは「みんなも歌ってくださーい!」のかけ声とともに「ラララララーラーララー」のコーラスを、ファンのコメント弾幕とハーモニーを奏でるという配信ライブならではのパフォーマンスで締めくくった。
■オーハシアヤカ✕オーイシマサヨシ
(c)Animelo SUmmer Live 2021
「エモーーーーい!」
そんな絶叫と共に、ステージには歌い終えた大橋を讃えるようにオーイシマサヨシが登場。
「泣いた! 全俺が泣いた!」とオーイシは大橋の歌唱力をすごく上手くなったと絶賛。親戚のおじさんみたいな気持ちで大橋の成長を喜ぶオーイシの「進化したねー!」という前振りから、大橋彩香…否、オーハシアヤカのエコーが聴きまくったタイトルコールとともに、オーイシマサヨシが楽曲提供したオリジナルナンバー「シンガロン進化論」がスタート。しかも『アニサマワールド in ニコニコ超会議2019』で披露されて以来の二人によるコラボバージョンだ。二人の力強いボーカルが織りなすハーモニーや陽気なパフォーマンスの数々に、ファンも目一杯のコメント弾幕やギフトで応え、「START DASH」に続いてアニサマ本編のような熱い盛り上がりを見せるステージが繰り広げられた。
■大橋彩香
「大橋彩香最後の曲でーす! みんなも歓声と一緒に盛り上がるぞー!」
「シンガロン進化論」で盛り上がったテンションが途切れぬままに、TVアニメ『魔法少女 俺』OPテーマ「NOISY LOVE POWER☆」へと突入!
ライブカメラに自ら近づき、ネット越しのファンに向けて目線を送りながらの大橋の熱唱にファンもヒートアップし、曲中の「ハイハイハイ!」のコールに合わせて画面を埋めつくすようなコメント弾幕で応える。そして歌の中の「ずっと約束」というフレーズに合わせて、夏のアニサマでの再会を約束するかのように小指をカメラに突き出すなどのパフォーマンスも盛り込まれ、最高の盛り上がりと「アニサマナイトー! 最高の時間をありがとうー!」のゲキとともに、ライブ前半戦は締めくくられた。
それぞれの唄うことへの想いが溢れ出し、そして生まれる「カラフルな世界」
■ReoNa
(c)Animelo SUmmer Live 2021
「今夜は沢山の思い出と出会いをくれた楽曲を、特別にアコースティックで、画面の向こうの貴方にお歌、楽しんでいただけますように…」
インターバルを挟んで始まった後半戦のトップバッターは、力強くも儚げなボーカルで独特の世界を創り出している注目アーティスト・ReoNa。
「魂に形ってあるんでしょうか? 温度はあるのでしょうか? それはいつか壊れてしまうものでしょうか? 私の魂と貴方の魂に何か違いはあるのでしょうか?」
漆黒のレザージャケットとロングスカートをまとった彼女のそんな独白とともに始まった一曲目は、TVアニメ『ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld』2ndクールOPテーマ「ANIMA」のアコースティックバージョン。
激しいロックだった原曲が、かき鳴らすようなアコースティックギターとビアノの演奏によって鋭く研ぎ澄まされ、その旋律に魂を振り絞るように唄うReoNaのボーカルが加わることで、静謐さと激しさがせめぎ合うアレンジに。そしてアカペラで静かにつぶやくように唄いながら再び力強く盛り上がっていくクライマックスで、ステージは完全に彼女の色へと染め上げられていった。
「アニサマナイト……お歌、楽しんでいただけていますか? 今夜はもう一曲、特別を……」
静かな緊張感をまといながらファンへと語りかけるReoNa。そんな彼女からの二曲目は、TVアニメ『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』に登場する神崎エルザの歌として彼女が唄った劇中歌「Disorder」のアコースティックバージョンだ。
「いつか灰になるその瞬間まで、いつでも引き金を引くのは自分自身…」
前曲同様の彼女の歌に込めた想いの独白から、激しいピアノソロとアコースティックギターの演奏に彼女の声が重なっていく。原曲はアップテンポなメロディだが、このアコースティックバージョンでは歌声に乗せた感情の厚みを感じるような力強さあふれる仕上がりに。ReoNaの感情に合わせるようにギターの旋律が盛り上がり、ボーカルが更にそれを乗り越えていくという、ライブハウスのスケールだからこその濃密なステージが繰り広げられた。
「アニサマナイト2最後まで楽しんでいってね…ありがとうございました」
そんな言葉とともにReoNaは深くステージに一礼し、クライマックスへと至る空気を見事に作り上げてステージを去っていった。
■早見沙織
(c)Animelo SUmmer Live 2021
静かなドラムとピアノのメロディ、そしてミラーボールの輝きに満たされたステージに、前半戦では鈴木みのりとのコラボレーションで登場した早見沙織が登場。それに合わせてだんだんとバンドの奏でるメロディがテンポアップし、そこにブラスが重なったのを合図に彼女のオリジナルジャズナンバーがスタート。
恋人達が静かに想いを交わす「eve」、都会の夜を漂うように生きる気持ちを唄った「yoso」と、「大人の夜のアニサマ」というコンセプトを体現するようなアダルティで凛としたステージが繰り広げられ、ファンも極上のディナーショーを楽しむかのようなコメントとともに聴き入っていた。
「皆様、素敵な夜をお過ごしかと思います。今日は一年の中でも特別な日だなと思っていて、今回二度目にこうやって皆様の前で唄わせていただくことができて、すごく嬉しいです」
歌い終えた早見は、昨年に続いてこの特別な夜のライブに参加できたことと、自身もお客として訪れることが多いBillboard Liveのステージで唄うことのできる喜びを語った。
そして今年のアニサマでは3日目に出演が決まったことも報告。
「みんな去年も今年も色んな想いを抱えて日々過ごしていらっしゃるかと思うので、そんな皆様の気持ちをフワッと軽くできるようなステージにできたらいいのかなーなんて思っています。まずはこのアニサマナイトで素敵な夜を楽しんで頂ければと思います」
そんなアニサマ2021に向けての思いを語り、三曲目となるオリジナルナンバー「ESCORT」がスタート。大人の甘い恋の駆け引きを艶っぽく紡いだジャズナンバーをバンド紹介ソロを交えながら披露し、そしてラストはアニソンカバーとしてTVアニメ『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』EDテーマ「オルフェンズの涙」が。予想外の選曲に画面上に驚きのコメント弾幕が飛び交う中、伸びやかな低音で唄い上げられる見事なブルースが響き渡る圧巻のステージが繰り広げられ、コメント欄も感動と賞賛で埋めつくされた。
■オーイシマサヨシ
画面にはパトカーのサイレンが鳴り響く夜の街と、その中を疾走する車の車窓映像が流れる。そして最後に「喋りすぎた男とパライーソ」と『ルパン三世』風のタイトルキャッチが映し出されるとステージにはトリを務めるオーイシマサヨシの姿が。間髪入れず始まった一曲目はTVアニメ『コップクラフト』OPテーマ「楽園都市」だ。自らもアコースティックギターを奏でながら、バンドと見事なセッションを繰り広げながらの熱唱に、画面もコメント弾幕&眼鏡や「エモーイ」のギフト表示で賑やかに盛り上がった。
鷲崎健 feat. オーイシマサヨシ&高槻かなこ
(c)Animelo SUmmer Live 2021
「改めましてこんばんわ! アニソン界のおしゃべりクソ眼鏡ことオーイシマサヨシですー! 逢いたかったぜみんなー!!」
曲を終えてファンへの挨拶をするオーイシマサヨシの言葉を遮るように、「ブラボー!」とステージに登場したのはアニサマ関係イベントの司会などでもおなじみの鷲崎健。オーイシが「おしゃべりクソ眼鏡師匠」と呼んだことを皮切りに漫才のような掛け合いトークがスタート。さらにステージ袖で控えていた高槻かなこも加わり、鷲崎からアニメロサマーライブ2020-2021テーマソング「なんてカラフルな世界!」が、自分の「What a Pastaful World ~なんてスパゲティ世界~」のパクリではないかとのクレーム(笑)が入るなど、ステージは「早見さんがあんな素敵な空間にしたのに、一気に演芸タイム!」といった状況になり、三人のコラボによる「What a Pastaful World ~なんてスパゲティ世界~」がスタート。
スパゲッティにちなんだ名詞が全編に散りばめられたダジャレ満載のコミカルなナンバーを三人は見事なハーモニーで明るく楽しく熱唱。さらに画面隅にはワイプで大橋彩香も登場して好物のペペロンチーノを平らげるなど、楽しいパフォーマンス満載のステージに。そして最後は鷲崎と高槻が「逃げろー」と言いながらはけていき、それにオーイシが「逃げるくらいならくるな!」とツッコミを入れて締めくくった。
■オーイシマサヨシ
(c)Animelo SUmmer Live 2021
ステージは再びオーイシマサヨシのソロに。そして「世界が君を必要とする時が来たんだー!」のコールとともに、TVアニメ『トミカ絆合体 アースグランナー』OPテーマ「世界が君を必要とする時が来たんだ」へ。正調ヒーローソングを熱く激しく唄い上げてファンのテンションをガンガン上げていく。
曲を終えて「もうみなさんお気づきのことと思います、わたくしオーイシマサヨシ、アニサマナイト2、トリでございます!」とアニサマ初のトリを務める夢が叶った嬉しさと重圧を語る。
「アニサマには僕2回救われているんですよ」と、自分の世界を広げてくれたアニサマへの感謝を語った。そして「僕にとってのヒーローはアニサマではなく聴いてくれる皆さんだと思っています。そんなヒーロー達が活躍できる場所を一所懸命作ってくれるのがアニサマという場所なんじゃないかなと思います」と言うファンへの想いを込めて、劇場版アニメ『モンスターストライク THE MOVIE ルシファー 絶望の夜明け』主題歌「英雄の歌」がスタート。
曲が始まると同時に画面がモノクロになり、ヒーローであるアニソンファン達のコメントやギフトがその世界に色を与えていくという配信ライブならではの演出にファンも目一杯の声援で応えていく。歌詞の「共に戦って、もう一度」というフレーズがアニソンを通じてファンとアーティストが繋がっていこうというオーイシからのメッセージが、配信を通じて具現化されたようなステージとなった。
■高槻かなこ、鈴木みのり、大橋彩香、ReoNa、早見沙織、鷲崎健、オーイシマサヨシ
「アニサマナイトは次で最後の曲となります。今年の夏、みんなで一緒に歌える日を楽しみにしております……それでは聴いてください『なんてカラフルな世界!』」
オーイシのコールとともにモノクロだった画面が「カラフルな世界」へと戻っていく粋な演出とともに、ステージには出演陣が勢ぞろいしてフィナーレを飾るアニサマ2020-21テーマソング「なんてカラフルな世界!」へと雪崩れ込む。
画面上には歌詞の字幕スーパーが表示されるが、それらはすべて担当パートのアーテイストによる直筆。色々なアーティストの色や個性が混じりあって、アニサマというカラフルなステージが生まれていくことを体現するような演出にファンもコメントを通じて歓喜。そしてサビの「わっしょい!わっしょい!」ではコメント弾幕を通して共に唄いながら、最高に盛り上がったグランドフィナーレとなった。
「最高の夜をどうもありがとうございました! 次は夏にお会いしましょう!」
そんなオーイシマサヨシの熱いメッセージとともに終わった、今回のアニサマナイト2。新型コロナ禍という情勢ながらもファンと繋がる道を模索し続けてきたアーティストとスタッフの努力が結実したこの夜は、必ず夏の『アニサマ2021』へと繋がっていくはずだ。
取材・文=斉藤直樹

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