鈴木このみ

鈴木このみ

【鈴木このみ インタビュー】
新しい自分をどんどん開拓して、
みんなを驚かせていきたい

声帯結節の手術治療のため、昨年12月から今年1月末まで休養していた鈴木このみから、復帰第一弾シングル「Bursty Greedy Spider」が届く。TVアニメ『蜘蛛ですが、なにか?』後期OPテーマでもある同ナンバーは“転生”した主人公が奮闘するアニメ作品と同様に、手術を終えて心機一転、新たなアーティスト像を目指す彼女の前向きな気持ちが盛り込まれた意欲作だ。

術前よりも圧倒的に伸びやかに
声が出るようになった

新曲の話の訊く前に、鈴木さんは昨年12月から今年1月末まで、声帯結節の手術治療のため休養されていたとうかがいました。昨年秋に取材をさせていただいた時にはまったくそんな話は出なかったので、最初にそれを知った時は驚きましたよ。喉はずっと悪かったんですか?

4年くらい前から喉にペンだこみたいなできものがあったんです。でも、普通に歌うことはできるし、そんなにガラガラ声でもないし。ただ、自分の中でちょっと違和感がある感じで。年齢的なことも相俟って、お客さんからは “声がどんどん大人になってるね”と言われたりすることもあったんですけど、自分の中では良くも悪くも…というところはあったので、ずっと隠して歌ってきたところはありますね。

2カ月間の休養はいかがでしたか。

手術をすることがすごく怖かった…“声が変わっちゃって既存曲が歌えなくなっちゃうのかな?”とか“悪い影響が出たら嫌だな”という不安もあって、ずっと手術を避けてきてたんですね。なので、最初ライヴで手術治療のことを発表した時、思いの外、重いテンションで胸のうちをワーッと言ってしまって…(笑)。ライヴの終わりに“2カ月後に帰ってきまーす!”って言ったら、みんなからは“早っ!”みたいなテンション感だったんですけど(笑)、自分の中では2カ月間は長かったです。2カ月も歌わないことは初めてだったんで、自分の中ではとても長くて、すごくもどかしくて、“早くステージに立ちたいなぁ。でも、全然声が取り戻せてないしなぁ”って不安な気持ちでずっといました。

内視鏡での手術でしたか?

はい、そうです。マイクロスコープで切ってもらいました。

ファンは2カ月間の休養を短いととらえたようですが、歌手は喉が商売道具ですから、そこにメスを入れるというのは相当に恐怖心があったと思います。

そもそも手術自体が初めてでしたから。あと、結構ハイトーンで歌うというのが自分の売りのひとつでもあったので、そこの変化が一番すごく心配でしたね。ありがたいことに2カ月後には復帰ステージも決まっていたので、“リハビリがそれまでに間に合うのかどうか?”とか、そういう不安がずっとあったと思います。

過去、ポリープの除去手術を行なったシンガーの方にも話を聞いたことがありますが、やはり術前に戻るのかどうかという不安は大きいそうですね。

正直言って、手術の日もずっと不安でもありましたし、ずっといろんな人に連絡しながら…それこそ5分前くらいまで“もうすぐ手術やねんけど”って(笑)。手術は5~10分で終わって、“こんなにすぐ終わるものなんだ!?”って。寝ている間に一瞬で終わった感覚だったので、手術そのものよりもリハビリが大変でした。術後の3日間は完全に沈黙して、そのあとのリハビリで徐々に声を出していく時間を増やしていったんですけど、術後初めて一声目を出した時にまたすごく不安になりました(苦笑)。

思ったように声が出なかったんですか?

“何か赤ちゃんみたいな声だなぁ”っていう(笑)。何か揺れてるんですよ、ずっと。弱々しい声しか出なくて、あんまり大きな声が出せなかったんですよね。3日間声を出さないと、しゃべるってことを人は忘れてしまうんだなって身を持って実感しました。しばらくはおしゃべりする練習でした。あと、病院にいる間はまだ良かったんですが、お家に戻ってから自分自身でいろんなケアをしながら過ごすというのもまた不安で。退院して30分後に連絡しようと思ったら声が出ないから電話できなくて…そっちのほうが大変でしたね。リハビリで歌い始めたのは手術して1カ月経ったくらいだったから、ステージに立つまでは1カ月しかなくて。初めて声を出して、“あと1カ月しかないのに、この声なのか…”って。

リハビリでは、まず話す訓練をして、それからお腹に力を入れて歌う練習をしたんですか?

そうです。最初は歌うことが禁止だったので、挨拶くらいでした。“いただきます”だけをすっごいか細い声で言ったりとか(笑)。ひとり暮らしで、しかもコロナ禍の状況なので、友達やお母さんと電話したり、それこそ事務所の人から日替わりで電話してもらったりとか(笑)、いろんな人に協力してもらいながら、ちょっとずつしゃべる量を増やしていって、その次のステップで歌のリハビリという感じでした。

結果、1カ月で歌声は戻ったんですね?

何て言ったらいいんだろうな? “本来の声に戻ったな”というところまではイケたと思います。ただ、アーティストとして完全に声をコントロールできたかと言われると…術後の初ステージを終えてからは“めっちゃ頑張って今日のベストは出したけれども…”という感じでした。でも、そのあとは逆にワクワクしましたね。“今はこの感じだけど、リハビリを続けていったらもっと声が出て、もっと歌がうまくなっていくだろうな”という実感があって、“これはもっともっとイケるかも!?”みたいに思えたんで(笑)、不完全燃焼ではなかったです。

2カ月も歌わないとその前の感覚を掴むのも大変でしょうからね。ただ、リハビリを経てちゃんと歌うことができたのは間違いないわけですね。喉も大丈夫でしたか?

はい。術前よりも圧倒的に伸びやかに声が出るようになったのは自分でも思ったし、ファンの人からも“声の伸びがすごく良くなりましたね”っていう意見がとても多かったです。復帰から2カ月弱でいろいろステージを踏ませてもらっているんですけど、その中でもどんどん歌が良くなってきている実感が自分の中にあるので、まだまだ良くなるんだろうなって感覚はありますね。
鈴木このみ
シングル「Bursty Greedy Spider」

OKMusic編集部

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