アニクラ文化を世界へ届けたい!Ele
ments Garden上松範康・竹田祐介とD
4DJ Peaky P-keyが企む世界征服への
道のりとは!?

『DJ』をテーマにアニメ『D4DJ First Mix』やスマートフォン向けリズムゲーム『D4DJ Groovy Mix(以下:グルミク)』など、多方面に広がりを見せる音楽メディアミックスプロジェクト『D4DJ』。 アニメは2021年1月29日に最終回を迎えたが、その勢いは止まることを知らず、3月17日を皮切りに全6ユニットが各2ndシングルを毎月リリースする予定となっている。SPICEではそんなD4DJのニューシングルに込められた想いや、その誕生秘話を探る作曲家インタビューを半年間に渡ってお届け!今回は、リリース第二弾となる『Peaky P-key(以下:ピキピキ)』の新曲秘話を伺った。これまでもピキピキの楽曲は音楽クリエイター集団『Elements Garden(以下:エレガ)』が担当してきたが、今回の「無敵☆moment」とカップリング曲「Ultimate Vista」も例に漏れず、エレガから作曲家の上松範康、竹田祐介の両名が担当。「ピキピキの存在がエレガに成長を与えてくれている」とまで上松氏に言わしめた今回の新曲には一体どんな想いが込められているのだろうか?常に最強であり続けるピキピキの音楽とアニソン業界のトップランナーであるエレガのコラボはある意味、必然だったのかもしれない。

■「アニソンとEDM、ふたつの"王道"を征く」
――D4DJ 2ndシングル特集記事第2弾ということで、今回はピキピキの新曲「無敵☆moment」の作曲を手がけられた上松範康さんと、カップリングの「Ultimate Vista」を作曲された竹田祐介さんにお越し頂いております。今回の楽曲はどんなテーマとなっているのでしょうか?
上松:最初に今回の楽曲はゲームのストーリーの最後に流れる曲ということを伺っていまして、もう曲名からしてそうなんですけど、キーワードとしては「王者感」「無敵感」「ドヤ感」というのがありました(笑)。"王道のアニソン"とひと口に言ってもそれを言葉で説明するのはちょっと難しいんですが、メロディアスである事とイントロがアガる感じはマストだな、と思いました。
――ニューシングルの個人的な感想ですが、表題曲/カップリング曲のバランスが良かったなと思っていまして。どちらもクラブDJっぽいサウンドではありつつも、表題曲はアニソン/キャラソンらしさも感じさせつつ、カップリングは逆にクラブサウンドとして突き抜けている、という……。
竹田:そうですね。自分が担当した「Ultimate Vista」ですが、先ほど上松の話にもあった"王者感"というのもありつつ、ボーカルを担当する山手響子(CV.愛美)はファルセットが伸びやかでキレイなので、どちらかと言えばそれを活かせる"エモい"方向で仕上げました。一応、バラードで始まりBメロで転調してサビで踊れる感じ、というかなり具体的な発注もありつつ、ゲームのストーリー上でもメンバーがやりたい事の方向性の違いで衝突するんだけど、それを全部まとめ上げてしまおう、みたいなお話があったので、曲自体も大きく展開するようなイメージで作りました。
――とはいえ「Ultimate Vista」も"EDM"としては王道と言いますか、しっかりビルドアップがあってドロップに入るという曲構成は、まんまEDMですし、むしろ和モノではありますけど普通にクラブで流れていても違和感ないなって思いました(笑)。
上松:そこが竹田のスゴイ所なんです。めっちゃオシャレな曲を書いてきたから「やっぱコレが若い人の才能なんだな〜」って思いました!エレガとしても新しい風が欲しいとずっと思っていたので、D4DJに関しては竹田に色々と任せているんですよ。今回は作曲も担当してもらっていますが、編曲の方でもずっとやってもらっていて、プロジェクトの最初期の頃から携わってもらっているんです。なので、今ではどちらかというと「ここどう思う?」みたいに竹田に相談に乗ってもらう機会も多いくらいで(笑)。自分は作曲だけでなくピキピキ担当の"音楽プロデューサー"という肩書きもあるので、ピキピキらしさとエレガらしさというか、そういう塩梅なんかも見ないといけないんですけど、だからこそ最初から一緒に、より現場に近い所で全部見てきてくれている竹田の存在には助けられていますね。
■「ファンに応え続けるのが、王者としての"心構え"」
――続いてはお二人のピキピキの第一印象について教えて頂けますか?
竹田:第一印象としてはやっぱり「王者感」みたいなものがあったんですけど、ある程度携わっていく中で感じたのが「常に進化していこう!」みたいな向上心やストイックさですかね。自分自身も毎回作る曲で新しいジャンルを取り入れてみるとか、ピキピキに置いて行かれないように自分も進化しなきゃ!って思わせてくれる存在に今ではなっています。
上松:まさに今、竹田が言ってくれたように、むしろ進化をし続けられるからこそ王者でいられるのかな、と思っています。一応、自分はピキピキの音楽プロデュースを任せてもらってる身ではあるんですが、アニメであったりゲームだったり、色んなメディアで展開されていく中で、ブシロードさんはもちろんですけど、ファンの皆さんの中にも段々とピキピキってどういうユニットなのか?というのが形成されていくと思うんですよね。これは作る音楽にも繋がる話なんですけど、もちろん最初は自分たちが感じた第一印象が軸にはなっていくと思うんですが、やっぱりファンの皆さんの方が自分たちよりもキャラクターへの想いっていうのは強くなっていくと思うので、その想いに追いつくような音楽にしないといけないし、皆さんが求める"ピキピキ"に変化していく必要があると思っています。それにピキピキもそうやってファンの気持ちに応え続けていくユニットだと思っています。なので、しっかりとその変化に対応させていくのが音楽プロデューサーとしての努めなのかなと思っています。
■「既にあるアニソン✕ダンスミュージックの流れへのリスペクトも」
――冒頭でも少し話題には上がっていますが、DJがモチーフの作品ということでサウンド面で意識した点は何かありますか?
竹田:「Ultimate Vista」はイントロにボイスサンプルを加工したボーカルチョップを入れているので、それはDJっぽい演出になってるんじゃないでしょうか。あとは先ほどの話にもあったように、ビルドアップからのドロップセクションを作ったので、EDM感のある楽曲になっていると思います。
上松:うん、すごく今っぽい曲だよね。そういう"新しさ"の方向性はもう竹田に任せてしまっているので、逆に「無敵☆moment」では編曲を菊田大介が担当していることも相まって、アニソンの長い歴史の中でも既にあるトランスをベースにした楽曲だったり、それをアニソンに持ち込んだ第一人者の方……色んなところでお話に出させてもらっているのですが(笑)その方をかなりリスペクトして作り上げましたね。エレガって実は彼らに憧れて立ち上げたチームだったりもするので、自分や菊田としてもすごい耳馴染みのある音楽なんですが、逆に今の若い人からしたらそうでもないかもしれないね、という話になりまして、ピキピキにミックスさせたら、楽曲の幅の広さも出せるし、より王者感も増すんじゃないかなと思って組み込んでみました。
――えー!あの北海道の某サウンドチームの方々ですよね……?そんな経緯があったなんて、ちょっと鳥肌が立ちました(笑)。
上松:そうなんです。実はエレガを立ち上げたばかりの時に真っ先に、大量の栄養ドリンクの差し入れを持って事務所にやってきてくださったりして、めちゃくちゃお世話になってる大先輩なんです(笑)。
上松範康
■「力強くもあり親しみやすい、"上松節"が生まれた理由」
――では、続いてはお互いの楽曲についての感想などあれば、お聞かせください。
上松:竹田の「Ultimate Vista」はイントロが好きかな。ふわっとオシャレに入っていく感じとか、すごく今っぽいし、普段からしっかりと色々な音楽を聞いてるんだなって思いました。自分の世代だと現場に行って音楽を体に染み込ませて来い!って師匠に言われたから、若い頃は結構クラブに足を運ぶようにしていたんだけど、竹田ってクラブとか行くの?
竹田:クラブは本当に数えるくらいしか行ったことはないですね。若い頃に数回って感じで、基本はYouTubeで勉強って感じですかね。
上松:YouTubeで勉強って、世代感じちゃうな(笑)。クラブミュージックで1番大事なのがボトムの低音感だと思っているんだけど、そこはちゃんと現場の音響の鳴りを知ってる人の出し方になってるからスゴイな〜って思いました。
――逆に竹田さんは「無敵☆moment」の印象とかっていかがでしたか?
上松:スゴイ気になります!(笑)
竹田:ちょっと、圧が……(笑)。というか、元々ボクはElements Gardenファンだったので、上松さんの"上松節"とも言える胸がアツくなるようなメロディに、菊田さんのトランス感があるアレンジっていう黄金コンビの組み合わせは、普通に好きです!単純に好きでした(笑)。
上松:いいよいいよ!めちゃくちゃ嬉しいよ、もっと褒めて(笑)
――いやー、分かります。メロディアスで力強いんだけど、キャッチーな親しみやすさも兼ね備えてる……って普通にスゴくないですか?!
上松:でも、逆に言うと自分にはそれしか武器がないというか……。もちろん昔はひとりで作編曲とかもやっていたんですけど、ありがたいことに竹田のように慕ってきてくれる若い作家も増えて、チームとしてやっていく中で、自分が編曲までやってしまうと、結局編曲で帳尻を合わせるような感じで自分に甘えることが出来ちゃうんですよね。チームの中で誰かが強いメロディで引っ張っていく必要があるなって思っていて、それで自分は編曲をやらずに、菊田や竹田にそこは任せてしまうというスタイルで"エレガ"というチームが強くなれた印象はありますね。
■「D4DJはElements Gardenの総力戦」
――ここまでお話を伺ってきて、上松さんと竹田さんの和気藹々とした感じとかもそうなんですけど(笑)、"チーム"としての強さがそのまま音楽にも反映されてるなって印象がすごく強くなりました。
上松:そもそもD4DJってよく考えたらすごくスケールの大きい話なんですよね。日本ではあまり知名度は高くないかもしれないけど、海外ではDJってひとりで何十億も稼いでいたりするし、とても高い影響力を持っているじゃないですか。ブシロードの木谷さんからD4DJの目指す世界の話を初めて聞いた時に、最初から日本だけじゃなく海外も視野に入れられていて「なんてスケールの大きい話をしているんだ……」と驚いたんですけど、そうなってくるとやっぱり個人じゃなくてチームで挑まないと無理だと思うんですよね。だからD4DJがエレガを総力戦に"させている"んですよ。一応中心にいるのは竹田と自分ですけど、今回のシングルでは作詞をSpirit Gardenっていうエレガと連動した作詞家集団が担当しているのもそうですし、今までのエレガじゃダメだっていうのはコンテンツがそうさせているんだと思います。
――ちょうど作詞の話題なんかも出てきたので、続いての質問に移らせて頂きたいのですが、ご自身の曲で、作詞や編曲など自分が担当した以外の部分で印象的だった部分が何かあればお願いします。
竹田:自分の曲だと、作詞以外は自分が担当しちゃっているのでアレなんですが、ラスサビの最後に「Ultimateを超えたビートで "Peaky" is come true」という歌詞がありまして。"究極を超えたビート"って単語が、スゴイなって思って(笑)。ピキピキの向上心というか、ストイックさに負けてらんないなって思わされました。
上松:自分も作詞に関してなんですけど、四字熟語が面白いな〜と思いまして。乱戦上等とか顔面蒼白とか、世界征服みたいなのが結構色々な所に散りばめられていて、普通こんなに四字熟語って入らないんですけど上手いこと入れ込んできたところにSpirit Gardenの気合いを感じましたね。上松のメロディを喰ってやろうぐらいの気合いを(笑)。
――ぜひ、作詞の方にも注目して聞いて頂きたいですね。
上松:あえて匿名にしているのですが、こういうスタイルってキャラクターソングとかと相性いいのかなって思っているんですよね。キャラよりも人の名前が先行しないので。面白い試みかな〜と思って今回やってみたんですが、今後も楽曲に合わせて都度メンバーをアサインしていくと思うので、そういった変化も楽しんでもらえたら嬉しいですね。
■「Peaky P-keyに挑戦するつもりでREMIXしてほしい」
――D4DJではREMIXの制作、並びにSNS等での共有をOKとしていますが、ご自身でREMIX等を制作した経験や、ご自身の楽曲がREMIXされることについてお話いただけますか?
竹田:自分は二次創作では結構作っていました。もちろん、個人のお遊びの範囲なんですけど、アニソンのボーカルデータだけ抽出してトラックを作ってみたり、いわゆるMAD的なアニメのキャラクターのセリフとかを切り貼りしてトラックに乗せてみたり、みたいな経験はあります(笑)。
上松:REMIXされたら、どう?やっぱり嬉しい?
竹田:いや、されたらやっぱり嬉しいです!今回の質問を受けて、YouTubeとかでちょっと検索してみたら自分が作った曲のREMIXがあって、見つけた時は嬉しかったですよ!
上松:もちろん今は全然そんなこと無いですけど、自分が今の竹田より少し若いくらいの頃は、誰かがREMIXした自分の曲をたまたま聞いて「いや、そうじゃないんだよ!」みたいに思っちゃったこともありました(笑)。モチーフとしているDJのカルチャーがサンプリング文化だという土壌もありますし、色んな人に愛されてるなって思うから、今はありがたく聞いています。
――まぁ当然、原曲がないとREMIXも作れませんし、作曲した人が1番思い入れがあるのは当然だと思います(笑)。逆にREMIXを作る側からしたら作曲者さんにどうリスペクトを届けるか?みたいな観点があってもいいかもしれませんよね。
上松:きっとピキピキなら、自分たちでも思い浮かばなかった斬新なアイデアとかを欲しがるでしょうから、ピキピキに挑むような気持ちでガツッとREMIXを作ってもらえると嬉しいですね。
竹田:あ〜、確かに。常に高みを目指してる感じはピキピキですね!
――今回の連載ではせっかく作曲家さんにインタビューをさせて頂けるという事なので、いま現在、作曲家を目指していたりREMIXを作ったりしているよという方に向けてメッセージなど頂けないでしょうか。
竹田:あくまで自分の経験の話になってしまうんですけど、REMIXなりオリジナルなり、やっぱり作り続けることが重要なのかなと思います。先ほどお話したように自分もそうやって遊びでREMIXを作ったりしていて、もちろんそれだけではないんですけど、曲を作り続けていればきっとお仕事に巡り会うチャンスにも回ってくると思いますし、実力も身に付きます。ただ身体を壊しちゃったら元も子もないので、健康第一で作り続けて頂けたらと思います(笑)。
上松:いや〜、素晴らしい!エレガの未来は安泰だわ〜(笑)。竹田の言ってることって、自分も最近ひしひしと感じる部分がありまして、我々の仕事って「作る」じゃなくて「作り続ける」なんですよね。名曲を生み出すだけなら"一曲入魂!"みたいな感じでも良いんですけど、作曲家の仕事って実はマラソンなので、短距離走のペースで作曲していても魂が削られていくだけなんですよ。自分もそういう経験があるんですけど、特に劇伴みたいな仕事だと作品を音楽で象るわけですから、音の深みみたいなのに潜り込みすぎて息継ぎを忘れちゃう瞬間があったりするんです。それで、終わった後に燃え尽きちゃうみたいな……。作曲活動を続けていくと多分誰もが向き合う壁だと思うんですけど、それを乗り越えた先で思ったのが、作り続けるってことだったんですよね。竹田の「健康第一」はおじいちゃんかよ!ってツッコもうかと思いましたけどね、全然若いのに(笑)。でも作り続けるって事に関してはホントに作曲家として100点満点のアドバイスだと思います。
■「アニソン✕クラブのシーンを世界へ拡げたい!」
――最後に、D4DJやピキピキのファンの方に向けて、ひと言お願いします!
竹田:そうですね。自分も進化を続けるピキピキに負けないようにこれからも楽曲制作で食らいついて行こうと思っていますので、皆さんも一緒に追いかけてくださると励みになります!
上松:海外だと音楽シーンの中心にいるのがDJで、彼らが有名なアーティストに楽曲提供したり、DJの存在が当たり前の世界なんだけど、日本だとそうでもなくて。だから逆に、D4DJというコンテンツが世界に羽ばたいていったらどうなっちゃうの?!って楽しみに思うんですよね。でも世界へ逆輸入していく前に、まずは日本のファンの皆さんの応援が何よりも必要なので、たくさん応援してほしいです(笑)。日本の小さなクラブでアニクラとかをやってる人たちに一気にスポットライトが当たってる現状があって、この文化を世界レベルにまで押し上げられるコンテンツにしたいと本気で思っていて。そして、その一端でもいいのでピキピキが携われたら嬉しいな……と、木谷さんのスケールが大きいから自分の話もどうしても大きくなっちゃうんですが(笑)。我々制作サイドはそういう強い想いを持ってD4DJをやっているという事だけでも知っていて欲しいなって思うので、皆さんにも頑張って付いてきていただけたら嬉しいです!
――上松さん竹田さんのこの熱量を、なるべくそのまま皆さんにお届けできるよう、私も頑張ります!本日はお時間頂きまして、本当にありがとうございました!
インタビュー・文:前田勇介

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