ライ・クーダーらしさが際立つ
傑作セカンドアルバム『紫の峡谷』

音楽伝道者としての側面

フォークリバイバルをバックボーンに登場してきたアーティストの特徴と言ってもいいが、彼らが取り上げる古いブルースやフォークについて、リスナーは大いに興味をそそられるのだ。ライで言えば、アルバムに登場する、ウディ・ガスリー、レッドベリー、ジョニー・キャッシュ、ジョセフ・スペンスなど、それらのアーティストについて「オリジナルを聴いてみたい!」と思わせる雰囲気をどことなく感じるのである。それはまさしく、授業で習った人物や事柄を知りたくなるのと同じようなベクトルなのである。おそらく、ライの音楽を好きになった人は誰もが音楽の知識が豊富になったはずだ。少なくとも、僕の周りではそうだった。ライと方向は若干違うが、ハッピー&アーティ・トラウムをはじめ、ジム・ルーニー、エリック・カズ、マリア・マルダーらが参加したマッド・エイカーズの1枚目のアルバム『ミュージック・アマング・フレンズ』(’72)も似た効果を生んでいたように思う。

結局はこの“お勉強”のおかげで、カントリーブルースやサザンソウル、カントリー、フォーク、ブルーグラス、ワールドミュージックまで、ありとあらゆる音楽を聴くことになって、ライの仕掛けた罠にまんまとはまっていることに気づくのだ。ライのアルバムで知ったスリーピー・ジョン・エスティスは、彼のアルバム『スリーピー・ジョン・エスティスの伝説』が日本でも73年にリリースされただけでなく、74年の第1回『ブルースフェスティバル』に来日(鉛筆のカポ、覚えてますか?)するなど、ライのおかげでカントリーブルースのファンになった者も少なくなかったはずである。

OKMusic編集部

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